お見合いー王子の視点
(王子の視点で書いてみました。)
今日は少しコメディー要素が強いかもです。なんでアルセーラがこの選択をしたか次回でわかると思うのでお楽しみ!
感想、レビュー、評価をお願いします。
他の作品もあるので、よかったら覗いて見てください。
「王子あそこが今回のお見合い相手がいる領地になります。」
「ああ、わかっているよ爺。」
(狙い通り………田舎領主の娘なら断りやすいだろう………。)
俺の名前はアレクシス・アンフォードこの国を納める王の息子だ。
(こんなお見合い………本当に面倒くさい………。)
俺は生まれた時から優秀だった。勉強やスポーツ、剣術………何をやっても完璧だった。その影にどれだけ血の滲むような努力があろうとも、人々は俺ではなく取り繕われた王子としての俺を見た。どんな時も、貴族達は笑顔という仮面をつけて、俺の容姿と王子という地位を褒めのだ。
「アレクシス様はお母様に似て見目麗しく王子としての品格もお持ちで。」
(いつも同じ言葉……疲れた。)
だから俺はやめようとしたすべてを捨ててその地位から逃げ出そうと………。そんなことを考えていたとき、父からお見合いをするようにと命令が下った。
(お父様がお見合いをさせた理由は跡継ぎを産み育てることと、俺に国王としての覚悟を持たせることだろう。)
だが俺は王になるきはさらさらなかった。俺は物語に登場する主人公ではなく、その辺の通行人aぐらいの立ち位置になりたいのだ。だから持ってこられた見合い話の中で、断っても影響が出ないであろう領地を選んだ。
(どうせここのやつらも周りの人間のように笑顔ですりよってくるんだろう。)と考えていた俺の予想は見事に外れた。紹介された領主の娘はニコリともせずに、真顔のまま機械のように言葉をはっしたのだ。
(この女は何を考えているのだ?………だめだ笑ってしまいそうだ。)
プルプルと体を震わせて笑いをこらえていると領主がすごい勢いで娘を奥につれていった。
(あの娘………面白い、面白いぞ。)と考えていると、すぐに領主が戻ってきた。
「王子……大変申し訳ありません。娘が失礼なことを。」
「いえ………それよりアルセーラ様は?」
「今奥で………化粧を直していてですね。」
「そうなんですか………」
そんなことを話しているとかつかつと靴音が聞こえた。
「アルセーラさ………えっ!?」
振り替えるとそこには、真っ白の顔に真っ赤な唇のけばけばしい女性がたっていた。
「あっ………アルセーラ様?」
「はい、アレクシス様。」
「その格好は一体………。」
「これはバカ殿風メイクです。」
「バカ殿風とは?」
「はい、まず下地で顔全体を真っ白にしてそこから眉毛を太く、そして唇は真ん中だけ塗りました。」
「………なぜそのようなメイクを?」と俺は笑いをこらえながら質問をした。
「一番綺麗な姿を見てほしくて。」と彼女は頬を赤らめもじもじしながらそう言った。
「綺麗………。」
「肌は白く、唇には今都で流行りの最新のリップをつけて………髪の毛をちょんまげにできないのが少し残念ですが……。」
「そうなのですか………。」
(彼女は何を言っている……ちょんまげとはなんのことだ………この女………気に入ったぞ。)
彼女は自信満々でこちらを見ていたが、横にいる領主の顔はだんだんと青ざめていくのがわかった。
「あ、あ、アルセーラ」と彼女はまた父に引っ張られ部屋の奥へと消えていった。
(アルセーラ………彼女をぜひ私の婚約者に………そしたら退屈な日々も………。)と私は、断るはずの縁談を引き受けることにしたのだ。