後夜祭ハ紅ク染マル――
学園祭終了後―――
「楽しかったね~」
「飯もうまかったしな」
後夜祭の準備をしている間、とくに、出店も出していなかった僕たちは、学校の校庭にある木によりかかって話していた。
「出店、コンプリできたもんね」
「やっぱ、3年の出店が一番うまかったな!」
《もうすぐ、後夜祭が始まります。生徒は速やかに、グラウンドの中心へ―――》
生徒会長の放送がはいった。
「始まるって」
「うしっ、行くか」
グラウンドの中心あたりに来ると、だいぶ人が集まっていた。
「・・・帰っちゃダメかな?」
「ダメだろ」
僕の嫌いなものは、人ごみ、うるさい奴、子供だ。
こういうところにいると、第一にイラつく。
(はぁ、全員抹殺したい・・・)
「賢悟、笑顔で恐ろしいこと考えんじゃねーぞ」
「えー」
どうやら、暁には、僕の考えなどお見通しだったらしい。
まあ、そんなところがいいのだが。
「でも、やっぱりさぁ・・・」
「わかったから・・・。後夜祭、始まるぞ」
ちょうどそのとき。
後夜祭開始の合図の花火が打ちあがった。
「きれいだねぇ」
「そうだな」
僕は花火から人に視線を移す。
突然の花火に驚いて、騒いでいる人。
彼氏、彼女とイチャイチャしている人。
「う~ん、やっぱり殲滅「は、ダメだぞ」・・・やらないよ」
僕が微笑みながらかえすと、暁はため息をついた。
だが、そのとき。
「う゛わっ!」
「ぐあっ!」
「う゛ぐっ!」
突如聞こえてきた、男子3人の呻き声。
中心部分にいた女子が悲鳴をあげている。
おそらく、そこにいた男子たちが倒れたのだろう。
僕たちを含め、皆がそこに集まろうとした、そのとき。
「いやっ!」
「ぐふっ!」
「あぁっ!」
今度は別の女子の悲鳴。
それから、次々と悲鳴と呻き声をあげながら、倒れていく生徒たち。
近くで倒れた人を見ると、胸から血を流していた。
「おいおい・・・、マジかよ・・・」
「なんで・・・?」
次々と倒れていき、ついに僕たち2人になってしまった。
「暁、逃げよう!!」
僕は暁のほうを見て、言った。
だが・・・。
「賢・・・悟・・・・・・」
暁の胸に、月に照らされて銀色に光るナイフが刺さっていた。
そのまま、暁はうつ伏せに倒れた。
「暁!!」
『フフフhh・・・』
「っ!」
突然、背後から笑い声が聞こえ、振り向いた。
そこには、かえり血を浴び真っ赤に染まった服を着た、女がいた。
右手には、先ほど暁の胸に刺さっていたナイフを持っている。
「お前、誰だよ!なんで暁を・・・!」
『フフフhh・・・、アナタモ・・・・・・』
「え?」
気付くと、いつの間にか僕の胸にナイフが刺さっていた。
鋭い痛みが駆け抜ける。
力がぬけ、視界が暗くなってゆく。
「・・・っ!」
女が、嬉しそうに笑っていた。不気味に。
僕の意識はそこで途切れた。
・・・フフフhh・・・・・・
終わった!
いろんな意味で!
いや~、『ヘタクソ小説TIME』はどうだった!?
最悪だっただろ!
見るに堪えなかっただろ!
以上、慧爛でした~。