⑥男の夢は崩れるものさ
「見ちゃいけないものを見てしまいました。ゆがんでいますね。最後若干ホラーはいっているし。
このキモイ顔の男は独占欲が強いみたい。夢を見て途中同情しそうになりそうになりましたが
最後のナイフはいけないと思います。あの夢の続きが起こらないようにするために起こしますか。
起きてくださーい(べしべし←ほっぺを殴る)おきてー(ぼすぼす←腹フック)起きなさい!
(バッチーん←ほっぺを殴る)」
「痛いよ!そんな起こし方する!?顔が2倍にふくれてるんだけど!しかも途中の腹パン何?!」
「あっ起きてくれました☆ちょっと力入れすぎましたてへっ☆」
「おぃおぃ!あんな攻撃力持っておいて良くそんな可愛いことが言えるね!」
「えーあの起こし方は普通ですよ?」
「君らの夢魔の起こし方なんて知らないよ!人はもっと優しく起こす!」
「そうなんですか?では人はどのように起こすものなのでしょうか?」
・・・・どう起こしてもらえるのだろう。僕の家は朝ベットから引きずり下ろされるし、
学校での居眠りは美佳が教科書で殴って起こしてくれる。・・・あれ?あんま夢魔のやり方と
変わらない?・・・どういう事だ・・・畜生!優しい起こし方がわかりましぇぇぇん!
なぜ僕は優しくされたことがないの!?
・・・こうなったら妄想だ!・・・・自分がどうやって起こされたいか。
・・・・・・・・・・・・これだ!
「人だったらまず寝てる人の頭を自分の膝に乗っけるんだ。」
これぞ膝枕だ!一度は夢見るぞ!
「ふむふむ」
「そして、ほっぺをさすりながら、起きてください。起きないとちゅうしちゃいますよ?と言う。」
「ほぉほぉ」
「そしてちゅうしても起きなかったらしかたないですね後10分ですよ?と言うんだ!」
言ったぞ!俺の妄想最高!・・・でも僕の言った起こし方だと永遠ループになるんじゃないか?
まぁいいや。
「そうですか。人の起こし方・・・・実践してみますね!えいっ!」
僕の体は宙を舞っていた。ってえぇぇぇぇぇ!
「ちょっ!なんで神栄さんは僕を投げ飛ばすの!」
そして・・背中から地上に落下。
「グハァッ!」
肺の空気がすべて持って行かれる・
「相手の頭を自分の膝にと、ほっ!」
髪を捕まれた。
「痛い!痛い!そして太ももはすごく柔らかそうなのに!なぜ本当に膝におくの!?
ゴリゴリして痛いし!」
「もぉーキモイくせにうるさいですよ?・・・・えっと・・ほっぺをさすりながら・・・」
神栄さんは確かにほっぺをさすってくれてる。
うん。さすってくれてるんだけど・・・
スースー・・スッスッスッス・・シュッシュッシュッシュ!!シュゥゥゥゥ!
「熱っ!摩擦熱が熱い!なんでそんなに早く手を動かすの!?」
「えっよく人間が言うじゃないですか。ほっぺが溶けそうだって。」
「ねぇ!なんか間違ってる!その言葉を言うのはおいしいものを食べた時って熱っ!
早く手をどけて!」
「そうですね・・・無意味ですしこれ・・えーっと次は・・」
キタ!ちゅうだ!キスだ!接吻だ!こいこい!
「ちゅうって・・・なんですか?・・・えーっと」
妄想は妄想に過ぎなかった。
相手はちゅうを知らなかった。
今からキスだよって言うのも恥ずかしい。さてどうしたものか・・神栄さん
余計なことしなきゃ良いけど。へたしたら命に関わる。
そして考える間に神栄さんは
「ちゅ~ちゅ~」
ネズミの物まねをしたのだ。
可愛い!なぜあんなに性格は冷たいのにここまで可愛いの上栄さん!
違う意味で死にそうだよ!
しかしネズミの物まねをやっても僕は起きないそして彼女は最後の一言を言った。
「仕方ないですねあと10分で永眠させますよ?」
「はい!起きました!今、目覚め最高です!」
ありえない!えっなんで!違う意味の寝るじゃんそれ・・・マジで恐いこの娘!
「なんで起きるんですか!キモイですね。永眠させることが出来ないじゃないですか!」
「いやっさせなくて良いから!まだHもしたことないのに死ぬのは嫌だ!」
「キモッ」
あっこれマジで言われた・・・・傷つくわ・・・・うわー・・・
「あっそうでした。私帰れないんですけどあなたの部屋に住み込んで良いですか?
それにあなたの妄想をかなえないといけないし」
・・・・まじで!
すんげー嬉しい!嬉しいんだけど・・・なんでだろう・・・・一緒に住んでたら
殺されるような気がする。・・・これは良い機会だけど丁寧に断っておこう。
「ごめんなさい。僕の部屋はある本で汚いので無理です。特に女子は」
「すべてその本を捨てましょうw」
笑顔で返された・・・どうしよ!
一緒に住んでたら絶対殺される!あーそうだ!親だ!
「家の親は厳しくてさそう言うの無理なんだよねw」
「そうですか・・・分かりました。」
あっさり解決した。最初からこの手を使えば良かった。
そして彼女は校舎の中に入っていった。
僕は今からポスターを校舎に張りに行かなきゃ・・・・
無駄な時間を過ごしたなぁと思いながら僕も校舎に入った。
ポスターが張り終わり家に帰宅する。
「ただいま~」
「あらっ弓弦お帰り。あっそうだわ弓弦に言い忘れたことがあるの今日ね親戚の
子が来るのよしかもこれから3年間一緒に住むのよ!」
「えっそうなの!女子?」
「うん!」
母は笑顔でうなずいた。
僕はうきうきした・・親戚とあんな関係になったりして!とか
無駄な妄想を繰り広げてた・・・・グヘッ
ピンポーン
呼び鈴が鳴る!鳴った!来るぞ!僕は玄関まで走っていくそして
「いらっしゃい!・・・・・・・えっ?」
目の前に立っていたのは・・・
「あっやっと来たのね・弓弦この子が今日から一緒に3年間住む、上栄 音夢ちゃんよ。」
・・・・・・えっ?
「こんにちわ、弓弦さん!よろしくお願いしますね! ボソッ キモイ顔ですね何回見ても。」
なんか罵倒された・・なんでだ・・・夢魔って何でも出来るの?
これから俺の人生どうなるんだ!!
うわぁ妄想パニックだよ!
だから僕はそんな事を考えながらこう言ったんだ。
「よろしくね、上栄さん ボソッ 般若顔の女・・・・グヘッ」
目に見えないパンチを食らった・・・さすが夢魔・・ひとじゃない・・・な
そして僕の妄想と生活はこの日から大きく変わっていくのだった。
第1部は終了! 次回からは学園内がどたばたに!