人ならざりしモノ
1時間目から6時間目までの授業を終え、部活にいく。
僕は美術部に所属している。
女っぽいとか言うなよ!
美術部は女子8人、男子5人で、合計13人で活動している。
活動といっても、イラストや漫画などを描き、たまに見せあうというものだ。
僕は一週間ほど前から描き始めた漫画を進めることにした。
2~3ページ進んだころ、視線を感じた。
教室で感じたときと同じだった。
後ろを振り返っても、美術部員で友達の勇人がイラストを描いているだけで、こちらを見ている人は、誰一人としていなかった。
「どうかしたか?」
「いや・・・」
その後も、漫画を描いている間、ずっと視線を感じていた。
部活も終わり、下校の時刻。
やはり、帰りも混むのが嫌なので、さっさと帰る。
半分まで来たところで、また視線を感じた。
自転車をとめ、振り返ると、かえり血を浴びた女がこちらを見て、にやっと不気味に笑っていた。
「お前、誰だよ・・・」
僕は強がってか、怖さを紛らわすためか、女に話しかけていた。
『・・・子』
「聞こえねぇな・・・」
額から冷や汗が流れる。
ヤバイ。逃げなければ。
頭ではそう思っても、体がいうことをきかない。
僕が瞬きをした、一瞬。
ほんの一瞬で、女が消えた。
女が消えたことでほっとし、気が緩んだ。
『トシ子』
「っ!ぅぐっ!」
女は僕の背後に立っていた。
振り向くと、女は僕の首を締めた。
足が地面から浮く。
僕は苦しくて必死にもがくが、力が緩まるどころか、逆に力がこもっていった。
「あ゛っがっ!」
『ズット・・・イッショ・・・・・・』
「がはっ!」
ゴキッという首の骨が砕かれる音が響いた。
頭と腕は力なく下がり、目には光をやどしていなかった。
女は僕を地面に落しにやりと笑うと、消えていった。
5分後―――
「あはは、だよな」
「そうそう、でさぁ」
僕が殺された場所。
そこには、僕の死体も自転車も何もなくなっていた。
まるで、もともと存在していなかったかのように―――
ズット・・・イッショ・・・・・・
終わった!
これにて慧爛のターン、一旦終了!
次回の人、がんばれ!
大丈夫!皆なら、俺より上手にかけるさ!






