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歩き続ける者達  作者: C・トベルト
第3章 ノダリアのメリーちゃん。
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第18話 純真無垢なパンで朝食を


〜パンの街、ノダリア〜。


『もし貴方がノダリアの街で空腹感を覚えた時、それはこの街の真の魅力を堪能できる時だ』〜旅人メリー〜。


ノダリアは三方を山に囲まれ、一方は海へと続くエドン河川がある。

山では農業が河川からは海で魚をとってきた漁師達で街は潤い、食文化も他の街に比べ段違いに発展している。

この国で飢えや飢饉で苦しむ人々は少なく、逆に近隣の街で飢饉が発生したら先ず動くのがこの街、ノダリアである。

石畳で道路は鋪装され、その上を何百何千の人間が日々歩いている。

その道路の真っ只中で、ピリオとダンクはパンフレットを覗き込みながらこれからの計画を立てていた。


「ダンク、僕は先ず宿屋を探すのがいいと思うんだよ」


ピリオはパンフレットに『安い宿屋』と書いてあるコーナーを指差す。だがダンクは『美味しいレストラン』と書いてあるコーナーを指差した。


「ピリオ、俺達はここまでずーっと歩き続けてきた。

先ずはレストランで軽く食事をするのが一番だ」


ピリオはむっとした顔でだがダンクの顔を見る。


「ダンクは風で浮いてただけじゃないか。

疲れてるのは僕の方だよ、宿屋が先」

「疲れた体で宿屋を探し回っても大変なだけ。

先ずはレストランで食事をとり体力回復だろ」


ダンクもまたピリオに包帯で出来た顔で睨む。

両者は暫く睨みあった後、同時に叫ぶ。


「宿屋!」「レストラン!」「宿屋!」「レストラン!」「宿屋!」「レストラン!」「宿屋!」「レストラン!」「宿屋!」「レストラン!」…。


しばらく叫び続けた後、『とりあえず本屋で何か買ってから決めよう』という事になり、二人はパンフレットに書いてある地図通りに本屋の道を探す。


「地図によればもう少し先だね、そこで色々決めるとしよう」

「良いだろう、次は早口言葉で『ボクダンクのしもべになる』と十回言えた方が勝ち」

「本屋から近い店で決めるからね!

そんな変な事誰が口にするか…あ、そうだダンク、ちょっと包帯出して」

「ん、何だ?」


ダンクはひょい、と右手を差し出す。ピリオはその右手から飛び出てる包帯を少し引っ張り、自分の左手首に巻きつけた。


「何をしているのだ?」

「これでダンクが風に飛ばされても大丈夫、離れる事はないよ」

「ほー…成る程な、確かにその方法は考えなかったな。

(これでピリオで遊べる方法が一つ減ってしまったな)」

「今何か言った?言ったよね!」

「なーにも言ってないよー」


ダンクとピリオはこの時歩きながら喋っていたので曲がり角に気づかず、誰かが走っている事にも気付かなかった。

そしてピリオは気づかないまま曲がり角を曲がり…ゴツン、と鈍い音がした。

ピリオと誰かが頭からぶつかり、転んでしまったのだ。

その際ダンクも転び頭から地面に激突した。

ピリオは鼻をさすりながら立ち上がり、目を回したダンクが頭をぐらぐら揺らしながら立ち上がる。


「いたた…だ、大丈夫?」

「俺は大丈夫、そいつは」


ピリオの目線の先には可愛らしい女の子が頭を擦りながら立ち上がっていた。


「だ、大丈夫ですか…すいません」

「私こそ大丈夫…ごめんね、あまり周りを見ないで」

「いや、こちらこそ…」


ダンクとピリオは知らない。

目の前で頭を擦る可愛らしい女の子こそ、これから二人に大騒動を起こす張本人であるという事を…。


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