私だ
亡くなってすぐに感じたのは、ふわふわとした高揚感でした。
ここはどこなのでしょう? どこか一点にいるような、だけれども、どこにでもいるような。
どれくらいの時間がたったのでしょう?あっという間の一瞬のような、だけれども、数十年の月日が経っているような。
私は誰なのでしょう? 山田梅子、山田梅子じゃないような、アレク、いや、私は山田梅子。山田梅子です。
寒気がしました。いや、正確に言うと、感覚はございませんので、あくまでビクッと寒気を感じた、というのが正しい言い方ですが。なぜ、私は自分が誰なのか、などと問うたのか? 私は梅子。山田梅子です。
「いいや、違う」
私の思考を突然、海のように深く、山のように重い声が支配します。
「だっ誰なのでしょう」
「私は、神だ」
「え。。。」
思考がまとまらず、その声だけに私の感覚が超克されていきました。
「お前は転生したのだ。そうアレクサに。」
この瞬間、私は思い出したのです。
とても大事なことに。
「私だ」
私という存在から、海のように深く、山のように重い声が発されます。
「はっお前だったのか」
「ふ、また騙されたな」
「暇を持て余した」
「神々の」
「「あそび」」




