色褪せない映像を見ながら
古い映画やドラマを見るたび、ふと。
この猫や馬たちは、もう生きてないんだよね。
この子役も、私より大人に……いや、それどころかおじさん、もしかしたらおじいさんになってるんだよね。
この俳優亡くなってもうだいぶ経ってるんだよね。
そんなことを考えてしまう。
映像に写る動物や人々。
もう、この世にいない動物そして俳優たちが、生き生きとしている。
今となっては年老いた元子役は、その映像内ではずっと子役のまま。
世界は止まることなく動いている。
けれども映像の世界は、風景が変わることなく止まったまま。
それを見ていると時折、なんだか不思議な感覚になる。
流れる映像を見ながら。
色褪せない映像を見ながら。