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第37話 2日目(メイド喫茶)

 ———次の日。


 俺は執事姿から一転してクラTに身を包み、瑞稀と共にメイド喫茶に入るために、2日目開催とほぼ同時に並び始めた。

 ただ、その人気ぶりは凄まじく、一直線に向かった俺達でさえ直ぐに入ることは叶わず、10番目くらいになった。

 

「いよいよだね……お兄ちゃん……」

「そうだな……お前が変な事しないかが1番気になるがな」

「変な事なんてしないよ! 失礼な!」

「どの口が言ってんだよどの口が……」


 因みに昨日は、あれからは平和そのもので、少し盛り下がってしまったものの、比較的楽しめたのではないだろうか。

 ただ、その代わり兄貴が色々とやってくれたそうで、絶対に柚と芽衣を紹介しろと約束をさせられてしまったが。


「お兄ちゃん、心の準備は出来た?」

「まぁ一応はな。と言うか、あんま兄を舐めんなよ? これでもあの2人と関わる様になってからは女性への免疫も強くなったんだぞ?」

「えー嘘だー」

「何でそんな懐疑的なのか一度ちゃんと問いただして見たい気分だよ」

「だってお兄ちゃん彼女居たことないじゃん」

「ぐ……痛い所を突いてきやがって……」


 疑わしげに俺を見る瑞稀が、俺にグサッと刺さる言葉を吐く。

 妹にまで彼女が居ないことを指摘されると、流石の俺も心に———


「———ってお前も彼氏出来たことねぇじゃん」

「ぎくっ…………で、出来たことありますけど? お兄ちゃんに言ってないだけで経験豊富ですけど?」

「本当に経験豊富な奴はそんなこと言わないと思うんだがなぁ」


 俺がそう指摘すると、瑞稀は忙しなく目をキョロキョロと彷徨わせ、落ち着きなさそうに早口で反論して来る。

 しかし、長年兄をやっている俺には、瑞稀が嘘をついている事などお見通し……と言うか今は、普通に誰でも分かるレベルで挙動不審になっている。


「も、もうその話はやめよ! 私もお兄ちゃんも傷付くだけだよ……」

「そうだな。如何にこの言い争いが不毛かがよく分かった」


 俺達はお互いがこれ以上傷付かない内に、この本当にしょうもなくてくだらない言い合いを止める。

 それと同時くらいに、若干引き気味の柚と芽衣のクラスメイトが、恐る恐る俺達に話し掛けて来た。

 どうやら俺達が言い争っている内に列が進んでいた様だ。

 

「え、えっと……入りますか?」

「「入ります」」

「あ……では少し待ってください」


 そのクラスメイトがこの兄妹やべぇ……的な目で見ながら一瞬中に何かを伝えに行った後、30秒程で戻って来た。


「準備出来ましたので、どうぞ」

「あ、はい」

「開けるよお兄ちゃん……」


 ゴクッと唾を飲み込んで緊張した面持ちで瑞稀が扉を開けると———


「———いらっしゃいませご主人様っ!」

「ん、いらっしゃいませ。ご主人様」


 何と芽衣と柚2人が目の前に立っていた。

 しかも、メイド服姿で。


 念の為もう一度言おう。


 ———メイド服姿で立っていた。


 芽衣は可愛らしいフリルが多数付けられたメイド服に身を包んでおり、全体的に少し幼い印象を与えるが、胸の辺りはこれでもかと主張して、今にもはち切れそうな様子でぎゅうぎゅうに詰まっており、少し恥ずかしさの残る顔も相まって、大変えっちぃ。

 対する柚は、大人っぽく、どちらかと言えば本物のメイド服に近いメイド服を着用しており、芽衣までとはいかないものの、相当に大きなものを持っており、尚且つ膝上のスカートからは、すらりと伸びたガーターベルトの付いた艶かしい太ももが覗いており、此方も大変えっちぃ。


 一言で言うと、最高だった。


「…………我が妹よ……」

「ふっ……余計な言葉は要らないよ。私も同じだから……」


 2人のあまりの美しさに歓喜の涙を流して喜ぶ俺達を見て、芽衣が焦った様に駆け寄ってきた。

 それと同時に、いつも以上に激しく主張する芽衣の胸部装甲。


「ゆ、揺れてる……!」

「えっ!?」

「口に出すなバカ! 芽衣が恥ずかしがっちゃ———前言撤回。ナイスだ瑞稀」


 胸を押さえて恥ずかしそうに顔を真っ赤にする芽衣の姿は、創作でよくいるドジっ子メイドの様で、大変に萌える。

 更に芽衣だけでなく、柚も先程から動いていないが、チラチラと見える太ももが大変良き。


 俺が柚の太ももを見ていると、ふと視線を感じたために上を見て……柚と目が合い、ジト目で見られてしまった。


「あ、えっと……」 

「ん、ご主人様の目がえっち」

「い、いや違っ……うくないけど、これは一般高校生男子には流石に耐えきれないものが———」

「でも、昨日に免じて許す」

「ありがとうございます!!」


 

 …………メイド喫茶……最高かよ。



 俺はこのメイド喫茶をやろうと奮闘した2組の男子達に心からの感謝を捧げた。


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