父との話し合い
「お父様……。」と私は父をぎろりとにらみつけた。
「イレーヌ……私の娘は、な…何をそんなに怒っているのだ?」
「……申し訳ありませんわからないです。」
「だって、お前は王子に会いたかった訳ではないのか?」
(はあ?どう考えればそう見えるのか……。)
「私が王子に会いたいといつ言いましたか?」と私はキレぎみで聞くと父は怯えながら「だって仮病を装ってまで……気をつかったつもりだったんだもん。」
と少し泣きべそをかきながらそういった。
(だもんって………でも私のことを考えてくれたのかな。)
「お父様、怒って申し訳ありませんでした。」と私が父に頭を下げると後ろに立っていたマリアが「お嬢様の計画をお話したらいかがでしょうか。」と進言してきた。
「そうね。」
「計画とは何のことだ?」
「お父様、私は王子と婚約する気はありません。私のようなちゃらんぽらんが国母になるなんてそんなことはできないからです。」
父は少し考えてから静かに「…………確かに」と言った。
(えっ…………一応そこは否定して欲しかったんだけど………。)
「お前の母は賢い女性だったが、お前は私に似て頭も人並み、運動はできないし………。」
(あー、そこまでいっちゃいます?一応娘なんだけど……。あっ、娘だからか。)
「ううん」と、私は大きく咳払いをして父の話を遮った。
「ともかく私は王子と結婚したくありません。」
「でも、こちらからは言い出せないぞ。それこそ不敬だ。」
「だから、婚約破棄させるのです。あらゆる手を使って。」
(そうしないと私が殺されて……。)
「でも、私にはあの王子がお前を気に入っているように見えるのだが。」
「それはないです。どんな男でもバカ殿化粧の女は嫌だと思いますから。」
「バカとの……がなにかはわからないが………まぁ、これから付き合えばお前のことは嫌と言うほどわかるだろう。」
(なんかイラっとするけど………まぁ、いいっか!)




