王子の見舞い。
「アルセーラ様もうすぐ王子が来るとの知らせが……。」
「いいわね、作戦通りに。」
「わかりました。」と拳を握りしめてやる気満々のイレーヌに対し、マリアはめんどくさそうにため息をついた。
そして、数十分後に部屋の窓から王子が乗ったと思われる仰々しい馬車が通るのが見えた。
「よし!来た。総員配置にかかれ。」と私は二人に指示を出す。今の私はさながらこの軍の参謀総長の気分だ。
私は紅で赤く頬を染め、ベッドに入った。頬を赤くしたのは、少しでも熱があると思わせるためである。そして、イレーヌはベッドの隣においてある机に、薬の容器や水の入ったコップなどの小物を飾り付ける。きっと今頃マリアは、あの変人王子の対応をおこなっていることだろう。
(完璧でしょ!これで大丈夫!)と私は楽観視していた。まさかマリアがあの王子に倒されるとは……。
王子の馬車を見て数分後に扉をノックする音がしてマリアが入って来た。
「あっ、マリアなんとかな……ふが。」私はマリアに口をふさがた。
「静かに……落ち着いて聞いてください。今、王子が扉の外でお待ちです。」
「!?」
「………実は。」
マリアの話では、入口で王子を出迎えた後にマリア流行り病なので面会できないと言ったらしい。すると王子は、流行り病など報告書にあがっていないと言い出し、さらに王家専属の医者を待機させているからアルセーラに会わせろといってきたらしい。
「相手の方が少し上でした。感染対策のためにも医者に見せることが重要だと言われれば……。」とマリアは悔しそうなかおをした。
(あのマリアが負けるなんて。)
マリアは、私が知るなかで最も頭のまわる従者だ。そのため、理論的な喧嘩でマリアが負けているのを見たことがない。今回もそこを考慮してマリアを王子にまわしたのに、あの王子の方が頭がまわるなんて驚きだ。
(あの顔だけだと思っていた王子が……。)
「今はお嬢様の様子を確認して来ますと言って待ってもらっています。そのため、プランbでいきましょう。」
「わかった。」
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