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第2編 監視される世界  作者: SEED
第4章 真理の裏側
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記憶という名のメモリー

サブタイトルは矛盾しているように見えますが、、、、

メモリーは名残という訳もある・・・・あるよね?


天翔は敷地内に入ると、すぐにメインコントロールルームを目指した。種子島宇宙センターは大きく分けて3つのブロックに分かれている。コントロールブロック、組み立てブロック、発射ブロックだ。今天翔はコントロールブロックを走っている。このブロックには3つの建物がある。1つにメインコントロールルーム、2つにサブコントロールルームが存在し、この3つが同時にスイッチを押すことでロケットを射出するシステムになっている。そして天翔は迷わずメインコントロールがある建物へと向かっていた。


「必ず、そこにあいつがいるはずだ・・・」


階段を上っていくとすぐにメインコンピュータルームへとたどり着いた。


「洋一郎!!」


ドアを蹴破るとすぐに銃弾の雨が先ほどまで天翔がいた空間を通り過ぎていく。


「早かったですね。さすが天才ハッカーといわれるだけある。『New Order』の中から計画ファイルだけを取り出したんでしょう?」


「あぁ、そうだ!もうすぐP.J.F.A本隊もかけつける。もう終わりだ洋一郎!」


「僕は終わりかもしれない。だけどね碓氷くん。世界は終わらないんだよ。世界はこのまま続いてく。だからこそ僕が世界を変える意味がある。僕がここで死んでも世界は続いていくんだ。」


「それがおまえの願いか!?」


「そうだよ。だからこそ僕は強者なんだ。世界を変えること以外に目的がない。自分が死のうとそれはどうでもいいことなのさ。」


「くそっ!」


俺もハンドガンでドアの向こうに打ち返すが相手からの銃弾がやむことはない。


「天翔くん、ここですることはもう終わってるんだ。だけど僕は君をここで待っていた。」


「なぜだかわかるかい?」


「知るか!」


「残念。・・・・・その方が面白いからさ。」


「そうかよっ!」


「僕は発射上に行くよ。そこに仮設だけど発射スイッチを用意している。もうすぐで準備が完了する。君は間に合うかなぁ?ハハハハハッ!!」


笑いながら三葉は俺があがってきた階段とは違う、反対側の階段から下へと降りていく。俺もここから降りていけば下で待ち伏せできるがそれはできない。なぜならメインコントロールルームの端末を介して発射は行われる。それが仮設スイッチを作成してでもだ。つまり三葉はここでの設定を終えたからこそ発射上へと向かった。だからこそここでこいつらを倒し、メインコントロールルームで設定を書き換えない限りあいつを止めることはできない。



「・・・仕方ない。周りの機材への影響があるかわからないが。」


そういって一つのグレネードを取り出す。ピンを抜いてすぐに投擲すると部屋の中から甲高い音と凄まじい閃光がほとばしった。すぐさま天翔は飛び込み片方の敵の腹を膝で蹴り上げ、盾にする。そしてもう一人の銃撃を回避するとすぐさまハンドガンで相手の脳髄を打ち抜く。


「ふぅ・・・こいつら外国人か。」


倒れている男たちは白人だった。おそらく国籍も外国籍だろう。死体をそのままにして備え付けてある端末を操作する。やはりデータはここを中継する設定になっている。ここで指令を全ブロック設定するようにしようとしたが予想通りパスコードがかかっている。解除する時間はない。


「くそっ!!」


手を端末に叩き付けて怒りに耐える。やはりここはそのままにして発射スイッチを直接押さえるしかないようだ。天翔はそのまま反対側の階段を駆け下りた。


// 雫 Side START //


少佐が中に入ってから15分が経過した。無線で連絡を入れたのでおそらく後10分前後で特殊部隊が到着するはずだ。


「少佐、もう少しの間です。・・・早まらないでくださいっ。」


(ジャリッ・・・・)


「誰ッ!」


後ろから地面をふむ音が聞こえた瞬間に、雫は銃を抜いていた。


「あぁ、君は天翔の友人かな。すまない、どうしてもここを通らないといけないんだ。」


「あ、あなたは・・・・・!?」



// 雫 SIDE END //




階段を下りきった天翔はその勢いのまま発射上へと走った。発射場まで目前というとこおで突然天翔の進行方向に熱線が降り注いだ。


「!?・・・・・あっぶね」


前を見るとそこには三葉洋一郎がたっていた。片手には発射スイッチを持っている。


「洋一郎!もうやめろ!!」


「そうはいかないよ。これは僕たちの悲願でもあるんだ。」


「僕・・・たち?」


「そうさ。君が今まで相手にしてきたのはなんだったかな。JoBにDoF?」


「JoB・・・・なんでお前がその組織のことを!?」


「この組織、いや犯罪組織たちのはただの表面だよ。犯罪手段たちはそれぞれ連絡を取っているのは知っての通りだが、それを有事の際、統率する組織も存在するのさ。」


「犯罪組織を統率?馬鹿な、ここの利益と思想を追求する集団がまとまる訳がない。」


「だけど、そこに莫大な利益と信頼された情報が約束されていたら、話が違ってくる。そうだろ?」


「・・・・・」


事実そうだ。犯罪組織であろうと一個人であろうと今の世界、『情報』がなければ人間は行動を起こすことすらできない。信頼された情報を握ることはさらなる安心を呼ぶ。


「その統率者たちが、私の研究成果を待ち望んでいるんだ。・・・そしてNew Orderを使って君を監視するように言ってきたのは政府だけど、まぁ統率者たちの圧力もあるんだろうね。」


「日本政府もつながっているっていうのか。」


「一部の高官だけさ。・・・・・・そろそろおしゃべりもいいかな。これを打ち上げないと。」


そういって洋一郎はロケットの方に振り向く。


「まて!スイッチを置け!!」


俺は銃を洋一郎の背中へと構えた。しかし洋一郎はそれに臆することなく、こちらに振り返った。


「あぁー、ダメダメ。もうしまいなよ。」


洋一郎が手を横に振ると俺が立っていたスレスレの位置を熱線がかすめていく。それによりハンドガンを縦に切り裂く。


「!?」


「(どうやった?監視カメラを通してのモーションセンサー?いや、しかしそれを準備できるほど時間はなかったはず・・・・)」


「驚いてるかい?君にはできないことかな?」


「・・・・・ッ!?」


事実、パソコンを持っていない俺では不可能なことだ。ましてや手元にある小型端末ではパワーがたりない。


「これはね、示顕エンジンがあるからこそなせることなんだよ。示顕エンジンを6つ繋ぎ、現実を湾曲させる技術だ。脳内の無意識領域にE'sエスという仮想メモリ領域を作り出し、E's内で計算を行いそれを示顕エンジンが現実に反映させる。事象の湾曲は四条の研究成果でもある。それを僕が示顕エンジンという形で作り出した。」


「・・・・・・」


「今の技術はね。僕のE'sを使って脳内からここのシステムをハッキングしたんだよ。」


「なに・・・・?」


「現在研究されているナノマシン技術は知っているかい?」


「あぁ。」


ナノマシンとはナノサイズの機械装置を体内に埋め込む技術だ。その技術も『天才科学者・四条』が研究していた技術だ。


「僕の体には四条が研究していたナノマシン『Forceフォース』が入っている。それが無意識領域内に計算領域を作ることを可能としている。これから人類は、示顕エンジンの恩恵を得て、さらなる革新が起きる。」


「馬鹿な。そんなことが起きれば再び世界は戦争に包まれる!」


「先ほど言ったはずだよ、世界を束ねる者たちが、それを望んでいるんだ。」


「・・・・・・」


「戦争は起きない。そして私たちに抵抗する勢力はもはや皆無と言って良い。君も、その能力を世界のために使わないか?」


「・・・・・・・」


「今すぐ返事をしなくてもいい。我々が君を監視していたのは政府からの依頼もあったが、それ以上に君のその圧倒的な力を欲したからだ。」


「今こそ、扉を開く時だ。」


洋一郎が両手をひろげてスイッチを掲げる。それを押そうとした次の瞬間、天翔の背後から声が聞こえた。


「やぁ、ナイスタイミングかな?」


「・・・・・・ッ!?あなたは・・・・四条さん・・・ッ」


その言葉に天翔も後ろを振り向く。そこには過去の写真で見た事のある男がたっていた。髪は茶髪、細目が印象的で知性的な男だ。年齢はおそらく30後半。


「・・・・・・天才・四条敏也」


今まで発表した論文は数知れず、人類に貢献したと言われる研究も郡を抜いている。


「久しぶりだね洋一郎君。まぁ〜なんだ・・・君もなんというか予想通りの行動をしてくれる男だ。」











そして男・・・四条は天翔を正面から見つめた。

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