第二話 アイン、異世界に到着
私は、アル様によって、転生させられていた。私は、天界で何かに意識を吸い込まれて、いつの間にか森の中にいた。
どうやら、私は本当に転生しているらしい。それは、私の視界に映るツノの生えたウサギを見るとわかった。元いた場所では、このようなツノが生えたウサギなんて見たことなかったからだ。
それにしても、ここはどこだろうか?
周りを見ても森だらけ、学園どころか、家すらない。
「キャーーーーーーー!!!!」
私が途方に暮れているとどこからか、悲鳴の声が聞こえてきた。第一人間に会えると思った私は、その声の元まで走っていった。
私がその声の元につくと、そこにはお嬢様っぽい人と、冒険者っぽい人達、そして盗賊っぽい人達がいる。どうやら、襲われている状況のようで、今はまだお嬢様っぽい人や冒険者っぽい人達から、死人は出ていないがこのままでは、盗賊っぽい人達が勝ってしまう。
「ねぇ」
私が声をかけると、全員が私の方を向いてきた。なんか男の人達の頬が赤くなっている。何でだろうか?
「あの嬢ちゃんもいいが、この女も上玉だ。売るといい値段になるぞ」
どうやら、私は上玉らしく、盗賊っぽい人達が私を捕えるために襲ってきた。私は力がバレない程度に使おう決めた。まあ、私の力なら、手加減しても楽勝だろうけどな。
『ファイヤーボール』
盗賊っぽい人達の内の1人が私に対して、魔法を放ってきた。私をそれを右に飛んでかわした。
「やれ、お前ら!!」
盗賊っぽい人達は剣を手に持ち、私を切りかかってきた。私は人に流れている魔力の流れを見て、攻撃を次々とかわしていった。
私は自分に感動した。どうやら、転生したおかげによって、運動神経が大幅に上がっていたからだ。ありがとう、アル様。
「くそ、なんで攻撃が当たらねぇ!!」
「おい、ちゃんとやれよ!!」
「お前こそ!!」
なんか仲間割れを始めたのだけど。何をしたいの、こいつら。まあ、いいか。ここからは私の番だ。
「捕えよ『青雷』」
私は自分の頭の中に流れている自分の力の使い方を知り、その情報通りに使用した。私の青色の雷は盗賊を拘束した。どうやら、この技は敵を拘束したり、何かを巻き付けるための雷だとわかった。この技は便利そうだ。
「助けていただきありがとうございます」
私は盗賊っぽい人達と決着をつけたあと、お嬢様っぽい人達がお礼をいいにきた。
「ど、どういたしまして」
久しぶりにありがとうって言われた。いじめられるようになってから一切言われてこなかった。
「嬢ちゃん、強いんだな」
すると、冒険者っぽい人達の内の1人が声をかけてきた。
「ありがとう、えっと」
「アカラギだ。冒険者をやっている。そして、あそこにいるのが俺のパーティメンバーで、このお嬢様の護衛の任務を受けている」
「私は、アイン・ドールネーヴェルです」
「私は、ネロア・ハートベクトです。よろしくお願いします。ドールネーヴェルさん」
私は、ハートベクト様はどうやら、本当のお嬢様だった。
「本日は、ドールネーヴェルさんはどうして、こちらに」
やばい、何も考えてなかった。転生したっていったら、何言われるかなんてわからないから、とりあえず誤魔化さないと。
私は、とりあえず、学園に入るために遠くの村から来たと言うことにしておいた。
「私も学園に通うために移動しておりまして、一緒に行きますか?」
「はい、お願いします。ハートベクト様」
どうやら、ハートベクト様も学園に通うために向かっている最中だったため、私も連れていってくれるようだ。途方に暮れていたから、私にとってはありがたい話だった。ハートベクト様は天使様だった。
―――――――――――――――――――――――
現在私は馬車で移動していた。どうやら、王都にある聖王学園に通うためだった。私は友達を作るためなら、どの学園てもいいのだけど。
そうそう、冒険者の人達は、剣士でパーティリーダーのアカラギさん、魔法使いのキカズリさん、回復役のパラリアさん、大盾使いのドラインさん、雑用係のカタズキさんの5人パーティだった。私は雑用係のカタズキさんがどんな扱いを受けているか気になったがどうやら、馬車を動かしたり、補助の魔法を使ったり、パーティの要を握るような係だった。他のパーティメンバーもいつも助かっているよと言っていて、仲の良さが伝わってきた。私とは違って。
ちなみにハートベクト様は、伯爵家の娘であった。私は貴族制度なんて知らないから何とも言えないけど、すごく偉いってことはわかる。
「ふーん、では、ドールネーヴェルさんって何者なんですか?」
「へえ?」
ハートベクト様ってもしかして、私の正体知っているの。まずい、まずい。しかも、変な声出ちゃったし。
「流石にドールネーヴェルさんが遠くの村から来たって言ってましたけど、どのようにして、ここまで来たのですか?それに何も知らないなんて、怪しさ満点じゃないですか」
「え、えっと………………………ここまで、歩いて来て、食料が尽きて、途方に暮れていたときに、ハートベクト様の悲鳴が聞こえたから来た。私の家は、村の中でも、隅の方にあったからさ、世間のことなんてわからないだよ」
私は嘘をついた。でも、途方に暮れていたことは事実だからさ。許してね。
「ご、ごめんなさい」
「だ、大丈夫ですよ」
ハートベクト様謝らないでくださいよ。もし、ハートベクト様のお父様にこのことを聞かれたら、私がどうなるかと。
「お嬢様、嬢ちゃん。見えてきましたよ。王都が」
私は、無事に王都に着くことができた。あとは学園に入学するだけ。
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私は今、何故か知らないけど、ハートベクト様についていっていた。私が宿を探そうとすると、ハートベクト様が私に対してついて来てと言ったからこうなっているのだけど………………
「どうしてこうなった!!」
私はハートベクト様のお家についた。つまり、伯爵家の目の前にいるという状況になった。
「お礼をさせてください」
私はハートベクト様の押しに負けて、伯爵家の中に入っていった。
私は伯爵家の中に入ったら、ハートベクト様のお父様に出会った。私はハートベクト様のお父様に「娘を助けてくれて、ありがとう」と言われた。そして、私は金貨100枚貰った。最初は驚いたが、どうやら、ハートベクト様お父様はどうやら、重度の娘大好きらしく、ハートベクト様が助かったことに感謝しているらしい。親子愛ってすごいんですね。
そして、私はハートベクト様のお母様から重大な情報を手にいれた。どうやら、学園の試験は明日らしく、筆記試験と実技試験があるらしい。実技試験は大丈夫だけど、筆記試験はまずいと思い、ハートベクト様のお母様に勉強を教えてもらった。これが世間で言う一夜漬けだ。私の意識はだんだんと無くなっていった。
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…天界…
「うん、無事に王都についたね。アイン」
「無事に王都についたね。じゃないですよ。アル様」
アル様とその従者がアインの様子を見ていた。
「あの子のこと知ってますか。アル様!!」
「うん、知っているよ」
「なら、何故ですか!!」
従者の者が、アルに問いただす。アルは黙りる。
「あんないかれた子を、娘なんかに…………」
「大丈夫だからさ。見ててよ。アインのこれからの活躍をさ」
そう言い終わると、アルは再びアインの様子を見た。従者の者はアインを観察するように見た。
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