表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/16

第十四話 学園最後の日

 アル様とシド様と会ったときから、3日が経っていた。つまり、今日、魔王軍は、この学園を壊しにくる。私は、今、寮の自分の部屋の中にいる。私は、正直言って怖い。


「アインさん、どうかしましたか?」


 そんな中、変化が1つあった。それは、ムキリの変化だ。私達が教会から連れ出したときは喋ることができなかったが3日も経った今なら、普通に喋ることができるようになっているし、元気な子に変わった。なんか、ムキリを外に出すことができないのは申し訳ないレベルだ。ムキリは、普段ミワさんと話しているらしく。楽しい毎日を過ごしている。


「いや、何でもない」


 私はもう1つのベッドの方を見る。そこには、パムトリアさんとミワさんの2人が仲良く遊んでいる。2人は再開してからは、毎日のように部屋で遊んでいる名のイチャイチャしている。そのため、必然的に私は、ムキリの相手をすることが増えてきている。


 ドゴォォォォォン!!


 地響きのような音が聞こえてきた。私は窓の外を見ると学園が破壊されていた。私はこの瞬間、魔王軍が学園を破壊しにきているとわかった。


「何が起きているの?」


「えっと、わかりません」


「私もです」


 ミワさんとムキリ、パムトリアさんが戸惑っている。


「今、魔王軍がこの学園に攻め込んでいる」


「え?」


 当然のように驚いている。このまま、魔王に会いにいってもいいだろうか。いや、そんなことはない。そして、学園に教会の奴ら来る可能性が高い。


「パムトリアさん!!」


「な、何でしょうか?」


「ムキリとミワさんを連れて学園から……………いや、王都から逃げてください」


「え?どうしてでしょうか?」


「説明はあとで合流してからします」


「わかりましたから、アイン・ドールネーヴェルさんは?」


 そんなこと決まっている。


「キリア達を探しに行きます」


「ええ、わかりました。お互い無事で会いましょう」


「うん」


 私は、キリア達の部屋に向かった。


「キリア、アオノいる?」


 返事がなかった。それは、つまり…………


「まだ、学園にいるってことですか!!」


 私は急いで学園に走っていった。



 ―――――――――――――――――――――――



 … 時は少しさかのぼり、学園校舎周り…


 そこでは、キリア、アオノとゴトウ・ヤギスケを中心とする転生者7人が対峙していた。


「何のようでしょうか?」


「それは、自分達の方が詳しいだろ」


 キリアの問いに対して、ヤードバッハが答えた。キリアとアオノのは、言われた言葉に体が一瞬、震えた。2人はもしかして、教会にある実験室に入ったことがバレたのだと思っていた。


「………何のこと?」


「はん、しらばっくれる気か?」


「ほら、これを見ろよ」


 ペルテックノアとトーモニアの2人が筒を見せてきた。その中には、白銀色の髪の毛と黄色の髪の毛、青色の髪の毛が入っていた。


「これは、何だろうなぁ」


「確か、あの実験室の廊下に落ちていたっけ」


「そ、それは…………」


 その髪の毛は、決定的な証拠だった。アイン、キリア、アオノが実験室に入ったと言うことがわかるようだった。しかし、幸いにも、アリシアの髪の毛は落ちていなかった。

 それを見た2人は、ここで、こいつらに殺されると感じていた。


爆拳(ばくけん)


 サイハワ・コルノニアが何も躊躇いなく攻撃してきた。サイハワの攻撃は、爆発の衝撃を放てる拳を出すようで、ガードもしてないキリアとアオノは直でダメージを負った。

 2人は何とか体勢を持ち直した。


「もう1発、『爆拳』」


『アイスバリア』


 今度はアオノが上手く防ぐことができた。アオノはすぐに解除した。アオノは、水と氷の2属性持ちだった。


『ダークキャノン』


 キリア、出し惜しみなんてしていたら、ここで死ぬと悟って、解除した瞬間にキリアは速攻で全力の一撃を放った。


『ハイパーガード』


「はぁ、はぁ、はぁ…………」


 それに反応したコロモックリが前立ち、キリアの全力の一撃を防いだ。キリアは、すでに魔力が切れかかっており、1番簡単な魔法すら、使えない状況になった。そして、サイハワ、ペルテックノア、トーモニア、ヤードバッハがキリアとアオノを囲むように4方向に飛んだ。


「これで終わり『爆拳』」


『ファイヤーブレス』


『ハンマーストライク』


百万打撃(びゃくまんなぐり)


『アイスドーム』


 アオノはキリアと一緒にアイスドールの中で耐え続けた。アオノの魔力が切れるか、4人の魔力が切れるかのどっちかまで、続きそうだった。しかも、キリアとアオノには、盾の魔法を使うコロモックリと回復魔法のマーティサスと何もわかってないゴトウがノーダメで残っている。

 約3分が経った頃、アイスドームにヒビが入ってきた。アオノの魔力が切れてきたからだ。転生者4人の攻撃は重く、約3分も耐えられたことに賞賛があるだろう。

 2人は4つのオリジナル魔法をモロに喰らった。

 そこには土煙が立つ。やがて土煙が消えると、瀕死の状態のキリアとアオノが現れた。もう立ち上がるための体力も、魔法を放つ魔力もなかった。


 本来なら、このような光景には、先生や生徒が駆け寄って来て止めるが今回は、『勇者の素質』を持つ者が行っているため、誰も来ない。更に寮に入るアインには、角度的に見えなくて、距離的にも爆発音は聞こえない位置だ。そのため、アインの加勢もない。


 2人にとって絶望的な状況だった。


「ハーズトロコモアの闇魔法とフロウテリナの魔力量には、驚いたが所詮、こいつらは、ただの学生。俺達とは、格が違う」


 転生者達は、嘲笑う。誰もキリアとアオノを助けには来ない状況。転生者共は、勝ちを確信していた。


「それにしても、ハーズトロコモアの闇魔法は、上の者に突き出すとなぁ。報酬がたんまりと入るなぁ」


 キリアが持つ闇魔法は、使える者がごく僅かのため、国王や貴族、教会までもがほしいと願っている。そのため、闇魔法を使える者を突き出すとたんまりと報酬が貰える。


「アオノは、どうする?」


「そいつは、お前の自由にしろ」


「じゃあ、躾けをしっかりとしないと」


 サイハワがそう言いながら、アオノに近づこうとした瞬間


 ドゴォォォォォン!!


 キリア、アオノと転生者達の間に人、いや、金色の髪に青色の瞳を持つ魔族が飛んできた。

 ゴトウは飛んできた魔族について知っていた。


「へーお前が、魔王軍幹部の内の1人、リーア・ホワイトか」


「知ってるんだ。あはは!」


 魔族は、どこか笑いながら答えた。


「あーもちろん、なあ、愛野咲(あいのさく)


「知ってるんなら、話が早いじゃん、赤木(あかぎ)君」


 魔族は、アインが転入する前に転校していった、愛野咲の転生した後だった。


「コリ、俺以外を守れ」


『エリアシールド』


 コリ・コロモックリは、ゴトウの言う通りにゴトウ意外のメンバーをバリアで覆った。


「俺は、あのバカ3人のようにはいかないからな」


「へー、それは楽しみだね」


 リーア対ゴトウの対決が始まった。


「なかなかやるじゃねぇか」


「ふぅ、ふぅ、ふぅ………」


「疲れてんのかぁ」


「はぁ?まだまだ行けるし」


 戦い合うほど、5分、お互いに決定だを繋がる攻撃ができなかった。

 リーアの得意な攻撃は、魔法創造で剣を生み出して戦うことであり、ゴトウが持っている槍に当たると全て消滅していっていた。

 逆にゴトウは、使用する技を魔法創造によって、上手い感じにかわされていた。

 そのため、2人は、一向に決定だを当てることができなかった。


「仕方ねぇ、カレバ!!」


 ゴトウは、カレバ・マーティサスに声掛けた。


「わかってるよ『ハイアップヒール』」


 カレバがゴトウに何かをかけた。その瞬間、リーアはより一層警戒した。


「今度は、どんどん行くぞ」


 リーアにゴトウの連続ラッシュが襲ってくる。リーアの魔法創造で生み出した物は次々と消されていく。ゴトウに攻撃が当たっても、その瞬間、回復されていく。しかし、リーアは、回復させてくれる時間すらないほど、ラッシュ攻撃をかわしていた。しかし、全ての攻撃をかわすことはできずに段々とダメージが蓄積されていった。


「クッ!しまっ」


 リーアはダメージの蓄積のせいで一瞬防御が緩んでしまった。ゴトウは、そこを逃さずに渾身の一撃を喰らわした。


「やらかした」


 リーアは喰らった場所が悪く、そこを押さえないといけない状況になっていた。


「これで、終わりだな」


 ゴトウは、リーアに対してトドメを刺そうとしていた。


()()()()


 白銀髪の少女、アインが天から降ってきた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ