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第15話 文化祭の出し物

また明日。

「———それではこれからクラスの出し物を決めたいと思います!」

「「「「「「「うおおおおおお(きゃぁあああああ)!!」」」」」」」


 警察にストーカーを引き渡した次の日。

 俺達のクラスでは、約1ヶ月後に行われる3日間こ文化祭の事について話し合っていた。

 そのため、ただでさえ五月蝿い我がクラスメイト達がいつもの数倍は余裕で五月蝿い。


「まぁ文化祭だからか……」


 と言うか今思ったけど、柚と姫野芽衣が同じクラスってズルくね?

 学年で……いや、学校内でもずば抜けた美人の2人が同じクラスだったら、俺は間違いなく文化祭狂喜乱舞して———


「「「「「「「「「「よっしゃああああああああああ遂にこの時が来たあああああああ!!」」」」」」」」」」


 俺がそんなことを考えていると、他クラスから鮮明に何を言っているか分かるほどの声量の男子達の歓喜の声が聞こえてきた。


「「「「「っ!?」」」」」


 うん、狂喜乱舞してるわ。

 間違いなく今叫んだクラスって柚と姫野芽衣の2組だろ。

 男子の声しか聞こえねぇもん。


 俺はやけに静かになったなと、辺りを見渡してみる。

 すると、男子達はこれ見よがしに暗い顔をしていた。


 ほら、何かメンタル壊されてんじゃん。

 まぁ分からんこともないけど、一応このクラスって顔面偏差値大分高いぞ。

 俺は話し掛けても相手にされないどころか侮蔑の視線を浴びるけど。


 俺がそんなことを考えていると、何故か皆が俺を見ているではないか。

 まぁ———


「チッ……あの屑が2人と関わりあるのがウザいわ……」

「ほんとそれな。何であんな奴と……」


 ———こんな感じの陰口を沢山貰いながらだけど。


 おい、めちゃくちゃ一言一句本人に聞こえてんぞコラ。

 もう少し隠す努力しろやボケ。

 幾ら温厚な俺でも怒っちゃうぞ☆


「…………」

「「「「「「「「…………」」」」」」」」


 こうして文化祭テンション不在のまま、俺達の文化祭の出し物決めが始まった。








「———ってなことがあったんだよ。お前らのクラスのせいでもう雰囲気めちゃくちゃ悪かったわ」

「ん、私悪くない。男子が勝手にはしゃいだだけ」

「ま、まぁ、文化祭ですので五月蝿くなるのは仕方のないことかと……」


 いや分かってるよ。

 2人に愚痴っても意味ない———おん?


 俺は物凄く自然だったが故に気付いていなかったことを指摘する。


「ねぇ———何で姫野さんが居るんだ?」

「ん、呼んだ」

「ご、ご迷惑でしたか……?」

「いや、違う違う! 友達皆無の柚はまだしも、姫野さんは沢山友達いるだろうし……その友達は良いのかなって」


 俺がそう言うと、姫野芽衣が何か言う前に柚が弁当をベンチに置いて指を鳴らしながら言った。

 

「ん、喧嘩なら買う。掛かってこい、ゲーム雑魚太」

「不名誉極まりないあだ名をつけるな美少女ボッチめ」


 柚はコキコキと指を鳴らしながら、俺は眉をヒクつかせながら、睨み合って威嚇する。

 今すぐにでも取っ組み合いが勃発しそうな俺達の雰囲気に、姫野芽衣が直様止めに入った。


「け、喧嘩は駄目ですよ!」

「止めてくれるな姫野さん。ゲーマーとして『ゲーム雑魚太』なんて不名誉なあだ名を許してはいけないんだよ」

「ん、ボッチなんてあだ名許さない」


 俺達は更に火花を散らしながら睨み合う。

 そんな俺達に姫野芽衣が話を変える様に質問してきた。


「さ、佐々木君のクラスの出し物は何なのですか?」

「ん? 俺達4組は……執事カフェだ」

「ふっ、えーたこそ執事は似合わない」

「そんなこと分かっとるわ! 俺は必死に反対したんだよ!」


 だが、俺の健闘虚しく、衰弱しきった男子陣は女子陣になす術なく敗北。

 それと同時に男子達のメイド喫茶という案は無かったものにされてしまった。


「何でも女子陣が男子陣の執事姿(俺以外)を見たいんだと。まぁ俺達のクラスはイケメン多いからな」

「そうなのですか……私達はメイド喫茶なので被らなくてよかったですね」

「へぇーメイド喫———メイド喫茶だと?」


 俺が突然真顔になったことに不思議そうにしながらも、コクンと頷く姫野芽衣。


「そうですよ。柚ちゃんと私はメイド服を着るらしいです」

「…………ああ、今年の文化祭は当たりだ……絶対見に行くよ。何なら3日間全て見に行くよ」


 姫野芽衣と柚のクラスメイトよ……本当によくやってくれた。

 信じていたよ。


 俺は死ぬほど感謝した。


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