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【10万字突破】古書と滅びのヒストリア~史徒エル、禁書『大罪の黙示録』と出会う~  作者: 刹那いと
第3章 聖騎士の街『ナイトメア』 セント・ローレンス修道院 行方不明事件 編
31/43

30.聖騎士の街『ナイトメア』 第2騎士ギルボルト、第3騎士レオダイム

イエス、マイロード


「それでは、行ってまいります!」


 エル、ルシフィー、リアード、アイリスの4人は、聖騎士の街『ナイトメア』へと旅立つ――


「気を付けて行って参れ――

 そうそう、『7つの教会』招集会議で教皇庁から説明のあったように、これからの任務では、各地区――此度は『ナイトメア』側から派遣されてくる者と、共に当たってもらうことになるでのう。協力して任務に当たるのじゃぞ」


 見送るサンマルコから、説明を受ける。聖騎士の街『ナイトメア』側の使者とは、地区境で待ち合わせることとなっている。


「エル坊――『ナイトメア』までは道中、長いだろう?――お腹が空くだろうさ。コレ、持っていきな」


 危険な任務に出るエルらを心配してか、オランジェ厨房長が弁当を4人分、用意してくれていた。

 ――保存の効くピクルスにされた野菜、レンズ豆のペーストが挟まった固いバケットサンドに――『元気に帰っておいで』とオランジェ厨房長からの手紙が添えられていた。


「……オランジェ厨房長、ありがとう!固いパンの食事をお恵みくださった神と――、愛情いっぱい込めてくれたオランジェ厨房長に感謝して…行ってくるよ!」


 イストランダの門前に『空間移動』陣を記して、4人は旅立った――


 ◆


「――エル、史徒(ヒストリア)身分証はきちんと持ってきていますね?検閲許可証と調査書類なんかは、私が持っていますからね!」

「うん、身分証はちゃんとリアードに渡してあるよ――ね!リア」


 黒い毛並みが立派な狼の姿のリアードが、エルの荷物をまとめた麻袋を背負っている。エルはリアードの頭を撫でてやった。


 イストランダから、かなり歩いた。途中でオランジェ厨房長の持たせてくれた昼食を食べ、それからさらに歩いて――午後3時を過ぎていた。


「『我ら往く道を照らせ≪マップ≫』

 ――さあ、地図を見ると、もう少しで『ナイトメア』地区のはずです。今回は、『ナイトメア』側の使者と合流してから、任務の作戦を立てましょう。

 『ナイトメア』は城塞都市ですから、使者との待ち合わせ場所は、地区境となる城門です――ほら、見えてきましたよ!あれが聖騎士の街『ナイトメア』です」


 ルシフィーが指差す先には、そびえ立つ崖の上に建立された城、それを取り囲む幾重にも築かれた城壁――外敵を阻むように周囲から隔たれた、聖騎士の街『ナイトメア』。


 ◆


「入城許可証を――よろしい。持ち物はこちらで検査する。

 ――ん?この魔法の杖はなんだ?貴様ら、怪しい魔導士じゃないだろうな?それと、その連れている狼は入城不可だ」 


 甲冑を身に着けた2人の門番衛兵に、入念に検問される。


「わ、私たちは、イストランダの聖ヨハネウス史徒文書館から派遣された、史徒(ヒストリア)です!これは仕事道具ですし、この狼は、使い獣で…!」


 ルシフィーが門番衛兵に詰め寄って、必死に訴える。


「――おい、これは俺の客だ。通して構わない」


 門番衛兵の後ろから、声が掛かる。振り返った門番衛兵らは、すぐさま姿勢を正し、敬礼する。


「――!これは、失礼いたしました――第2騎士(ナイトオブツー)ギルボルト様!」


 2人の門番衛兵の間から姿を見せたのは――『7つの教会』招集会議で、第1騎士(ナイトオブワン)アレクサンダの傍に仕えていた、第2騎士(ナイトオブツ―)ギルボルトだった

 長めの赤い髪を後ろで結い、金の細工が施された、騎士の装具を身に着けている


 ――ぶっきらぼうに、エルらのもとに近づいてくる……大層不機嫌そうだ。


「――おい、お前らがイストランダの史徒(ヒストリア)ってやつか?ったく、散々待たせやがって…

 現れたのは、こんなクソガキと女に犬っころかよ。俺に子守りでもしろってのか?」


 ギルボルトは、待たされたうえに、現れた客が想像していた偉大な史徒(ヒストリア)像と違っていたことで、かなり機嫌が悪いようだ。


「――!あなたと私たちは『7つの教会』招集会議でもお会いしていますね!

 私は第10史徒(ヒストリア)のルシフィーです。私、エル、リアード、アイリスの4名が、今回の検閲任務で『イストランダ』の文書館から派遣されてきました。

 ――よろしくお願いしますね、ギルボルトさん」


 ルシフィーがにっこり笑って、手を差し出し握手を求めたが、ギルボルトはそっぽを向いて、応じない。 


「むっ!今、クソガキって言ったね?僕は第11史徒(ヒストリア)のエルで――そして、こっちは犬っころではなくて、ウルフで僕の使い獣のリアードですよ!性悪お兄さん!」

「なっ!てめぇ、今なんつった!」

「――おいおい、ギル!まったく…ダメだろう?ちゃんと仲良くしないと――協力して任務に当たるって、アレクサンダ様と約束したよな?」


 ギルボルトを追いかけて、もう1人――


「――わかってるよ!アレクサンダ様の命令じゃなけりゃ、こんな地区境にまで来ねぇよ。

 っつーか、お前――ダイム!今までどこ行っていやがった!」


 レオダイム――ギルボルトより体格がよく、濃い茶色の短い髪に、髪と同じ色の人の良さそうな瞳をした、いかにも好青年といった風貌の騎士だ。


 レオダイムは不機嫌に吠えるギルボルトの肩に腕を回して、


「1人にして悪かったって!ちょっとそこで可愛いお嬢さんたちに、呼び止められちゃってさ」


 と平然と言ってのけ、更にギルボルトの機嫌に油を注いだ。


「――やぁ君たち、『ナイトメア』へようこそ。ギルボルトのやつが失礼したな!悪く思わないでやってくれよ、こいつはちょっと素直じゃないだけなんだ。今回の任務には、俺、第3騎士(ナイトオブスリー)のレオダイムも同行する。

 それにしても、こんな可愛いお嬢さん2人の護衛に当たれて、光栄だな」


 よろしく頼むよ、と言って、ルシフィーとアイリスに向かって手を差し伸べてきた。


「よろしくね!女たらしお兄さんっ」


 そんなレオダイムの手を、横から割って入ったエルが、ぎゅう~っと力いっぱい握りつぶしてやった。


「いててて…そんな敵視するなよ、坊主。仲良くやろうぜ」

「クソガキ、よくやったぜ!こいつはスケコマシだから、気を付けろよ

 …こんなところで油売っている場合じゃねぇ。場所を移動するぞ」


 さっそく任務の作戦を打ち合わせておこうぜ、と言うギルボルトの後に一同は続いた。


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