お見舞い
「王子……何を考えられているのですか?」
「爺………見舞品はどのようなものがいいと思うのだが?」
「はぁ………果物や花などではないですかね?」
「僕もそう思った……だから王都にある王室御用達の青果店で最高級品を取り寄せた、バラの花も用意したが……。」
「……どうされたのですか?」
「彼女は欲しくないと言ったのだ。」
「彼女……ああ、アルセーラ様ですか?」
「そうだ。彼女はこんなありきたりな品々は欲しくないと言ったのだ。」
「何がほしいとおっしゃったのですか?」
王子は少し考えたあとに眉間にシワを寄せた。
「爺……ブレステとはなんだ、スイッチって何のボタンのことだ?」
「プレ…プレステ?スイッチ?なんですかそれは?」
「彼女は見舞品にそれがほしいと言ったのだ。僕はちまたの新聞や雑誌は情報収集のためにすべてに目を通しているがプレステなんて言葉はみたことがない。」
「………なんかすごいのでは?」
「なぜそう思う?」
「東の国の言葉にプレミアムという言葉があります。」
「私も知っているがそれとプレステになんの意味があるのだ?」
「プレミアムステとか……。」
「ステとは?」
「ステ…ステ……あっ。」
「なんだ爺?」
「ステーキとかでは?」
「だが……病人にステーキとは……いくらなんでもないのではないか。」
「そうですよね。」
「それから、スイッチって何の機械のスイッチなのか……。」
「彼女は他に何かおっしゃっていませんでしたか?」
「ソフトとか充電とか言っていたが……ソフトって柔らかいってことか?」
「柔らかいお肉……。はっ、失礼しました。」
「爺、一度肉から離れないか。絶対違うと思うのだが……。」
「そうですね。私も違うと思います。」
「アルセーラ、君は……また、私に難問をぶつけるのか。」と王子は頭をかかえ椅子に座り込んだ。




