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僕は普通の訓練兵(自称)  作者: 狗我葉
4/9

1,徴兵とクソオヤジ

不定期に投稿していきますので、読んでくださる方、気長にお待ちいただけると幸いです



お父さんがテレビを点けだ時に流れていたニュースを見て、僕は目を疑った

そう、昨日夢で見たそのままニュースが流れていたからだ


『本日、我が国は世界に向けて宣戦布告いたしました』


ありえない…

だって、あれは夢だったはずなのだから

そんな混乱している僕をさらに混乱させる様に

「当然よね〜」とお母さんが

「やっぱりそうなったか」とお父さんが言った


いや、おかしいでしょ?

何が当然で、何がやっぱりなのかさっぱりわからない

宣戦布告だよ?つまり、戦争開始ってことだよ?

夢がまだ続いているならこんな悪夢、早く覚めてくれ

そう願わずにはいられなかった……




だって、夢の通りならこの後すぐに…




ピーンポーン

その時、ドアホンのチャイムが鳴った


〝やめてくれ、夢の通りになってしまう〟


そんな心の声をあざ笑うかの様に

また

ピーンポーン

とドアホンのチャイムが鳴る


「どちら様ですか?」

とお父さんがドアホンに出る


『すみません、こちらは多田野狗我葉ただのくがは君のお宅でしょうか』


夢で聞いたあの声が聞こえた


「はい、そうですよ

お待ちください」


ガチャ


お父さんが扉を開け、中に通されてきたのは見たことのない、しかし正装だと分かるきちっとした服を着たーーーーーー


「はじめまして

そしておめでとうございます

この度、我が国の宣戦布告とともに設置されました《特殊潜入工作部隊》special sneaking in construction unit 略してSSUの第1期訓練兵団の団員として徴兵されましたので、通達いたします

また、この通達は国からの命令となっておりますので拒否権はございません

あ、申し遅れました

私、矢井崎傀具根やいざきかぐねと申します」


悪魔が天使に思える様な顔で笑う

地獄を天国と思える様な訓練を実施する

正に、魔王と呼べる人物

矢井崎傀具根

その人だった


「長い付き合いになると良いけどな」

矢井崎が言ったその言葉は混乱が続く狗我葉の耳には届かなかった








__________________








あとで知った話だが全国で100名、それが僕を含めたSSUの第1期訓練兵として老若男女問わず徴兵された人の人数だったらしい






__________________














「もう少しで訓練兵団の基地に着きますからね」


僕は今、矢井野さんの運転する車に乗って訓練兵団の基地に向かっている


本当に話が急すぎるのだが、もともとおとなしい性格な僕は逃げ出すなんて選択肢は最初からなかったし、家族も混乱していた僕を快く送り出したのだからどうしようもない


いくら国の命令でもお父さんやお母さんは僕の味方をしてくれると思っていたのだが…





_________


矢井野さんの車で訓練兵団の基地に向かう少し前


_________



国からの通達を伝えたあと

続けて、給料やその他労働条件を矢井崎さんが説明するとお母さんがまず懐柔され


嫁好きー なお父さんはすぐにお母さんに同意して


僕が混乱している間にトントン拍子に両親と矢井野さんの間で話が進み


生活用品は全て国から支給されるということから僕は着の身着のままで矢井野さんが乗ってきた車(意外と普通の車で、むしろ少し古そうだった)に乗せられ


満面の笑みでお母さんの肩を抱くお父さんと

満面の笑みで

「お勤め頑張るのよー」

なんていうお母さんに見送られ


訓練兵団の基地に向かうことになった


ちなみに、訓練兵でも普通のサラリーマンくらいの年収で福利厚生がしっかりしているそうだ



それから数時間

車で訓練兵団の基地に向かう最中に話は戻る










〝お母さんはまだわかる

きっといつもみたいに僕のためを思って送り出してくれたんだろう

だがクソオヤジ、テメェはダメだ

くそう、あの万年暇オヤジめ

息子をなんだと思っているんだ〟


お父さんと呼んでいた父の株がクソオヤジと心の中で呼ぶくらいまで落ちるくらいになった頃


「はい、お疲れ様でした

ここが訓練兵団の基地になります」


矢井野さんがそう言って車のドアを開けてくれた



……この数時間で始めて矢井野さんの顔をちゃんと見た僕は自分の意識が遠のいていき


〝矢井野さんの顔、リアルだと夢よりもさらに怖いんだ…けd……〟



「えっ、狗我葉くん⁉︎

狗我葉くん⁉︎」

と慌てた感じで僕の名前を呼ぶ矢井野さんの声を聞きながら




僕は訓練兵団の基地を見ることもなく気絶した


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