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「おはよう」

「おはよう。なんか機嫌が良いみたいだね」


わたしはまだ学生なので当然、学校に来ていた。

目の前にはクラスメイトのリサがいる。彼女とは学校で仲良くなったのだが、話しやすいので付き合いやすいのだ。1年生からずっと付き合いが続いている。

何となく仲が良いままで来ているのでありがたい存在だ。

彼女のお家は宿屋でリサもお家の手伝いを結構していて、彼女は私と反対で早くお嫁さんになりたい願望がある。ちなみに旦那さんになる人の希望は優しい人、ではなく話し合いのできる人、なのだそうだ。

話し合いができれば大抵のことは片付くとの持論だ。

そして私もその意見には同意ができると思っている。


「ねえ、なんか困った事はない?」

機嫌が良いとの言葉に乗って軽く話を持ちかけてみた。小さな困り事を解決して実績を作ろうと思っていたので、早速実行してみる。とりあえずは近しい人からの困り事を手掛けてみようとの企みだ。

そう言うと聞こえは良いが、単にどこから手を付けて良いのかわからないのと、宣伝費もないので、口コミで噂が広がれば良いな、と思っての単純な話を実行しただけのことだ。


「困り事?」

リサは私の言葉に首を傾げる。

急に何を言い出すのかと思ったのだろう、不思議そうな様子だ。

無理もないと思う。学校の友達に『困り事なんかある?』なんて聞かれるとは思わないと思う。私が逆の立場なら急になに?と思うのは間違いないはずだ。

「変な事を聞くのね?何かあるの?」

「んん。ちょっとね。私の将来のために、かな?」

「何それ?」

リサは不思議そうな顔をする。私の予想が当たった形だ。私の将来のために、と言われても理解は出来ないはず。リサは結婚願望がある。私のバリキャリ志望を聞いても理解は出来ないだろう。そこを説明して同意を得られるだろうか?

「まあ、いろいろ考えていると言うことにしておいてくれる?」

「変なの。でも、困り事ならあるわ」

期待のできる返事が来る

私は期待に胸を膨らませつつ先を促した。

「何があるの?教えて」

「私の旦那さん候補。どんな人が来るのか気になってるのよね。どんな人が来ると思う?」

「それってまだ先の話だよね?話そのものが来てないんじゃないの?」

「そうだけど、気になるじゃない?」


私はがっくりとうなだれてしまった。

リサは逆に唇を尖らせ不満顔だ。

「困り事、って言ったじゃない?私の困り事よ?違うの?」

「そうだけど、そうなんだけど。もっと違う方向性を思ってたから」

「違う方向って、どんな方向よ?」

私の説明不足かも。困り事と言われれば自分の事を持ち出すのは普通だった。反省しよう


「そうね。何て言えば良いのか。個人じゃなくて、会社というか、お店単位というか。家族単位とか。そんな感じかな?」

「お店の困り事?会社ってなに?」

「会社は商店の事よ。例えばリサの宿屋で困ってることとかない?その方がわかりやすいかな」

私は会社と迂闊に口にしたこと反省しながら、リサの家業に限定して話すことにした。その方がわかりやすいと思ったからだ。その言葉にリサが反応して下を向いた。

「それって、何でも良いの?」

「もちろんよ。相談に乗るわ」

私はどんな内容か気になりつつ身を乗り出した。

「聞かせて?」


リサは本当に困っているのか目尻がさがり切っていた、


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