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第十一話 やっぱりありましたよ

 休みの日になりました。

 私達は、アオノのお姉さんとパムトリアさんの親友を探すために、教会に来ています。


「皆様、行きますよ」


 パムトリアさんに続いて教会に入っていった。

 教会の中は、ザ・教会だった。白を特徴とする壁色、そして、勝利の神、ウィンの石像が立ててあった。


「おや、アリシアちゃん、今日はどのようなご予定で?」


「友達が祈りたいから、連れてきました」


 この人が神父さんね、怪しい。

 それに、あそこから、変な魔力の流れがある。あの奥にアオノのお姉さんとパムトリアさんの親友がいる可能性があるな。扉には、トラップのような魔法はない。この部屋には、魔法が使われていない。なら、監視の目は、この神父さんだけか。なんとかして神父さんをどこかに行かせないと。


「神父さん、ご飯まだ?」


 小さな子供が神父さんを呼びに来た。


「では、ご飯にしましょうか。アリシアちゃん達はどうしますか?」


「私達は、もう少しだけここにいます」


「わかりました」


 神父さんは、子供達に連れられて、ここから出ていった。ナイス子供達、チャンス。


「行くよ。隠されている場所はわかった」


 私は1番右の前の席のを動かした。


「え?」


「こ、これって」


「隠し扉」


 私は椅子の下にある隠し扉を開けた。そこには、下に続く隠し通路があった。


「ここから、行くよ」


「どうやって、わかったのか、後から説明してくださいね」


「まあ、わかったよ」


 パムトリアさん、アオノ、キリア、私という順に入っていった。私は重の力を使って元あった形に完璧に戻した。

 私達が隠し通路を降りると、白い空間に出た。そこには、1本の通路があり、左右にいくつかの檻があった。檻は外からだと簡単に開けられるようになっていた。そして、そこには、死んでいる者が入っていた。私達が警戒しながら、進んでいると1つの檻が目に入った。


「え?お、お姉ちゃん」


 アオノと似ているため、私もわかったが、アオノが言ったことで決定した。アオノのお姉さんはもうすでに死んでいた。


「あ、あ、あ、あ」


「お姉…ちゃん、お姉…ちゃん、起きてよ!」


 アオノがお姉ちゃんを肩を揺らして、起こそうとしている。キリアは、私に捕まってガクガクと震えている。パムトリアさんは、黙って下を向いている。そりゃあ、親友も死んでいると思ったら悲しむよな。


「お、おい………お、お前………達は………だ、誰だ」


 どこからか途切れ途切れ喋っている声が聞こえてきた。それは、アオノのお姉さんの檻の向かい側で、そこには、虎?の獣人がいた。


「私、アイン・ドールネーヴェルです」


「そうか、お、俺………はヤコナだ」


「今、回復魔法をかけますね」


 パムトリアさんがヤコナさんに回復魔法をかけようとした。それは、無理だ。この空間だと…………


「な、なんで発動しないの!」


「あ、アイン、お………前なら、わかる………よな」


「ええ、空間に貼られている魔力によって、魔法が使えなくなっている」


「そんな……………」


 パムトリアさんが崩れ落ちた。


「アインだったっけ、お………前………は、妹と同じ目を持っている」


「天空眼ですか?」


「た、確か………そんな名前だったな」


 ヤコナさんの妹さんも私と同じこの天空眼を持っているのか。私以外には、持っているのは、初めてだな。


「そこのあ………お髪の子、君はアコノの妹かい」


「う…ん………そう…だけど」


「なら、アコノか………ら、伝言。『うじうじせずにしっかりと自信を持って生きろ』と『私達の親を殺したのは、ウィンを信仰している者』『こんな出来損ないの姉でごめんなアオノ、大好きだよ』だそうだ」


 アオノは、涙を拭き取った。


「私………まだ自信ないけど………頑張る………お姉ちゃん」


 アオノも決心したな。それにしても、勝利の神、ウィンか、なんてクソ神なんだ。


「ねえ、黒と白と桃色の髪をしている子、見なかった?」


「お、お前、あの子………の友人か、なんかね。あの子なら、最深部にいるぞ、多分ま………だ生きてる」


 どうやら、パムトリアさんの親友はまだ、生きているらしい。それはよかった。


「お………れは、もうすぐ死ぬ。さ………いごに妹に会ったら伝え………といてくれないか」


「わかりました」


「こんな兄ですまんとな」


 虎?の獣人は息を絶えた。私達が必ず、妹さんに会って伝えますね。

 私は、絶対に勝利の神、ウィンを許さない。

 私達は、次の階に降りていった。



 ―――――――――――――――――――――――



 次の階に降りるとそこには、左側には檻が2つあって、右側には、資料が置いてあった。進んでいくと、1人の桃色髪の少女がいた。もう1つの檻には、誰も入っていなかった。


「おーい、大丈夫?」


「…………………」


 うん、無視された。


「無視しないでくださいー」


「…………………」


 やっぱり、無視。この子息はしてるから生きているけど。


「ねえ………アインさん」


「どうしたの?アオノ?」


「これ読める」


 アオノから、渡された資料を見た。そこには、日本語で書かれてあった。と言うことは、この実験施設の主は、クソ転生者だな。ここは、読めることを言った方がいいか。まあ、適当に誤魔化せばいいか。


「読めるよ」


「本当」


 頷く。


「なら、読むよ『『勇者育成兵器化計画』この計画は、この世界で生まれた2人の勇者の素質を兵器化させようとして、計画された物。私も、勇者の素質を持っているが、この2人だけ、勇者の素質が全く違っていたため、私は、生徒ではないと判断して、実験を起こった。勇者育成兵器化計画は片方が成功して、もう片方が失敗した。成功した勇者の素質を持つ物は、解説した結果により、こいつが持つ勇者の素質は、この世界にある自然の恵だとわかった。問題は、失敗した物の方だ。こいつは、いくら解説しようとしたが、全くわからない。こいつが本当に勇者の素質を持っているのかわからない。ウィン様は、こいつも勇者の素質を持っていると言っていたため、私は、失敗物を危険と判断して檻に監禁し、閉じ込めた。成功物は、戦争に出陣した。その後、戦死した。そのため、この計画は失敗に終わった』と書いてあるよ」


 先生か。なら、あのクソ教師だな。それにしても、この少女が、勇者の素質を持つ者だとはな。


「酷い話です」


「うん………酷い計画」


 キリアとアオノが共感している。パムトリアさんは、悔しがっていた。多分、教会に居たのに何で助けられなかったんだろうと思っているのだろう。


「よし、この子、連れて行こう」


「それに賛成です。私が読める範囲であった資料でも、感情を壊すために、この子と、そのもう1人の子に暴力を振るっていたと書いてありました」


 はあ?何それクソじゃん。


「えっと君、名前は?」


「…………………」


 無反応……………

 悲しい。


「お名前ですよ」


「…………………」


 無視無視無視…………………


「教えてほしいな〜」


「……………ない」


「えっ?!」


 喋ってくれた。嬉しい嬉しい。でも、名前がないって……………


「なら、私がつけてあげるよ」


 私は考えた。何がいいだろう。


「えっと、君は今日から、ムキリね」


 私は何故か知らないけど、この子をムキリと名付けた。


「………………ムキリ、しっくりときます。私、ムキリ」


「じゃあここから出ようか」


 私はムキリの手を引っ張って連れ出した。


「とりあえず、みんな、この資料をカバンの中に入れるよ」


 私は、必要だと思った資料を選び、どんどんとカバンの中に詰め込んだ。


「この下が、多分だけど最深部。パムトリアさんの親友もいる。そして、この部屋の主もいる。気をつけていくよ」


「待っていて、必ず助けるから」


 私達は、最深部に降りて行くのであった。

 待っていたください、パムトリアさんの親友の方、助けます。そして、クソ教師、殺してやるから待っとけ。

次回から月曜日と木曜日の21時頃の週2回ペースの更新になります。

最近、筆記な方に力が入っておらず、このような更新になることに大変申し訳ございません。楽しみに待って頂くと光栄です。




広告の下にある[☆☆☆☆☆]を[★★★★★]にしていただけると嬉しいです。


更新の励みになりますのでどうかお願いします。


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