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第24話 強制

「———さて、今日から1週間は授業を4時間でカットして、午後は文化祭準備に充てる」


 担任のそんな言葉と共に、クラス全体が一瞬にして湧き立つ。

 そして文化祭実行委員を中心に話し合いが始まった。


「それでは、これから1週間の内に終わらせないといけないことを伝える」


 実行委員の真面目系イケメン男子———斎藤宗介(さいとうそうすけ)がそう言うと、執事カフェをやるにあたっての学校側からの要求やしなければならないことを話し出す。

 クラスメイト達は各々色々と考えを出し合い、スムーズに決まっていく。


 そんな中俺はと言うと———


「文化祭……憂鬱過ぎる……」


 ただ1人、他のクラスメイトとは真逆の、あり得んくらい苦い顔をしていた。

 

 いや別に、文化祭自体が嫌いなわけじゃないんよ。

 何なら文化祭の規模が大きいのも此処の高校に選んだ理由の1つだし。

 文化祭自体は大好きなんよ。


 たださ……今のボッチっていう俺の立場だと、クラス全員が団結しなければならない文化祭は1番の難敵なわけである。


 俺が難色を示していると、実行委員が本格的に役割決めを開始した。

 

「それでは一先ずそれぞれの担当を決めたいと思う。まず主役の———執事をやりたい人は手を挙げてくれ」


 それで手が上がるのは、生粋の陽キャ勢ばかり。 


 俺は勿論挙げてないぞ?

 陽キャの巣窟にわざわざ飛び込むほど俺だって馬鹿じゃないし、そもそもの話、陽キャしか居ない所とか普通に嫌だもん。

 俺の希望は裏方です。


 このまま誰からも手が上がらず、終わりそうな雰囲気が出ていたのでホッと一息付いていると———突如教室の扉が開いた。

 そこからひょっこりと顔を出したのは、我が学年の二大美少女たる柚と姫野さんである。

 まぁ表情を見る限り、姫野さんは柚について来たと言う感じだろう。


「ん、今何してる?」


 相変わらずのマイペースで実行委員の斎藤に尋ねる柚。

 一応文化祭の準備の時間は相手のクラスの敵情視察するのもありなので、柚がくること自体に問題はない。

 勿論何のために来たのかは全くの不明ではあるのだが。


 ただ———何故か猛烈に嫌な予感がする。


「い、今は執事カフェの担当を決めている。現在は執事を誰がやるか決めている所だな」

「そう。執事カフェ———楽しみにしてる」


 柚は俺を見ながらそう言った。


 こ、コイツ……俺が執事をやらないと読んで先手を打って来やがったな……!?

 これで俺が執事をしなければ確実に面倒なことになるじゃないか……!!


 俺の衝撃もさることながら、突然の2人の登場に少なからず衝撃を受ける我がクラスだったが———次の瞬間にはクラスの男子ほぼ全員の手が上がっていた。


「俺、執事やりたい!」

「俺も!!」

「馬鹿かお前ら! 執事は俺の仕事だろ!」

「数多のラノベとアニメで執事の知識を吸収した俺以外に適任はいないだろう」

「いや俺が執事やる! バイトでやったことあるからいいだろ!?」


 結構カオスな状態だが、俺的にはこの状況はありがたい。

 小さく手を挙げて選ばれなかった風に動けばやらなくて済むかもしれないからな!


 しかし———マイペースな柚は更に仕掛けて来た……と言うよりトドメを刺した。


「ん、えーたは執事強制。実行委員、執事にえーた入れるのダメ?」


 お、おい……やめろよ柚……!

 いや、あの真面目な斎藤ならば、柚の頼みも跳ね除けることが———


「ちょ、ちょっと柚ちゃんっ! どうなってるか見るだけじゃなかったのですか!? 流石に他のクラスのメンバー決めに口を挟むのは———」

「勿論オッケーです!! 姶良さんの願いですので、佐々木君は実行委員の権限で執事役に決定です!!」

「いや承諾するんかい!! するなよ承諾! 俺はやりたくないに決まって———」

「姶良さんがやれと言っているのだからやるんだ佐々木君」

「いや怖っ!? さてはお前、姶良の信者か何かだな!?」


 俺はこの後、脅してくる実行委員に必死に抵抗したが———執事をすることが決定した。

 

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