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探偵役と助手さん1

…この文章の書き方で短編小説とか、僕がおかしいんだろうね

 はじめまして。ぼくの名前は稲上いねがみといいます。

 ぼくは「なんでも探偵事務所」という場所で働いているのですが、まず最初に、そこがどんな場所であるかを皆様方に知っていただきたく――

「こぉら稲上! とっとと茶を汲んで来い! 待たせるなーっ!」

「わ、わっ! ちょっと待ってくださいよ、紫苑しおんさん! お客様がいるわけでなし!」

「何が待てだっ! きみの私用なんて、犬猫の捜索願を依頼してくるお客様くらいに要らないんだよ! ほら早くお茶っ!」

「それは探偵事務所としてどうかと思いますっ! ああもうっ! すぐに持っていきますから!」

 仮にもなんでもと銘を打っているのだから、なんでも引き受けていいと思うのだが、いまだに紫苑さんはわがままばかりだ。

 わがままでなければ紫苑さんじゃないという気もするけど。それを普通に受け入れているぼくって、結構なお人よりだったりするんだろうか?

 ポットからお湯を急須に注いで、適温まで冷ましてから茶葉を入れる。それを程よく蒸らしてからお盆に乗せた湯呑の注ぐと、そのまま事務机に座っている紫苑さんにお茶を持って行った。

「3分……遅いっ!」

「ひぅ」

 身を縮こまらせるぼくに、紫苑さんは手を伸ばす。僕はたたかれるっ、と思い、ぎゅっと目を閉じた。

「……?」

「へぇ。日記か? きみも日記をつけるようになったのか」

 紫苑さんはぼくが目を閉じた一瞬で、音もなく移動したらしい。ぼくの助手席に移ると、そのまま開きっぱなしになっていた分厚い日記を手に取っていた。

「あっ」

 思わず声が上がる。そんなぼくの顔をにやりと笑って見返すと、日記をそっと閉じてくれた。

「心配するな。勝手に見たりはしないさ。人様に見せるべきものじゃないだろうしね」

「あ、ありがとうございます」

「ところできみは、今日は仕事が入っていただろう? 犬猫の捜索願だ。確か、しましまのトラ猫、だったような……」

 あ、覚えていたんだ、ぼくの仕事を。

 ぼくは急にうれしくなって、紫苑さんのことを大仏さまを初めて見たような感動した目で見つめた。

「な、なんだい……? そんなキラキラした目をして、ボクを見てさ」

「いえっ! なんでもありませんっ!」

「……そうかい?」

 そうじゃないだろう? と、紫苑さんの珍しくはにかんだ笑顔が物語っていたが、結局は何も言わずに「それじゃ、いってらっしゃい」と見送ってくれた。

 ああ。今日一日、いつも以上に頑張れる気がしてきたぞっ!


とりあえず、日常編です

助手さんがトラ猫さんを見つけて終わり……のつもりです

あといくつ「探偵役と助手さん」が続くのか、わかりません

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