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見舞品

「ふふ、あの困った顔。」

「何を笑っているんですか?」

「あの王子にお見舞い品がほしいって言ったの。」




(ありきたりな花や果物を持ってきたから。前世のゲームを注文してやったわ。……こんなめんどくさい女なんてさっさと嫌いになればいいのに………。)



「さて、どんな解答を持ってくるかな。」

「アルセーラ様………悪い顔してますよ。」

「違うのこれはあくまで婚約回避のためで……。」

「イレーヌは別に何もいってませんよ。ただ少し悪役顔なだけで……。」

「マリアまで……。」と私が口をへのじにしているとノックの音がした。




(王子かしら?)と私はあわててベットに入った。

「どうぞ。」

「失礼します。」と言って入ってきたのは、王子に仕える執事だった。

「どのようなご用件でしょうか……アルセーラ様は今体調がすぐれませんから。」

「王子から見舞いの品と言伝てを預かっております。」と言って持ってきたのは分厚いお肉と小さな陶器の箱だった。




(えっと………どういうこと?)




「お嬢様の欲しいものを私たちは一生懸命に探しましたが、どうしても見当たりませんでした。そこで私達は考えました。プレステとは、プレミアムステーキのことではないかと。」

「プレミアムステーキでプレステ?」



(………親父ギャグ………は違うか……それにしてもプレミアムステーキって。)



「でその箱は?」

「これはオルゴールです。」

「なんでオルゴール?」

「お嬢様は、スイッチっとおっしゃったので機械を動かす……機械といったらネジをまわすことで動くオルゴールかと思いまして。」と執事は自信満々に答えた。



(いや……無理でしょうその解釈。)と心のなかでツッコミをいれながら苦笑いをした。



「あの……ソフトの話しをしたんだけど………。」

「はい、ですからオルゴールを開けたときにソフトな柔らかい微笑みを浮かべている踊り子のオルゴールにしました。本当はカフェなどにおかれているコインで動かす物をご所望かとも思ったんですが……。」

と話しているとマリアが咳払いをして「王子の言伝てをお願いいたします。」といった。




「ああ、そうでしたね。では……。」と執事は手紙を懐から取り出し読み始めた。

「アルセーラ、君の所望している品々が思いつかなかったから爺のアイデアを採用した。絶対に欲している品ではないと思うが……爺たちの気持ちを汲んでほしいと思う。以上です。」




(………空気を読めってことね。………あのおじいちゃんの自信たっぷりの顔を見ていると違うなんて言えない。)





「さすが王子の側近!よく私が欲しいものがわかったわね。」というと「いえいえ、よかったです」と執事はふふと笑った。

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