表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
拝啓  作者: Say
4/16

いま


 そんな私も時が経てば成長し大人と呼ばれる年齢となっていた。当時怖かったことも、みんな自分より記憶力良いなと思う程度には精神力も鍛えられた。

 社会人となった機会に一人暮らしを始め仕事も生活も慣れてきた、そんな矢先に祖母の病気が発覚した。私にとって親といっても過言ではない祖母は、私の成長とともに年を重ね、世間では高齢者に属する老い先短い老人であることを痛感した。

 私は時間を見つけては帰省し祖母を見舞い、すっかり元気をなくしてしまった祖母を色んな所へ連れ出した。行きたいと言っていた場所、食べたいと言っていたものなど思いつく、思い出せる限り連れ出した。そのうち出かける体力すらなくなってしまったけれど、また行きたいと言ってくれた。孝行ですらない私の自己満足なのに祖母は相変わらず私に優しかった。


 祖母の葬儀が終了しいつの間にか一人暮らしの家に帰っていた。

 近い将来いつか来ると心構えはしていたが実際のショックは大きく、どうやって帰ってきたか、そもそも葬儀にきちんと出ていたかすら覚えていない。ひどく頭が痛い。胸にぽっかりと大きな穴が開いたようだ。

『…あぁ、もう無理だ…。』


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ