僕、今日から女子高に通います☆
土曜日にブラの購入という色々恥ずかしさしか残らないイベントや(ちなみにサイズはE65だった)、少々サイズが合わなかった靴の購入などを終え、日曜日は喋り方を模倣したり敵が誰で味方が誰であるかを確認した。
色々辻褄が合わなくなりそうだが、巴月のフォローを期待するしかない。
そして月曜の朝。
課題の提出は和明に頼み、俺は両親が見ていないことを確認して一旦部屋へ戻り、急いで薬を飲んで家を出る。ちなみに巴月はバレたので隠すつもりがなくなったらしく、さっさと和明と一緒に最寄りの駅まで行ってしまった。
駅に着くと改札前にいた2人が俺に気付いて、片方は手を振り、片方は「ちっ」とでも言いそうな顔をする。
「あっこっちだよー星…んぐっ」
「深月さん、おはようございます」
さらっと俺の名前で俺を呼びそうになった巴月の口を塞いで、和明がさっきの舌打ちをしそうな顔を完璧な笑みに変えて挨拶してくる。……こいつ絶対腹の中では大爆笑してやがるに決まってる。っていうか巴月こええ。
「……和明くん、おはよう」
今は深月に徹さなければならない俺は、そんなことおくびにも出さずに笑顔で返したが。
「ぷはっ。あ、ご、ごめんね、間違えちゃったー。ちゃんと気を付けるからねっ!」
っていうか今俺の見た目深月なのになんで間違えるんだ。
「じゃあ、僕はこれで。巴月さん、また放課後に」
「うん!いってらっしゃーい!」
俺の通う高校と、今から俺が潜入(?)する女子高は、最寄りの中央林間からは真逆だ。藤沢方面に向かう和明の後ろ姿を見送って、俺たちは相模大野方面のホームへ向かった。