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13.私の追放日記

最終回はセティーブの後書きです。“追放日記”についてのお話となります。


 あなたへの記述も、今回が最後となります。実のところページ数が思っていたより余っていたので、デオ達にも書いてもらったのでした。それでもまだ、余ってしまっています。


 とりあえずは、先にデオ達の記述の感想を書かせて頂きます。


 デオは……、あの時のスライムだったのですね。色も違っていたので、気づきもしませんでした。ごめんなさい。

 それと、デオは私を好きだと書いてくれましたね。その返答は記述ではなく、直接、(こた)えさせて頂きます。その時まで待っていて下さい。


 次に、ヴェリアへ。

 私が将来、もしメイドさんを雇おうと考えたら、ヴェリアに真っ先に依頼します。ヴェリアなら、申し分ない最高に素敵なメイドさんになってくれるはずです。

 仲間にメイドになってもらうことに対しては、ためらいもありますが、ヴェリアの頼みならしかたがありません。でもきっと、仲間、あるいは親友として扱っちゃいそうです。どちらにしても、仲良く過ごしましょう。今までと同じように。


 それとグイさん、ヴェリアへの過度ないたずらはやめて下さい。そもそも、あなたには書くように依頼はしていませんよ?


 ユリサは、文章ではなく、絵を描いてくれました。……この日記を読んで下さるあなたは、読むことは出来ても、こちらの絵は見られないのですよね。一応、どのような絵なのかだけは、ご説明します。


 ユリサのページでは、白い翼の生えた女性二人が、目をつぶって裸で抱き合っています。片方の女性は私セティーブをモチーフにしていて、もう片方は美少女姿のデオのようです。際どい部分は、白い光のようなものや髪の毛でどうにか隠されていました。


 すごく上手な絵なのですが、非常に恥ずかしい印象です。それでも、描いてくれてありがとうございます、ユリサ。


 さて、感想は、この辺りで終了としましょう。


 あなたにはこれより、この『追放日記』について書こうと思います。


 私が拠点としている街では、少し前まで、冒険者パーティーのメンバーの『追放』がブームになっていました。


 追放理由は、ひと昔前なら、純粋にパーティーの役に立たない、一部のパーティーメンバーと()りが合わないといった、ありふれたものが多かったです。


 それが、少し前までのいわゆる『追放ブーム』の時になると、つき合っていた恋人を取られたとか、お店から持ち帰ったデザートのプリンが揺れのせいでぐちゃぐちゃにされたなど、冒険者の活動とは特に関係のない理由でも、無数の冒険者が追放されました。


 その結果、くだらない追放理由を面白がった業者さんが、追放日記というものを作成しました。楽しい追放の内容を書いて提出すれば、冒険者ギルドの広報誌に掲載してもらったり、報酬が出たりするようにしたのです。なお、最近でも、まだまだ不純な理由の追放は後を()たないみたいですね。


 私はこの追放日記を買わされてから、ずっと放置していたのですが、たまたま仲間を追放する機会があったため、あなたに向けて今回のことを書いた次第です。


 せっかくですので、追放についての私の見解を、書き(しる)します。


 追放と言うと、一般的には否定的なイメージがありますが、必ずしも追放という行為自体が悪いとは思いません。

 例えば、もし同じパーティーに他人を平気で傷つけておいて笑えるようなやつがいたら、追放されて当然じゃないですか。これまでの人生において、私は何人も最低な人間を見たり聞いたりしてきましたが、ああいう人々が追放されるべきでしょう。


 私の場合、大切な仲間達をしかたなく追放することになりましたが……、ここからが重要になります。


 この追放日記で追放した人のことを書くと、その人に幸せが訪れる。そんな迷信があるそうなのです。


 それは、追放をした相手の幸運さえも願う自分自身に酔いたいからのか、追放日記でおかしく書かせてもらったせめてものお礼なのか、由来(ゆらい)は定かではありません。


 私がここまでの内容で追放について言及した人物は、デオ、ユリサ、ヴェリア、私の母、それとモコシエです。モコシエは話の展開上、書くことは()けられなかったのですが、今までの悪行を反省するのであれば、幸せをちょっとぐらいは祈ってやってもいいでしょうね。


 デオ、ユリサ、ヴェリア、私の母には、本当に幸せになってほしいです。


 そして、私にはもう一人、幸せになってもらいたい人がいます。


 それは“あなた”です。


 あなたはきっと、私の追放日記を最初から最後まで、全部読んで下さったと信じています。ならば、そんなあなたには感謝を込めて、この台詞(セリフ)(おく)りましょう。


 私はあなたを、――追放します!


                    (終わり)

今回で、『私の追放日記』は終了となります。最後まで楽しんで頂けたでしょうか?


もし、作者の作品でまだ読んでいないものがありましたら、せっかく色々と書いたので、ついでにどんどん読んで頂けたら嬉しいです。


ここまでおつき合い頂き、ありがとうございました。

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