一話 詩片 あやは
詩片、『精霊の眼、妖精の眼』-フェアリーアイズ-
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せかいわ輝いている
日のひかりのあたるゆきのつぶ
ひかりをうけて虹の輪にかがやき
ゆきの野を虹のかがやきで満たす
風をうけて舞うゆきのようす
ゆきのつぶの虹は風とともに舞いおどり
虹のひかり乱舞するそのさまはまるで夢のよう
夜風の色
木々の芽吹くいのちのひかり
葉から流れ出すおだやかにかがやくいろ
ひかりといろに満ちた森の木々たち
いのちを帯びた風のながれ
川のみずの流れのように
輝く風のいろがいくつもの渦をまき
木立のすき間を流れゆくひかりの流れ
それはまるで宙の川のよう
冬の木々
まだかたきこごえる小さな芽
あたたかな芽吹きを待ちつつ
おとずれる春への力をためている
秘めたひかり
そのいのちのかがやき
ゆきのやわらかきいろ
やわらかき冷たくしろき冬の白雪にもにて
ねこやなぎのあたたかないろ
しろくやわらかき春の日の白き花にもにて
冬のせかいを
そう
一見してあせた色のような冬の景色を
鮮やかな春のせかいのように
はるを先取りするかのように
鮮やかに
満ちるいのちのかがやきの色に
明るく染めあげている
それはまるで春の夢をみているよう
せかいわ輝いている
いのちのかがやきに
ひとのうつくしきこころに
そうしてみえるもののめに
そのかがやきをうつしだす
せかいわ美しくかがやいている
いのちのかがやきに
うつくしき光のあふれるせかい
うつくしきせかいをその眼にうつしだす
せかいのゆめ
ひとのおもい
いきるもののおもい
その夢を
その想いを
いつまでも
絢葉
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