表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/10


「おっはよーう!!」

 みんなのテンション低い月曜日も、つむちゃんは元気だ。


「おはよう」


「練習試合どうだったー?」


「うん、大丈夫だったよ! 多分ミスってないはず。わかんないけど」

 そう言って笑うと、つむちゃんも嬉しそう。


「心配してたから良かった〜変なのにも絡まれなかった?」


「あははっ! そんなの何もないよ〜」


「かわいいんだから、気をつけなきゃだめだよ! 約束!」

 そう言って小指を見せてるつむちゃんのほうがかわいいでしょ。


「はい、約束!」

 私たちは謎の指切りをした。




————楽しくない授業を終えて、お昼休み。

 

 売店は今日も賑わっている。


……トントン。

 誰かに肩をたたかれた。


 振り返ると大沢くんと田代くん。


 制服で会うことに慣れてなくて、ちょっと気まずい。

 反応に困った私はお疲れって声をかける。


「優斗じゃーん!!」

 つむちゃんが気がついてくれて、一気に場が和む。


「おっす」


「私のかんちゃんに何のようですかっ!!」


「いや普通に見かけたから、声かけようと思っただけだし」


「あたしのかんちゃんイジメたら絶対許さないから!!」

 イケメン発言をして、私を隠すように前に立つ。


「そんなことしないわ!」

 

……まるで夫婦漫才を見ているようだった。




————午後の授業。

 

 授業にも慣れてきて、毎日まぁまぁな課題が出されるようになった。

 

 ため息をつく。

 隣を見ると、つむちゃんと目が合う。


「終わる気がしないんだけど」

 

 ほら、やっぱり同じこと考えてた。

 わかるわかると言いながら深く頷いて、机に倒れ込む。




————気がつけば部活の時間になる。


 他のクラスより授業終わるのが遅い私は、いつも後から合流。


「かんちゃん、お疲れ〜!」

 遅くきても明るく迎えてくれる優しい先輩たち。


 それからしばらく、練習試合のことを褒めてもらった。



「あ、そういえば、来週の水曜日から春季大会が始まるのね。うちは木曜日が初戦で……その日は公休扱いになるからジャージでグラウンド集合ね。2回戦以降はゴールデンウィークに入るよ」


 ん? 来週?

 公休ってつまり学校休むってことだよね。

 授業はどうするの? 

 まさかの補習させられるパターンか?


「了解しました!」

 頭の中のはてなを無視して、返事をした。



 翌日、澤村先生に確認するとやっぱり補習があるらしい。

 

 どんまい、私。

 自分で自分を励ますしかなかった……。






——————それからあっという間の日々を過ごす。


 火曜日の筋トレDayだから、マネージャーはお休み。

 筋トレDay以外は授業からの部活、そして課題に追われるを毎日を繰り返す。


 ただ、ありがたいことに部活中に課題をさせてもらうことができた。

 これがほんっっっとうにありがたい。



 クラスのみんなとも少しずつ打ち解けてきたし。

 仲良くなった3人以外とも話すようになった。


 それに野球部の先輩たちの顔と名前も一致してきたし。

 昼休みとか校内で会うと、挨拶だけじゃなくて話しかけてくれる人も増えた。



 入学してからまだ1ヶ月も経っていないのに大革命だ。

 


 入学前には想定していなかった、高校生活を送っている。

 そして、あっという間に4月最後の週を迎えた。





——————いよいよ春大が始まる。







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ