第2話これって面接なの?!
ヒロイン?なにそれ美味しいの?
ある昼下がり義之はとある小さなビルの前にいた。
「ここが教授が紹介してくれた会社のビルか、ビルにすら社名が書いてないんだけどバックレたらヤバいかな?」
嫌な予感を感じつつビルの中に入っていく義之
「いらっしゃいませ、どういったご用意でしょうか?」
義之は声をかけられた瞬間体が硬直してしまった。そこには、下手な芸能人なんて足元にも及ばない様な美人がニッコリと微笑みながら受付にたっていた。
「どうされました?」そう声をかけられて義之はハっとして体を動かした。
「本日、面接の予定の仲間義之と申します。」
心の中でもうこの会社に絶対受かる!!と力んでいた。それほどの美人であった。
「お伺い致しております、そちらのエレベーターで地下へお越し下さい」
ん?地下?と思いながらも「はい!ありがとうございます!」と斜め45度の自分で1番イケてると思っているキメ顔で答えていた。
颯爽と無駄に機敏な動きでエレベーターへ乗り込み扉が閉まる瞬間までキメ顔で受付嬢を見ていた。
「はい、今地下へ向かいました。はい、では僕は任務に戻ります。」だれもいなくなったロビーでその声が響くのであった。
その頃、義之は「あんな美人がいるなんてラッキー!絶対受かって彼女と仲良くなって見せるぜ!」エレベーターの中でシャドーボクシングをしながら今後のプランを念密に妄想していた。
妄想を膨らませて暫くして義之はエレベーターが停まらない事に気がついた。
「あれ?もう乗って数分たつんだけどなんで着かないんだ?しかも、地下80階ってどんだけ深いのよ笑」っと美人の受付嬢の事が頭いっぱいで余裕をぶっこいていた。
そして、表示が90階を越えた辺りから「あれ?ヤバくない?全く停まらないんだけど、もしかしてエレベーター乗ってからの行動も面接の内とか?」
もし面接ならばキメ顔作りながらエレベーターに乗り込んできて扉が閉まった瞬間からニヤニヤしながらシャドーボクシングを始めた男である。
「ヤッベーなもっとシャドーボクシングしただけで帰るとか一生の黒歴史になりかねん」
諦めモードでぼーっとしてたら、チン!と100階の表示でエレベーターが止まり扉が開くのであった。
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