表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
拝啓  作者: Say
10/16

二人Ⅱ


「やっぱり来たか、てる。どうした。」

 病が発覚し余命宣告を受けたとは思えないほど元気な祖父の姿がそこにはあった。

『てるって言った。どういうこと。』

「お前さんは言うてもまだ子供じゃのぅ。簡単なことだ。お前さんはそう思っていなくても、実際はまだ小さな子供だ。大人の保護が必要じゃ。それにテルが起きたとき、もしお前さんの声が届かなかったらどうする?きっと混乱するぞ。そんな時にのぅ、一人くらいは大人が居るべきじゃ。わしは居れば良いがあいにく長くはない。考えて託すならあいつと思った。心配するな、わしが惚れて愛した女、大丈夫。そして一つわしと約束してくれ、――。」

 祖父にとってはわたしも孫だったのだ。また心が温かくなった。


 少しして祖父は永いながい眠りについた。悲しむ祖母の背中にわたしはなにを思ったのだろうか。

『わしが惚れて愛した女、大丈夫』

 気付けば祖母にそう話しかけていた。その言葉を聞いた祖母はこちらを向いて

「そうね、てるちゃん。ありがとう。」と言ってまた泣いた。

 


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ