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聖女様と黒魔導師  作者: ハジメアカネ
とある依頼
4/5

聖女様③

ーーノースディア地方。

 パラディア国北部で最も王都に近い地方。北部では北に進むにつれて雪が多く積もっているが、この地方では雪が降らないと言われている。


「そんな地方で唯一雪が積もる場所ーーそれが白幻の森だよ」

「ただ雪が降ってるだけでしょ。そんな洒落た名前つけなくてもいいのに」

「そこは一面銀世界でとてもとても美しいーーらしいんだよ」

「? らしいって、行ったんじゃないの?」


 どこか含みを持たせるような言葉にシャルロットは首を傾げる。


「行ったとも。入口までね」

「は? 入口ってーー」

「とにかく、一度行ってみるといい。私が君に頼んだ理由もわかるだろう」


ーー頼んだよ、聖女シャルロット様。


 その言葉を最後に、電話は切れてしまった。

「結局、まともな情報無いじゃない……」


ーー聖女シャルロット様。


 少女の脳内に男の声が残る。それはじわりじわりと、彼女の中に溶けていく。


「……聖女様って柄じゃないっての」


 すっきりしないような表情で受話器を掴む。先ほどまで人の癇に障るような表情を浮かべていたこの白猫は、今は可愛らしいぬいぐるみのように動きを止めている。


「……相手の声に反応しすぎるのも考え物ね」




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