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歩き続ける者達  作者: C・トベルト
第4章 門前不動の魔王
27/66

第27話 シュリアに始まりシュリアに終わる

あらすじ

ピリオ側→ダンクだと思った?残念、 スーパーハイパーマスターウルトラアームストロングネオパーフェクト暗黒大魔王様でしたー!


ダンク側→ スーパーハイパーマスターウルトラアームストロングネオパーフェクト暗黒大魔王様だと思った?残念、ダンクでしたー!




〜洞窟内〜


ピリオと包帯男は杖に魔法で灯りを点し、洞窟内を歩き続ける。

ヒカリゴケが光に反射し、仄かな輝きが洞窟を照らしてくれている。それはまるで異世界に来たような感覚だった。


「これ、何の魔法なの…?」

「何だ若者よ。ヒカリゴケも知らんのか?」

「ヒカリゴケ?」

「光を反射する特殊な苔の事だ。

…さて、着いたぞ」

「…?」


包帯男はそっと手を差し向ける。

そこには小さなテーブルと椅子とベッドが置かれた、洞窟内の小さな生活空間だった。


「ベッドだ!」

「今日はここで休むが良い、矮小で無知なる若者よ。

果て無き世界へ旅立つには、やはり朝日を浴びながらと相場が決まっているからな」

「矮小で無知なるって…何か嫌味ったらしいなぁ」

「実際、ヒカリゴケを知らなかったし、今貴様が使用している灯りの魔術より洞窟向けの魔術など、沢山あるのに使ってはいない」

「え?」

「洞窟内の地形を記憶す魔術、暗闇に灯りを灯すウィル・オ・ウィスプ、獣や虫除けの呪文…。

それらの基本呪文を使わず『ライト(点灯)』の呪文だけで洞窟内を歩くとは、魔術師として無知な証拠だな」

「う…」


次々と自分の知らない呪文を聞かされ、思わずたじろぐピリオ。

包帯男は話を続ける。


「…そう言えば貴様、名はなんだ?」

「え?何でここで名前を聞くの?」

「いつまでも『若者』では他の若者が来た時面倒だろう。

問おう、貴様の真名は何だ?何が貴様を現世に留まらせている?」

「え、ぼ、僕の名前はピリオ…。

ピリオ・ド・シュリアだよ?」

「何っ!?」


包帯男の目が見開く。そしてピリオの両肩を掴んだ。その力はあまりに強く、ピリオではふりほどけない。


「き、貴様…!

あのシュリア家の者なのか!?

しょ、証拠を見せろ!」

「え、う、わ、わかった、わかったよ!

だから放して!」

「む……すまない」


解放されたシュリアは鞄からある物を取り出す。

それは父、オタク・ド・シュリアから貰ったシュリア家の紋章だ。

丸いペンダントの中には雄山羊の絵が描かれている。

それを見た瞬間、包帯男の雰囲気が一瞬で変化した。


「…な、なんだとオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!?」


包帯男はもう一度ピリオの両肩を掴む。


「き、貴様!

シュリア家の娘だったのか!?

『彗星魔女』スター・ド・シュリアの一人娘だったのか!?

答えろ!答えて見ろ若者よ!」

「……………」


しかし、幾ら包帯男が叫んでもピリオは一切喋らなかった。

何故なら突然の咆哮に立ったまま気を失っていたからだ。


それに気付いた包帯男は肩から手を離し、ガクリと膝を付く。


「……そうか、もう終焉(ピリオド)か。

始まりのシュリア、スター・ド・シュリアが来れば我など一瞬で消えてしまう…」


包帯男は辺りを見渡した。

ヒカリゴケが見せる洞窟内の幻想空間を、包帯男はじっと見つめる。


「…できるならば、もう一度貴殿に会いたかったなぁ。

我が弟子、ダンス・ベルガードよ…」


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