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変化
砂時計は再び落ち始めた。わたしはゆっくり目を開けた。
あの子が起きた時色々と環境が変わっていることに驚くだろうが仕方がない。
わたしはあの子が第一優先で約束を果たさねばならないのだから。
残された時間は有限だ。
まずはあの子の心がすり減っている原因である仕事を変えよう。
わたしも昔より心身ともに成長している。上手く周りを利用することもできるのだ。
それにもともとは純粋なあの子が働いていたのだ、評判は良い。多少変更点もあったがしばらくして仕事環境を変えることに成功した。
ついでに面倒ごとを押し付けてくる人間関係も改善した。
そして家族についてだ。一緒に暮らす時間が短くとも家族である。
本来はあの子がやった方が良いかもしれないが、わたしがやっても問題ないだろう。
拗れた親戚関係もついでに清算させてもらおう。あの子は優しいから家族と親戚どっちも捨てなかった、捨てられなかった。
そんなイイトコドリしたかったあの子の思いは狡賢いわたしが尊重して守ろう。
そうして次々にあの子の環境を一新していった。