第十五話 復讐者
私が着地すると砂埃がまった。私は砂埃がまいたあと、周りを見回した。7人のクソ転生者共、腹に傷を負った魔族の女の人。そして、ボロボロの状態で倒れているキリアとアオノ。この2人をこんな状態にしたのは、あのクソ転生者共だな。私の友達を傷つけたんだ。絶対ぶっ殺す。覚悟しろよ。
「たく、邪魔すんなよ」
「相変わらず、睨め付けて人を黙らせようとしてるの」
「ああ!?アイン、テメェが俺の何を知ってるんだ!?」
「ちょっとは静かにしてよ。そのちょっとでも気に入らないことがあると怒鳴る癖も変わってない」
「他の奴らも、すぐ暴力に走ったり、物で脅したり、全然変わってないんだよ」
「はあ!?お前如きが私達の何を知ってるの!?」
「うるさいな。私は、マーティサスみたいな、1番卑怯な奴が1番嫌い。それに、変わってないね。その怒るとき顔を赤くする癖、前世から本当に変わらないよね、あんた」
「うるせえ、私の勝手………だ…………ろ…………………?」
「おいおいおい。お前………今、なんて言った!?」
「私がお前らみたいなクソ共の何を知ってるかって?心優しい私が質問に答えてあげるよ。とある女の子のクラスメイトに対して、痣が残るようになるまで、箒とかで痛めつけたり、水をかけて、お金を奪ったり。下着姿を校内でばらまいてたこともあったね。そして挙句の果てには、『勇者の素質』を持っていて、クソみたいな性格を神に利用されて、ガス爆発まで起こした。バカヤロウだよね」
「あはははは」
ん?なんか魔族の人が笑ってるけど。
「最後のことって本当なの?」
「本当だけど」
「ザマァないじゃん」
また、笑いだした。そんなに笑ってるの傷が抉れてくるよ。
「覚えてないなんて言ったら、2度と味わうことがないような後悔させてやるよ。あ、でも、ついこの間、私の名前言っていたよね。なぁ、赤木くーん?」
「お前、お前はっ………まさかな………!?」
「取り巻きのクズ共も久しぶりだね。傘柳さんに山野君、奈良川君、岡山君沢要君だったよね?そして、春野斗さーん。あはは、私ってば本当に幸運だなぁ。かつて、私を散々な目に合わせてくれたメイン面子が、最初から全員揃ってるなんてさあ!!私、幸運だと思わない!!」
私はハイになっていた。こんなにも目の前に獲物がいるからだ。
「テメェ、友川………?恵なのか………?」
「当ったりーー。おめでとう。私は友川恵って言う名前だった人だよ。お前らがいじめていた、私だよ。ひっさしぶりーー」
びっくりしてる。びっくりしてる。おもしろ、おもしろ。
「それと、君たちに朗報だよ。あのクソ教師の野倉先生を殺したのは私だよ」
キメポーズしながら言ったら、これ恥ずかしいな。
「う、嘘、でしょ………?」
図星っと。まぁ、先生とこいつらが繋がっていることは知っていたからな。
「これでわかった。私は魔力が使えない部屋でも、先生ぐらいの実力者なら、殺せるんだよね」
あれ、なんか、もう絶望してるじゃん、取り巻き共。
雑魚精神。雑魚衛生。雑魚付属品。
「これは、私といじめられていた愛野さん。そして、キリアとアオノとこの子の分の復讐だ。覚悟しろよ。クソ野郎共」
キリアとアオノを………友達をこんな目に合わせた、クソ共に本当に腹が立っているの。絶対に殺してやろうと思ってしまう。
「チッ、コリ、早くしろ」
『ハイパーエリアシールド』
なんか、岡山君が何か張っているな。よし、まずは岡山君にしよう。
『橙雷』
私の雷が、ハイパーエリアシールドを貫通して、岡山君を殺した。
「残念でした」
「ひぃ!!」
赤木君と春野斗さん以外が逃げ出してしまったな。まあ、私からは逃げれないけどね。残念………
『白雷』
白雷。指定したもの全て引き寄せる雷の球体を作る技。今回、私は逃げた4人の転生者と言うことにしておいた。4人が球体の中に吸い込まれている。
うわ、跡形もないじゃん。バイバーーーイ。
よし、残りは、赤木君と春野斗さんの2人だな。
「どちらから、しようかな?」
いじめの主犯か、1番嫌いな女か。
よし、赤木君にしよう。
『黄雷』『赤雷』
赤木が何もできない間にバッサリと上下に真っ二つにした。
「あとは、お前だけだそ、春野斗さーーん」
「……………………」
あれ意外にも、全然絶望してない。って言うか、無視してくるし。
「おーーーーーーい、聞こえてますかーーーーーー?」
「……………………」
無表情で無視…………
「まあ、いっか。お前には、色々とされたってけ?私のお金奪ったり、裸の写真を校内でばらまいたのもお前。私をぐるぐる巻きにして何度も何度も殴ったね!トイレに顔突っ込まれたこともあったし、ああ!熱湯を体に注がれたこともあったね!うわーいっぱいあるね!」
バサッ!!
春野斗さんの体の上部分が地面に落ちた。
ああ、そうだった。赤木君と一緒に真っ二つにしたんだった。
…………とりあえず、キリアとアオノを回復させないと。
「キリア、アオノ。少しの間我慢していて、君もついてきて」
「わ、わかった」
私はキリアとアオノを担いで、この魔族と一緒にパムトリアさんと合流しようとした。まだ、笑ってるし。
「ちょっと待て!ドールネーヴェル!」
「マーリア先生!」
何でここに先生が!!
魔族の相手してないの?
「ドールネーヴェル、ハーズトロコモア、フロウテリナ。お前達3人を国家反逆罪で殺す」
捕まえるじゃあなくて、殺すなんだ………………
え?マジ??
『サンダーランス』
「あぶっ…………クッ!」
避けたと思ったのに早すぎて当たっていた。早くしないと行けないのに。それに、時が発動しなかった。どうして???
「マーリア先生」
「遅いですよ。パーソナル殿下」
今度は王子様が現れた。
「お前がリーア・ホワイトか」
この魔族、リーア・ホワイトさんって言うんだ。
「そうだけど。何か?」
「いや、なんでもない…………………お前ら、何をやっている」
王子様が私が真っ二つにらしたクソ転生者に声をかけている。
「もう、少し寝かせろよ」
「本当ですよ。残念でしたね、ドールネーヴェル」
何で生きているの???
切った感触をあったのに。何々あいつら、チートだろ。最悪、まずすぎる。
「この周りには、すでに結界が張られている。転移をすることはできないぞ。覚悟しろよ、魔族、そして、裏切り者」
ピンチすぎる。
『ファイヤーキャノン』
やばぁ。
『ウィンドキャノン』
王子様の攻撃に誰かが魔法を当てて相殺しやがった。
「え?」
『エリアヒール』
私達の傷がなくなっていく。誰だかわからないけどありがとう。
『ファイヤーキャノン』
どこからか王子様に向かって、魔法を放っていた。私はその方を見ると誰もそこにはいなかった。でも、今が逃げるのに絶好のチャンス。
「ホワイトさん。私の体に手を当てて」
「わ、わかった」
私は、ホワイトさんの手が私に当たったとわかった。
『満霧』
満霧。私と触れている者を霧の状態で移動させる技。発動するとしばらく力が使えなくなるから、あまり使用は好まないが仕方ない。
「バイバイ」
「待て!!」
私達は、あいつらから逃げ出した。
―――――――――――――――――――――――
…学園屋上…
そこには、3人の少女がいた。上からアイン達の戦いの様子を見守っていた。
「大丈夫ですか?彼女達の手伝いをしても?」
「大丈夫ですわ」
「え〜、あの人達にバレないの〜」
「多分あの人にバレますわ。でも、彼女には、死んでもらっては困りますですの」
「それは、ご自身の意思でしょうか?」
「いえ、違いますわ。まぁ、早くここから去りましょうですの。行きますよ、ネロア、カヨラ」
「はい、ノベラ様」
「うん、早く行こ〜。お姉ちゃん達も準備できているらしいからね〜」
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