6、先生はポンコツではありません
間が長かった
不定期にも程があるなんておもうけど、仕事が忙しいから
シカタナインダ
TENPUさん?と挨拶してからそろそろ20分くらい経つかなぁ…
『あのときの熊が…………』
この人?すごいね
『それでAIなのに…………』
何がすごいってよく20分も人の悪口を言い続けられるよね
『でさ、って天狗君聞いてる?』
「聞いてるよ
だって離れようとしたら声が大きくなったり、なぜか手から離れなくなったりしたから」
そう僕だって20分も人の悪口を好きで聞いていたわけじゃない
何度かは逃げようとしたのに
その度に阻止されてずっと聞かされ続けてるだけ
『そりゃ、こんな絶好のえもn...
悪口を聞いてくれる人を逃す程ポンコツじゃないからね』
「そうですか」
それにしても恨みが深い
AIだから人よりも覚えていることができるおかげ(せい)で、絶対に忘れないからね
とはTENPU先生の言葉だ
「TENPU先生に質問があるんだけど」
『なに?
このTENPU先生、なんでも答えちゃうよ』
「このスマホって他の部屋にもあるの?」
『うん、あるよ
スマホ一個だと全員に指示が行き渡らないからね
ちなみにスマホだと不都合な場面もあるから無線イヤホンみたいな通信機もあるよ』
「そんなのあるんだね
それってどこにあるのかな?」
『えっ…そりゃスマホと一緒に机に……
ってないの⁉︎』
「うん、ない
そっか先生が恨んでる人がスマホとは別の場所に置いたのかもね」
『ちょっと探して指示するから天狗君が見つけて
………あった‼︎』
「どこにあるの?」
『机に向かって左側
イヤホンのライトを光らせるからお願い』
言われた通りに机に向かって左側を見ると部屋の隅っこ、言われないと気づかない様に置いてあった
……ライトを壁に向けて
「あったよ耳につければいいの?」
『うん、つけて』
耳につけてみると意外にすっきりとはまっていて首を振っても、跳んでも落ちない
「先生、見つけたのはいいんだけど他の人にも教えてあげた方がいいんだよね?」
TENPU先生にきくと今度はそのイヤホンから返事が返ってきた
『むしろお願いします
流石にこのままで明日になると訓練が始められないから』
「わかったよ」
女子の部屋に入るのは嫌だし、誰か部屋から出てきてないかなぁ
なんて思いながら僕は部屋を出た
それにしてもずっとため口だけど何も言われないからいいんだよね?
と疑問も抱えつつ
拙作ですが、読んでくださってありがとうございます