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犯人

「なんでこうなるの~」と私は発狂していた。

「落ち着いてください。」

「これが落ち着いていられますか?」



(何をどうしたら元婚約者と現在の婚約者がご対面なんていう面白い展開になるのでしょうか……私はそんなに悪い子でしたか神様?)




もしここでロジエールと王子があってしまったらまずいことになるかもしれない。あの変人王子のことだ、何かしらいちゃもんをつけるかもしれない………。入学式で隣に座った同級生男子に自己紹介するような、そんなハートフルな場面には断じてならないだろう。笑顔で覆い隠した顔の奥には鬼のような顔が眠っていることを私は知ってる。




(まずい……。どうしよう…。)





「現状、ロジエール様が王子がいることをご存知かわかりませんし、王子がロジエール様がこられることを知っているかも……。」

「そんな落ち着いて、分析する力は私にはありません!」

「とりあえず、ロジエール様には病気だと嘘をついて帰ってもらうと言うのは?」

「………病気?」

「はい、お嬢様は今病気だと王子に言ってあるのですから、そうする方が良いかと……。」

「マリア……あなた天才ね。」

「……普通に考えれば思い付くのでは?」





(……そうか。)と私達が話していたら笑顔でお父様が入ってきた。






「アルセーラ………良い知らせが………ってどうしたそ……顔が青紫色だぞ……。」

「少し塗りすぎかしら……。マリアどう思う?」

「えーと、なすのようなお顔なのでもう少し化粧を薄くしたらどうかと……。」



(そうかしら、振り切った方が良いと思ったんだけど……。)




「あっ、どうしたのお父様?」

「そうだ、実はロジエール君がお前のお見合いににてくれ……」

「お父様……まさか。」

「ああ、お前が病気だというから、周りの領地に知らせたが?」




(お前が犯人か~い。何してくれとんねん。)と関西人張りの突っ込みを私は心のなかでしていた。

(そういえば、この人仕事ができないことで有名だった。)



そう、だからうちはお父様がダメダメなので、政務は仕事のできるお母様を中心にしている。そのため、うちは圧倒的に女性の立場が強い。



(そういえば、ロジエールとの結婚話が出たときもお父様は仲間ができるって大騒ぎだったな。)


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