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第三話 入学試験、勉学は許して

 私は学園に到着した。大きさで言えばだいぶ大きい、私の通っていた高校よりか遥かに。1学年300人の3年制で900人いるから、このぐらいの大きさだろう。

 ここはとてつもない大きさの建物である訳で、何処に何があるのかなんて分からないので案内板で試験会場を検索中。

 ちなみにハートベクト様はお友達と一緒に試験に挑むって言っていたので別行動だ。まあ、誘われたけど、伯爵家の友達だから、どのくらいのすごい人なのかわからないから断ったけど。


「おい貴様、そこをどけ」


 それにしても凄い人数だな。これ、教室全部使っても足りるのか?


「おい!貴様!聞こえないのか!」


 おっと、会場はここですか。見つかって良かった、良かった。


「この無礼者が!」


 何か後ろから肩を掴まれそうになった。私は、それをかわしたら、変な人が案内板にぶつかった。さっきからうるさいし、何なんだこいつ。それにしてもダサいなこいつ。私は、こいつとは関わらないでおこうと思い、そさそさと試験会場に向かった。



 ―――――――――――――――――――――――



 あれから試験会場にて筆記試験を受けた。ハートベクト様のお母様から教えてくれたところは解けたけど、教えてくれなかったところは全くできなかった。6割はできたから大丈夫だと信じているけど…………

 次は実技試験は外の練習場で行われ、設置された的を破壊できれば良し。破壊できなくても魔法の錬度を見るらしい。

 私が試験会場につくとき、大きな歓声が聞こえてきた。その声が向けられていたのは、いかにも偉い男性だった。そういえば、さっき激しい爆発音が聞こえたけど、この人がやったのか。私は自分の番が来るまで、ひたすら、魔力の流れを観察していった。この中にあの私をいじめていたクソ転生者共がいるかもしれないから、徹底的に探してやる。


「次、ドールネーヴェル」


 どうやら、私の番になった。私は試験官の元まで行き、的の前に立った。


「では、初めてください」


 私の実技試験が始まった。


橙雷(とうらい)


 橙雷は的を貫通して、壁まで貫通していった。橙雷は、雷の中でも貫通制度に優れている技で、広範囲の技ではなく、汎用性は低いが一旦特化型の技だから仕方ない。


「待て、貴様!」


 私は試験が終わり、学園に通うまでは泊めてくれるため、ハートベクト様の家に向かおうと誰かに呼び止められた。私が振り返ると、案内板にぶつかった変な人だった。私は気にせず帰ろうとすると再び肩を掴もうとしてきたので、私はひょいとかわした。今回は、転けそうになっていた。やっぱりダサい。


「この無礼者が!」


 今度は殴ろうとしてきた。周りの人達もこの状況に注目しているから嫌なんだけどな。わたしは変な人に足をかけて転ばした。


「貴様!俺を見下ろすな!」


 どうやら、この人は私から見下ろされるのが嫌らしく、睨んできた。私はこの変な人の目の前でしゃがんだ。


「さっきから、うっさいぞお前。潰すぞ、カス」


 私は、この変な人以外には聞こえないぐらいの声で言った。そしたら、この変な人は黙ってくれた。今回はクソ転生者共はいなかった。でも、この試験に受けた奴は絶対にいる。まあ、勇者の素質を持つ者の魔力の流れはわかりやすいって言っていたから、帰ったと言うのが妥当だな。とりあえず、今は体を休めたいとハートベクト様の家に向かっていった。


 ―――――――――――――――――――――――



 アインの試験が始まる前、すでに試験が終わったネロアがアインの試験がいつになったら始まるのかわくわくしながら待っていた。


「ねえ、ネロアちゃん。カヨもう、帰りたいよぉ〜」


「カヨラさん、ダメですよ。ドールネーヴェルさんの試験を見ますからね」


 ネロアはカヨラと言う友人と一緒にアインの試験を待っていたが、カヨラは帰りたがっているようだった。


 ドガアァァァン!!!!!


 試験会場に大きな爆発音が響き渡った。そこには1人の男性が試験を受けていた。


「あれって、殿下ですよね」


「うん、すごいねぇ〜」


 王子の力の前、見ている者は歓声を上げていた。ネロアとカヨラはそんな様子に呆れながら眺めていた。


「次、ドールネーヴェル」


 アインの実技試験が始まった。


「ねえ、ネロアちゃん、ドールネーヴェルちゃんってとっても可愛いね」


「可愛いだけではありませんよ。彼女はオリジナルの魔法を使用します」


 カヨラはオリジナルの魔法と聞いて目を輝かして、アインの試験を見た。


『橙雷』


「す、すごーい」


 カヨラはアインの魔法を見て、気分が舞い上がっていた。


「ねえ、今日さ、ネロアちゃん家に泊まってもいい?」


「いいですよ。では、帰りますよ」


「ちょっと待って!」


 ネロアが帰りますよと言ったことにカヨラは反対した。


「あっち見て、あっち」


 カヨラが指さしている方を見ると、どうやら揉め事が起こっているようだった。


「ドールネーヴェルちゃんがあの貴族思想が強い奴に絡まれているよ」


「ドールネーヴェルさん、何かしたのでしょうか?」


「いや多分〜、案内板でも、あいつってドールネーヴェルちゃんに一方的に絡んでいるって〜聞いたから、あいつの方が悪いんじゃないの〜」


 しかし、その揉め事は、アインが貴族に対して、何かを言って終わった。ネロアとカヨラはアインが何を言っているのかわからなかったらしく、不思議そうにしていた。


「あの子、面白いですわ。貴族相手に潰すぞとなんと面白い子ですわ」


「えっ?」


 どうやら、アインの言った言葉が聞こえた者がいるらしく、ネロアはその者を探したが一向に見つからなかった。


「どうしたの?」


「いや、なんでもない。帰るよ」


 ネロアとカヨラはハートベクト家に帰っていった。



―――――――――――――――――――――――



 全ての試験が終わった魔法学院に教師達が集まっていた。


「どうだ、今回の入学者は?」


「凄い才能を持つ者ばっかだよ今回は」


「凄いなんてものではありませんでした。相当抑えて、本人は軽く撃ったつもりの魔法で魔法障壁の的を破壊した人もいました」


「そ、そんなにか?」


「ええ、しかも無詠唱で、撃ち出すまでも一瞬でしたね」


「それ以外にも、殿下は、とんでもない火力を出すし、オリジナルの魔法を放つ者もいました」


「オリジナルの魔法か、珍しい者をいる者だな」


「なぁ、殿下やその者達にワシらが教える事あるのか? 寧ろワシらが教わりたいんだが…………」


「それは私達も同じですよ」


「それにしても、今回は確か、神託で『勇者の素質』を持った者が入学してくるんだよな」


「そうですね。一体誰なんでしょうか。その者達は」


「者達?」


「そうですよ。今回は沢山の人達が勇者の素質を持っていると言われています」


「その者達も探していかないとな」


「はい。所で入試順位はどうなったんですか?」


「入学首席は、筆記試験も実技試験も満点の王子様だが、そのあとの順位がややこしいな」


「一応、この学園は実力主義ですから、実技試験の点数を重視して、決めるのはどうでしょうか?」


「うむ、その方針でいこうか」

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