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第九話 アインとキリアのドキドキ審査

 午後の魔法の授業になった。私達は、第三屋外練習場に来ていた。そこには、さっきまでアオノのことをいじめていた、クソ転生者共もいた。皆ちょっと緊張しているような、それでいて楽しみなような顔をしている。マーリア先生がやって来ると整列し授業の開始を待った。


「よし、みんな居るな?それでは、聖王学園での最初の授業を始めよう」

「よろしくお願いします!」

「と言っても、ホームルームで言った通り、魔法適正を調べていくだけたがな」


 皆の体から緊張が抜けたような雰囲気が感じ取れた。しかし、私には重大なミッションがあった。それは、何としてでも、キリアが持つ闇魔法を誤魔化すことだ。ついでに、私の雷以外の力も。


「よし、それでは早速始めようか。適正審査は、順番はないからな、適当に審査していけよ」


 私はキリアに私のすぐあとに受けに来てと伝えると、キリアはピッタリと私についてきた。しばらくすると私の番が見えてきた。


黄雷(おうらい)


 私は誰にも聞こえないぐらいの小声で使用した。今回は私が使った技は、黄雷。雷を剣みたいに扱ったり、投げ飛ばしたりする技だ。しかし、今回はバレないようにするため、手のひらに収まるぐらいのサイズの黄雷を使った。


「次の方どうぞ」


 私は、お姉さんに言われたので、魔道具の上に手のひらをかざした。魔道具の中に、黄雷を投入させて、一定の間はバグるようにした。私は速攻で終わり、キリアに「早めに」と伝えて、結果が来るまで持った。


「アイン、ありがとう」


 どうやら、成功したらしい。よかったぁ〜。


「やったね」


「はい」


「………何の話を…してるの?」


 アオノが会話に入ってきた。


「内緒です」


「アオノのお疲れ」


「……うん…お疲れ」


「な、なんですか!これは!」


 魔道具のお姉さんが声を上げていた。その声に全員が集まっていた。魔道具に手をかざした人は、ゴトウ・ヤギスケ。つまり、勇者の素質を持ったクソ転生者の内の1人。


「こ、これは、も、もしかして!」


「これがそうか」


 突然、王子様が魔道具の様子を見に行っていた。


「ヤギスケよ。お主が勇者の素質を持っていると言うことか」


「おう、その通りだ」


「おお、素晴らしいな、お主は、あとから王城に来ないか?」


「それは大歓迎だ。だが、勇者の素質を持つ者が俺だけだと誰が言った」


「それはどう言う……………」


 次々と勇者の素質を持つ者が現れた。アオノをいじめていた7人だけどね。まあ、私は知っていましたけどね。


「あ、アイン。あいつらが勇者の素質を持っているの?」


「どうやら、そうらしいね」


 チッ、めんどくさい状況になった。これだと、あのクソ転生者共を殺したあとの後始末に時間がかかるんだけど。クソが!!あのときに殺しておくべきだった。


「あの者達ですの。わたくしはアル様以外は信じておりませんので、ウィンから信託が降りた勇者の素質を持つ者なんて善人ではありませんわ」


 そんな声が聞こえてきた。本人は小声で言っているけど、私には、しっかりと聞こえてきた。

 ノベラ・オートリアック

 公爵家の娘なのに勝利の神、ウィンではなくアル様を信仰している。珍しい…………


「どうしたのですか?」


「いや、何でもない」


「………早く次に行こうよ」


 次?

 何だそれは、私聞いてないぞ。


「ん?次?」


「聞いてなかったのですか。次は魔力量の審査ですよ」


 ほへ〜そんなことするんだ。

 まじか、マーリア先生の話何も聞いてなかった。まあ、いっか。


「知らなかった」


「何しているのですか……………行きますよ」


 魔力量の審査の場所についた。やり方は魔法適正審査のときと同じようだった。マーリア先生の話聞かなくてもよかったじゃん。

 そういえば、魔力量なんて、知ることなかったな。アル様が見せてくれた私のデータのときでものってなかったから、いい機会かも。

 あれ、私……………魔法適正審査では、真ん中らへんにいたはずなんだけどな……………いつの間にか、最後尾になっていた。しかたない、知らなかったから……………

 今、王子様が測ってる、測ってる。えっと、15370とこれは多いのだろうか?

 次の人は、3400、その次の人は、2100、オッケー、王子様は、魔力量多いってことだな。

 うわークソ転生者共になってる。情報はしっかりと見ないとな。えっと、ゴトウ・ヤギスケが58000とたかっ!他の人は、54100、62200、44900、40530、55700、45670と全員高いな!これは、一工夫が必要になるかも。

 そろそろ私達の番になってきた。最初は、アオノからだ。


「凄い!」


 凄いらしい。えっと、魔力量は、77700と勇者の素質を持っているクソ転生者共よりか高いじゃん。


「凄いですね、アオノは」


「そうだね」


 次は、キリアの番、さーてと何を見せてくれるだろうか。

 10000

 このクラスの中央値よりかは高いかな。まあ、光と闇と言う珍しい2つの属性を持っているけどね。でも、それよりか、次は私だ。楽しみだな。

 私は魔道具に手をかざす。


「え?」


「はぁ?」


「やば!」


 などの驚きの声が次々と上がってきている。キリアやアオノは、驚きすぎて、声が出ていないし、なんなら、私自身も驚いている。



『1394000000』



 と言うか、魔力量に。約13億か、多いなこれ。


「おい、貴様、何者だ!」


「パーソナル殿下、私はただの学生ですよ」


「ふ、ふざけるな!貴様、ちゃんと答えろ」


 王子様ってバカなんだね。


「パーソナル殿下、ここでは、身分による権力を振りかざす行為を厳禁だったはずですよ」


「そ、そうだが……………これは!」


「殿下、おやめくださいですわ」


「オートリアック、貴様、私に指図するのか!」


「いえ、殿下とはいえ、この行為が陛下に伝わったらまずいのでわないですの?」


「くっ、もうよい!」


 王子様が去ってくれた。さすが、公爵家の娘様。


「ありがとうございます。オートリアック様」


「ノベルでよろしいですわ」


「はい、ノベル様」


 ノベル様、本当に良い方。優しすぎる。


「今日の授業は終わった者から、自由解散ですわ。そこにいる放心状態の方を連れて、早く帰った方がよろしいですの」


「はい、わかりました。キリア、アオノ帰りますよ」


「……………はい」


「……………う…ん」


 私は2人を連れて寮に戻って行った。



 ―――――――――――――――――――――――



 …???…


 何処だからわからない場所に複数人の人がいた。


「おい!」


「な、何でしょうか?ヤギスケ様」


 その内の1人がゴトウ・ヤギスケ。


「アイン・ドールネーヴェルとキリア・ハーズトロコモアについて調べろ」


「わかりましたが、何故でしょうか?」


「あの2人は、俺達の邪魔をした」


「わかりました」


「特に家族関係を調べろ、友人はいい」


「どうしてでしょうか?」


「そんなこともわからないのか、あまり行きすぎると後々の処理がめんどくさいだろ」


「て……………ことは……………」


「その2人の家族を殺せ」


「ヤギスケ君、少しいいか」


「先生、どうしたのですか?」


「ハーズトロコモア家の方は、知ってますよ。確か、トスモロッコ君がクソ迷惑している商人だったはずです。あと数ヶ月後には、殺そうとしてました」


 また、先生と呼ばれている者もトスモロッコ君と呼ばられいる者も両者、勇者の素質を持つ転生者だった。


「なら、明日の夜、キリア・ハーズトロコモアの家族を殺せ、事故に見せかけろよ。そして、アイン・ドールネーヴェルについては、わかり次第に殺せ」


「わかりました。ヤギスケ様」


「話は変わるのだけど先生、実験ってどうなってますか?」


「マーティサスさん、今は、観測中ですよ」


「よく、いい実験体が入手できたね」


「最高ですよ。転生者ではなくて、この世界に元いた勇者の素質を使った『勇者育成兵器化計画』は失敗しましたけど、こっちは、上手くいってうれしいのですよ」


「『勇者育成兵器化計画』って2人の実験体がいたんだよね」


「そうですね。その内の1人は、ボロボロになって、使い物にならなくなって、もう1人は、上手くいったんだと思ったのですけど、戦場で戦死してしまいましたからね」


「へー、そうなんだ」


「いくら、実験体を集めても、すぐ壊れてしまうのに、今、観測している物は、7年間続いているのですよ。コルノニアさん、そういえば、幼馴染とは上手くいっているのですか?」


「それだよ、先生。今回、アイン・ドールネーヴェルとキリア・ハーズトロコモアについて調べてもらう原因になったんだよ」


「そうなんですね」


「せっかく、アオノをいじめてたのに、ドールネーヴェルとハーズトロコモアの野郎共がアオノを庇ったんだよ」


「それにしても、ハーズトロコモアは大丈夫だが、アイン・ドールネーヴェルの方は何とかした方がいいな」


「確かに、ゴトウの言う通りだよ。あいつはやばいよ」


「うん、確かに」


 アオノをいじめていた7人の転生者共がアインのことはやばいと思っていた。


「それはなぜ?」


「あいつの魔力量、『13億9400万』だよ。やばいでしょ」


 先生と呼ばれている者は、その魔力量の値を聞いて、アインを実験したいと思った。

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