第十三話 溢れ出した感情
私達は、あれから、外に出て、食事を取って、ムキリとミワさんの服を見たあと、寮に帰りました。ムキリとミワさんはバレないように寮に入りました。これから、私とパムトリアさんの部屋で、ムキリとミワさんを預かることになりました。教会の奴らやクソ転生者共などにバレないようにするためにです。とりあえず、ミワさんがいたら、私とパムトリアさんの部屋は1番端にあるため、来た人がわかりやすい、私が1番強いと話し合いの結果出たため、私とパムトリアさんの部屋になりました。あと、どうやら、教会の奴らは私達のことには、気づいておらず、ムキリとミワさんが逃げ出したと思い、探し回ってます。
そんなことはさて置き、私は今、何故か、天界にいます。そして、1人ぼっちです。私はついさっき眠ったはずなんだけどな。
なあんでぇ?
「あ、やっと来ましたか」
「やっと来ましたかではありませんよ、アル様」
遠くからアル様とどこかアオノに似ている者が歩いてきた。
「えっと、アル様。そちらの方は?」
「私は、アコノ・フロウテリナ。普段、妹がお世話になっているな」
どうやら、アオノのお姉さんだった……………え?
「な、なんでアオノのお姉さんが???」
「アル様、説明を」
「はいはーい、アコノは、死んでしまったけど、今は、私の従者として、手伝ってくれます」
「…………そうなんですね」
「若干引いておりますよ、アル様」
よーし、落ち着け、私。理解できた。理解できた。
「で,何で私はここにいるのですか?」
「それは、私が呼んだの」
「私は、呼ばなくていいと言いましたのに」
「アコノは、アインのこと嫌いなんだよ」
「そうなんですか?」
「ええ、そうよ。実の親を殺す奴なんて、好きになれる訳ない」
「今、何て言った!」
何でそのことを知っている。私の秘密を。
「落ち着いて、私は神様なんだから、知っているのだよ」
アル様が頭を撫でてきた。
「やめてください!」
私は、アル様の手を払った。
「とりあえず、お茶でも飲みます?」
突然、何もなかった空間に机と座布団が出てきた。これが創造の神の力か。すごいな
ついでにお菓子まで出しやがった。せんべいだ。私は、座布団に座りながら、お茶を飲んだ。
「そういえば、今、私は、どのような状態なんでしょうか?」
「えっと、それは、精神だけ、ここにいるって感じかな」
つまり、天界来ていたといっても、肉体は現在寝たままで、精神だけが起きてる状態ってことか。
「私を呼んだ理由はなんですか?」
「えっと、ぶっちゃけ、今は暇なんですよ、私。他の世界の統治は別に私がしなくてもいいことだし、この世界では私が干渉できるのは、アインだけなんですよ。それに、私って、今、ほとんど教徒いないから、神託も何回もする必要ありませんし。とにかく、暇なんですよ。なので、娘のアインとのお茶会で暇つぶしでもしようかなーって」
この神様、自由すぎ。
「そうなんですね」
「違いますからね!!」
あ、そうなの?
「アル様も忘れないでくださいよ」
「覚えているよ、シドと会う予定だね」
シド、シドって、あの破壊の神シド様ってこと。
「え?何で、私にシド様と協力しろと、そんなにすぐ会えるなら、アル様が言ったらどうですか」
「そう言うことではないよ」
え?違うの?
「アル様は、シド様の眷属と協力してくださいってことですよ」
「うんそうだね」
それは、ちゃんと伝えてほしかったな。
「と言うことは、オル様も?」
「うん、そう言うことになりますね」
「それなら、早く言ってほしかった…………」
私、一応、どうやって、神様に協力してもらうか、考えていたのに………………
無駄になった。
「アル、来たよ」
黒色の長い髪、瞳は赤色、信じられない程に美しく、眼を奪われる。黒と赤の色合いがマッチしたる。
「もしかして…………」
「シド、やっと来た。遅いよ」
「シド様、ご無沙汰してます」
この神様が破壊の神シド様。
なんか、アル様よりか、神様っぽい人だな。
それにしても、改めて思ったんだけど、アル様やシド様の魔力の流れって相当綺麗なんだな。
「貴方がアインさん?」
「はい、私はアインです」
「よろしくね」
「よろしくお願いします」
そういえば、どうして、シド様は来たのでだろうか?
「シド、魔王は本当に行うの?」
「はい、行うとおっしゃってましたね」
「え、何を?」
「貴方の学園を破壊とその通う者を殺害すると」
「はあ???何でぇ???」
待って理解が追いついてない。
「あの学園は危険すぎるからですよ。あと、アインは殺さないように言っておきますよ」
私は死なずに済むんだ。ならなんで、私に学園に行くように言ったの?
「じゃあ、何でアル様は私に学園に行けと………」
納得ができない。できるわけない。
「人間の醜さを見るためかな」
「え?」
「アイン、貴方も見てきたはずです。人間の残酷さを」
確かに、キリアのご両親を殺したり、人を実験体にしたりしている。
「確かにそれは、たくさん見てきました。でも………」
「でも?」
「優しい人だっていますよ」
私は、2人の神様とその従者に訴えた。
「アル様のことを信仰している人もいます。何も知らない怪しい私に仲良くしてくださる人もいます。勉強を教えてくれる人もいます。助けてくれる人もいます…………何よりも、私と友達になってくれる人もいます」
「アイン…………」
アル様は軽く呟くとその場で黙り込んでしまった。
「私は、そんな人達に死んでほしくありません」
気づけば私は涙が頬に垂れていた。
「でも、人間は、魔族や獣人と言う理由だけで殺したり、奴隷にしたり、実験道具に使っているのですよ」
そんなこと、シド様が言わなくてもわかってる。でも!!
「そんなの、やっていることは、魔族と一緒では、ありませんか。今、その魔王って人がやろうとしていることは、罪のない人間も巻き込んだ残虐ですよ」
「違うのですよ。それは…………」
「何が違うのですか!!」
私は立ち上がった。もう感情が爆発していた。
「アイン、落ち着け」
アコノさんが止めにくるが、私は無視する。
「魔族も人間も変わらないじゃないですか!!」
「アイン!!」
「うるさい、アコノさんは黙っていて!!」
さっきから、アコノさんはうるさい、神様じゃないんだから、入ってくんなよ。
「無関係の人を巻き込むな!!殺すならクソ共だけにしろよ」
もう発狂状態だ。私自身、この溢れ出た感情を止められない。
「アイン、落ち着いて、落ち着いて」
黙り込んでいたアル様が私をハグして、頭を撫でてくる。私は必死に抜け出そうとするが、抜け出せない。
私は力が抜けてその場に座り込む。
アル様によって、簡単に感情は抑えられた。
「アインさん。聞いて」
「いや、聞きたくない」
私はシド様を拒絶する。
「アイン、いい加減にして」
アル様の手で私はアル様のことを見る。
「シドの話を聞いてあげて」
「……………………うん」
「まずは、ごめんなさい、アインさん。貴方の気持ちを考えなくて、でも、学園は破壊させてもらいますよ。それは、あの学園では、ウィンの思想が強く教えられる」
そんなことは、5日間の学園に通って見てわかっている。
「そして、学園に通う者、全員の殺害はやめるように魔王に言っておきます」
え?
「ただし、ウィンの思想を持っている者は、殺しますね。特に教会の人達と王城に住む者、『勇者の素質』を持つ転生者はね」
「それなら、別に私もクソ転生者共は殺したいと思っていましたから」
「あと、それと貴方には、そのあとに魔王にあってください。そして、魔王軍に入ってくださいね」
「はえ?」
「まあ、それは必要なことだよ」
そうなんだ。何故だが、わからないけど。
「今から3日後に魔王軍は、学園を破壊します。そのときに魔王にあってくださいね」
「わかりました」
3日後か。思っていたよりか、時間があるな。
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