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第七話 親友とお姉さん

 私達は寮の中に入っていた。

 寮には、男子寮と女子寮があり、それぞれ別の建物になっていて、その距離も遠いらしい。それにしても、でかいなこの寮は1年から3年の全ての学年の人がこの寮に泊まるかららしい。確か、男女の割り合いがだいたい同じらしく、約450人ほどの生徒が住んでいるらしい。そして、どうやら、1つの部屋に2人ほど住むらしい。つまり、約225部屋あるってことか。5階建で、各階に52部屋あるらしい。いや、1階だけ、26部屋らしい。ていうか、やばくない、私。どうにか、キリアかアオノ、ハートベクト様、アールノット様の誰かと同じ部屋になりますように。

 私は、寮長である3年生の方に学園証を見せる。すると、番号が書いた鍵を渡された。

 渡された鍵の番号は、5-Z。


「みんな鍵の番号って何?」


「私とカヨラは、一緒で2+Dです」


 一緒だと、羨ましい。あとはキリアとアオノ。


「私は、5-Yです」


「………キリアさん…一緒だ………私も…5-Yです」


 あ、私だけぼっちだ。私は、崩れ落ちた。


「大丈夫ですよ。アイン。私とアオノは隣の部屋ですよ」


「うん…いつでも…来ていいよ」


「ありがとう!!」


 私はキリアとアオノにハグした。ハートベクト様とアールノット様は変な目で見ている。


「皆さん、行きましょうか」


 私達は、自分の部屋に向かっていった。途中でハートベクト様とアールノット様とは別れました。

 私は今、自分の部屋の前にいます。私の部屋は階段を登って正面に立って、右側の1番奥にあります。キリアとアオノの部屋は私の左隣にあります。正直なところ怖いです。


「アイン、いつでも来てくださいね」


「うん…いつでも…来てね」


「うん、じゃあまたね」


 私は自分の部屋を開けた。誰が一緒の部屋になるのだろうか。


「あっ、誰か来た」


 この声って、もしかして………


「初めまして、私はって……………アイン・ドールネーヴェルさん?」


「初めまして、パムトリアさん」


 何と私と一緒の部屋の方はアリシア・パムトリアさんだった。この人は、教会出身って言っていたからつまり勝利の神のウィンを信仰している人。つまり敵。いや、1番気まずい、私にとっては。

 それにしても、パムトリアさんって髪色って相当、薄い水色だな。いや、相当ってものではないか、若干白っぽいし、瞳の色と透き通るような水色だし。


「そんなに見ないでもらってもいいですか?」


 どうやら、身過ぎたようだった。


「ごめん、つい」


「まあ、いいですよ」


 私は改めて部屋を眺めた。手前側の左右にベッドがあって、窓側には机があり、その横に棚がある。

 どうやら、パムトリアさんは私が来るまでどこも使わなくて荷物は真ん中に置いていた。


「えっと、どっちの方がいいですか?」


「じゃあ、こっち」


 私は左側のベッドの方にした。何故なら、キリアとアオノの部屋に近いからだ。


「じゃあ、私は右側を」


 パムトリアさんは素早く荷物を整理していった。早っ!!


「だから遅くなったのですね」


「うん、だからごめんね」


 私はパムトリアに遅くなった原因を話していた。


「そういえば、パムトリアさんって教会出身って言っていたよね。勝利の神、ウィン様だっけ、信仰している神様は?」


 私は少しでも勝利の神、ウィンについて情報を集めるために、パムトリアから情報を聞き出す。


「ウィンのことは出さないで!!」


 急に大声を出してきた。しかもウィンと呼び捨てにしてるし。この国の人って勝利の神ウィンを信仰しているのじゃないの?


「ご、ごめん」


「私こそ、ごめんなさい。私、ウィンが大っ嫌いなの」


「ど、どうしてですか?」


 私はつい聞きたいと思い、聞いてしまった。


「アイン・ドールネーヴェルさんは、ウィンのこと信仰してるの?」


 ここで信仰してると答えると教えてくれなさそうだな。


「いや、信仰してない」


「よかった。なら、話すね。あれは7年前の出来事で、当時私は8歳だったの、そのときには親友って言える友達がいてさ、仲良く一緒に教会に過ごしていたんだ。その頃は、ウィンのことを信仰してたんだけどね。とある事件が起こったの。私の親友はさ、基本的には黒色で桃と白の部分が入っている独特な髪色を持っていてさ、ちなみに私は相当薄い水色と白色の髪色を持っています。話がそれました。で、ある事件っていうのは、黒色と桃色と白色の髪色を持つ少女で、実験しろと言う信託がウィンから降りてきたんだ。私はそれにもう反対したよ。そしたら、大人の人達が私を暴力して大人しくさせて、強制的に親友を連れていったんだよ。しかも、そのあとは大人達に頼んでも連絡も取れない。私はそこからウィンのことが大嫌いになったんだ。そして、私は、ウィンについて調べていくといろんなことがわかったんだ。今から、10年前に、当時5歳だった子供を勇者に育成して兵器に変える『勇者育成兵器化計画』と言うものを行ったり、数百年前、ウィンは実の妹であり、世界の神様であった創造の神アル様を倒して、世界の神様になろうとしたんだって、でも、破壊の神シド様と繁栄の神オル様によって阻止されたらしい。でも、アル様を信仰していた者は、ウィンを信仰している者に殺されていったらしい。もう、ウィンを信仰なんて絶対にしてやるかと思ったのです」


 パムトリアさんの話を聞いて、正直辛かった。パムトリアさんの過去、アル様と勝利の神ウィンの関係を知って、腹が立った。


「辛かったんですね」


「えっ?信じてくれるの?」


「はい」


 私には、パムトリアさんが嘘をついているような目をしてなかったから、速攻で信じた。


「だから、私は、アル様を信仰する」


 アル様、まだ、人間にあなた様を信仰する人はいましたよ。


 トントントン


 突然扉がノックされた。


「私でますね」


 私が扉を開けるとそこには、キリアとアオノがいた。


「どうしたの?」


「アイン、一緒に銭湯に行かない?」


 どうやら、銭湯に一緒に行かないということだった。


「ん?誰だったの?」


 すると、パムトリアさんが扉に近づいてきた。


「キリア・ハーズトロコモアさんとアオノ・フロウテリナさんだね」


「パムトリアさん、こんばんは」


「こ…んばん…は」


「こんばんは、どうしたの?」


「アインを銭湯に誘いにきた」


「パ…ムトリア…さんも………どう?」


 まじか、アオノがパムトリアさんを誘っている。


「私は…………」


 パムトリアさんは渋っているし。


「私は行くよ。パムトリアさんも行こうよ」


 私も誘ってみる。3人で、パムトリアさんをじっと見る。


「わ、わかった。一緒に行くよ」


 勝った。仲良く銭湯まで向かっていった。



 ―――――――――――――――――――――――



 ひろ!!

 私が銭湯に来て、1番の思いついた感想だった。いやいや、前世でもここまでの大きさの銭湯なんて、見たことがなかった。さすが王都にある学園なことがある。

 私達はそれぞれ体を洗っていた。私以外の3人共、お風呂に入ることは初めてらしく、普段は水で体を洗い流すだけらしく、感動していた。

 そして、お湯の中に入ってる。


「………ね、ねえ………パムトリア…さん」


「ん?アオノ・フロウテリナさんどうしたの?」


 何かアオノとパムトリアさんが会話している。私はキリアとお湯の中で遊んでいるのに。でも会話は聞こえるから聞いているけど。


「………私の姉…アコノ・フロウテリナって…知ってる………5…年前に…教会に連れて…行かれたの」


 アオノのお姉さんが教会にね。


「うーん?あっ!!知っています!私がいた教会に来ていました。でも、見たのは1度だけです」


「ありが…とう」


 私は1つ気になったことがあった。


「ねえ、アオノ、お姉さんとは連絡は?」


「………?ないけど………」


 やっぱり。


「私の予想だと、アオノのお姉さんとパムトリアさんの親友は、同じところにいます」


「えっ?」


「………どど…うして?」


「だって、アオノはお姉さんと連絡ないんだよね。なら、パムトリアさんが話してくれた親友と同じ状況なんだよ。それ、だからさ、一緒にいると思った。多分場所もわかる」


「それは?」


 アオノとパムトリアさんの2人の内容からわかった。


「パムトリアさんがいた教会です。休みの日に行きます」


「わかりました」


「う、うん」


「私も行きます」


 キリアも行くと言い出した。


「え?」


「え?じゃあありません。私も行きます。それに、アインも行きますよね」


「うん、そうだけど………」


「なら、私も行きます」


 キリアを一向に引かない。


「い…いの?」


「はい、私だって友達ですよ」


「なら、この4人で行きましょう。私が案内します」


 私達は、次の休みの日にアオノのお姉さんとパムトリアさんの親友を探すために教会に行くことになった。

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