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第一話 異世界転生

「知らない天井だ……」


 いや、天井が無い。空だ、真っ青な空を見ていた。


「ん、どうやら、お目覚めかな?」


 知らない女性が、こちらを覗き込む様に言った。


 白金色の長い髪、瞳は金色、信じられない程に美しく、眼を奪われる。

 その姿は、まさに天使。いや女神か。


「確か私は……?」


 私はあの時、何かの爆発に巻き込まれたんでっけ。

 それにしても、ここは学校でも病院でもないらしい。状況がまるで理解出来ずに辺りを見渡しても、真っ白い空間には、女神っぽい人と自分だけのようだ。


「ひょっとして、私、死にましたか?」


「うん。君はあの時、学校の実験の失敗に巻き込まれて死んだよ」


 女神っぽい人はクスリと笑い、あっさり死を告げた。

 あぁ、やっぱり死んだのか、あの時は一瞬だったから、あまり苦しんだ記憶が無いので、実感湧かないのだが。


「ここは天国ですか?」


「ここは天界。だけど、君達の言う天国とはちょこっと違うよ。君の居た世界とは、全く違う世界。まあ異世界ってやつだよ!」


 女神っぽい人が、オーバーリアクションで両手を広げた。


「えーーーっ!!!」


 とりあえず、ここは現世ではないことがわかったが………


「どうして、私ってどうして死んだのですか?」


 私は授業に遅れていたため、実験の失敗とやらがわからない。


「それは、君をいじめていたグループの連中が調子に乗って、ガスに火を近づけて爆発しました」


 女神っぽい人が笑いながら、告げた。

 私は、前世ではいじめられていた。運動は壊滅的、成績は中の下。挙句にぼっちで、そのため、いじめの対象になっていた。

 もう、それは酷いもんだったよ。校舎裏に呼ばれてボデイーブローやパンチ、キックは食らうわ金は取られるわトイレで水はぶっかけられるわ。私を標的にした理由?知らない。

 で、挙句の果てに殺された。

 より正確に死因を言うなら、『私をいじめてたグループが起こした事故に巻き込まれて死んだ』だけど。

 ちなみに事故はガス爆発。

 昼休みに私をトイレでボコって、財布から金を抜き取り、ふらふらの足で行った理科室でふざけてたらドカンだってさ。

 気をつけたら、そんなことしないのに…………

 いや、何してる…………


「でも、それって……………」


「君の考えは正しいよ。ガス爆発程度では、あそこまでの被害は出ない」


 そうだよね。流石にガス爆発程度なら、私まで被害は及ばないよね。


「それは、とある奴の仕業だよ」


「とある奴?」


「その者は、勝利の神ウィン。破壊の神、繁栄の神、勝利の神のこの世界の三神の内の人神だよ」


 私はウィンっていう神様が原因で爆死したようだ。何が神様ですか。勝利ですか。何か、破壊や繁栄とは違うような気がしますね。破壊の神はいるなら、創造の神もいると思うのだけど…………


「あそこにいた者達は、どうやら勇者の素質を持っているようで、ウィンによって殺されて、この世界に転生させられました」


 私をいじめた奴ども目、ザマァみろ。まあ、私も死んでますけどね。


「私は何で、そのウィンっていう神様に転生させられてないのですか?」


「それは、単純に君は勇者の素質を持っていないからだよ」


 衝撃の事実。私は、運動も頭も良くなくて、更に勇者の素質すらない。ナンテコッタ。


「ウィンのせいで君は死んでしまったから、私が転生させようと思って、君の魂をここに呼びました」


 私は女神っぽい人によって助けられている状態ってことかな。


「君には、やって欲しいことがあります」


 やって欲しいことですか。


「この世界では、今はウィンによって、人間絶対国になっています。破壊の神シド。繁栄の神オルと協力して、人間を倒してほしいのです」


「わかりました。私はあなた様に助けられた身なので、やってみます」


 これから、私は破壊の神様と繁栄の神様に協力してもらい、打倒勝利の神を目指していくことになった。

 まあ、転生させてくれる恩があるからね。

 あれ、この女神っぽい人は何なの?


「あともう一つお願いします」


「何ですか?」


「今日から、君は私の娘ね」


 女神っぽい人がにこりと私に告げた。私は驚きのあまりに声が出なかった。


「まあ、これは決定事項だけどね」


 ああ、私は今日から、この方の娘になった。


「うわっ!!」


 女神っぽい人が指パッチンすると私は光だした。あの程度経つと光は無くなっていた。


「はい、これ」


 女神っぽい人は鏡を私の前に置いた。


「はえ?!」


 そこには、黒髪、黒目だった。私が。白銀の髪に銀色の瞳の左目と金色の瞳の右目を持つ少女に変わっていた。

 可愛い…………


「今日から、君はその容姿で生きてもらうから。それと、名前はアインね。アイン・トールネーヴェル」


 今日から、私は、アイン・トールネーヴェルとして生きていくことになった。


「それと、これが、アインのデータ」


 アイン・トールネーヴェル

 年齢:15歳

 性別:女

 身長:158cm

 種族:天使

 一人称:私

 二つ名:なし

 髪色:白銀色

 右目:金色

 左目:銀色

 天極(てんきょく):雷、霧、重

 スキル:時の目、天空眼


 私のデータが何もない空間に現れた。私、死ぬ前は17歳だったんだけど、何で15歳になっているのだろうか。


「では、説明していくね。まずは、スキルからこれはこの世界での、使われている力。時の目(ときのめ)は、見ている対処の時間を遅らせたり、早めたり、自分の周りに時間の壁などを作るぞ。天空眼(てんくうがん)は、魔力の流れを見たり、魔力制度を大幅に上げるぞ。次は、天極だが、これはわかってない。私でも初めて見るからな。でも、雷は雷の概念を霧は霧の概念、重は重力の概念を支配する力と聞いたことがあったような」


 これは、チートだな。気をつけて力は使っていかないとな。それに、私って天使になったんだ………


「これで、大体のことは終わったかな。何か質問はある?」


「私をいじめてた人達って、どうにかした方がいい?」


「うん、ご自由に。アインは、転生者が15歳のときに転生させるから、同じ年代だからね」


 よし、これで、次あいつらに会ったら叩きのめす。


「あと、それと女神様の名前は?」


「私は、アル。創造の神」


 女神っぽい人は創造の神様だった。創造の神様、さっきの三神で出てこなかったから、どうしたのだろうと思ったが、アル様が創造の神様だとな。

 でもこれだと、勝利の神、破壊の神、繁栄の神、創造の神で四神だけど、さっき、アル様が三神って言っていたけど、アル様に何かあったのだろうか?


「質問は以上で」


「うん」


 とりあえず、このことは聞かないでおこう。


「とりあえず、まずは人間について知るために、学園に入って、仲間を作っていってね」


 人間を殺すのではないの?学園に入学させるために15歳にか。けど、ぼっちだった私にどうやって友達を作れと。


「私は極力干渉しないので、どうか頑張ってね。貴方の次の人生が、どうか良きものになることを願ってるね」


 投げやりだな。とりあえず頑張ってみますけど。


「うん、行ってきます。アル様」


「では、良い今世を!」


 私の意識は何かに吸い込まれるように途絶えた。

広告の下にある[☆☆☆☆☆]を[★★★★★]にしていただけると嬉しいです。


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