表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
拝啓  作者: Say
12/16

傍観


 また眺める日々が始まった

 あの子が起きてすぐ気付いたが、わたしの声は届かず、記憶もないようだ。色々な環境が変わっていたあの子にとっては驚きの連続だろう。

祖母も戸惑ってはいたがすぐに‘‘テルちゃん‘‘と呼ぶようになった。

祖父はこれを見越していたのだろう、祖父の先見と祖母の懐の広さを知った。


 なぜあのタイミングであの子が目を覚ましたのかは分からない。

しかしあの子は身も心も日々成長していった。記憶がないことを恐ろしく感じてしまうこともあったが、持ち前の前向きさで適応していった。

本来はあの子の人生だ。わたしはイレギュラーな存在であり認識されたことがおかしいのだ、そう考える日も多くなっていった。


 社会人となり家を出たとき、あの子は祖母の前では強がっていたけど一人で泣いていた。そんなあの子に寄り添うことはできなかったけれど、その気持ちは一番近くで感じ取れた。

働くということ大変で、心がすり減っていくこともあったがその中でも楽しみを見つけ充実した毎日だった。


そんなときに祖母の病気が発覚したのだ。その知らせを聞いた日夢を見た。

水滴が水面にゆっくりと落ち、波紋が広がっていく。砂時計は落ちていない。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ