3. 女神の要件
前話短過ぎました
今話位が普通なのかな・・・
『さて、マルズさん 先ずは無事の転生 おめでとう』
やや引きつった笑みの女神、本当にめでたいとは思っていまい
『私、勇者に加護を与えた エンデバイヤの女神 エルグランダよ』
「召喚の女神様ですよね、先程伺いましたが・・・」
『そう、召喚、つまり境界と時空の女神という事よ』
「はぁ・・・」
女神の神意が掴めずに、気の無い返答を返してしまう。
『異世界転移、及び異世界転生は神の領域、事の重大性がイマイチ理解出来て無いみたいね
つまり、貴方の術式が成功する見込みは無かった筈なのよ』
女神の言葉に冷汗が流れる。
その言葉が真実ならば、今の儂の立ち位置は神威に背いた罪人なのでは・・・
確かに 勇者召喚の儀は国が威信を賭けて行う最終奥義
もちろん極秘中の極秘術式だ。
だが、術式に神の介在の必須性は存在していなかった。
魔力の消費総量こそ人外級だが、数十人の魔術師で行使可能な物だ。
儂の術式は、その消費魔力を、儂一人で可能にするモノだった。
勿論、失敗の可能性も有るにはあったが、成功の見込みが無かったとは・・・
再び、背中に冷たい汗が流れる。
顔面を蒼白にしたマルズに女神は
『事の重大性が伝わったみたいね』
一仕事終えたという風に、女神は又、カップのお茶を飲む
『あ、先に言って置くけど、私は貴方を罰する為に来たわけでは無いからね』
体を小さく丸め、膝に置いた手をジッと見つめるマルズに
今度は女神が、軽いノリで話し掛ける
『わざわざ、異世界の人間を罰する為だけに、地球まで託宣しには来ないから』
その言葉にやや、緊張が解ける。
転生して3ヶ月、赤ん坊に転生して死ぬほどの恥辱を味わった末に
神罰で消滅も有り得たのだ。
『ま、無断で境界侵犯した件は 貴方自身が既に代償を支払ってるし』
笑って女神がパチリと指を鳴らすと
空間に先程、マリアが撮ったスマホの写真が大画面で現れる。
他にも母、マリアが撮り溜めた現世、世良の可愛い写真が次々と表示される
『本当に可愛いわねw あ、心配してたみたいだから教えてあげる
世良ちゃんは男の子よ』
大画面に次々と表示される現世の自分、確かに代償を支払っている
羞恥という名の代償を・・・
一頻り、世良ちゃんの可愛いショットを堪能してから女神は
『転移をするにはチョット魔力が足りなかったのね その分を貴方の寿命3150年分で補ったわけ』
転移術式が転生になった理由を教えてくれた。
そして、飲んでいたティーカップをソーサーに戻し、軽くため息を吐く
『他にもコッチの世界に来る為の加護が貴方には足りなかったのだけど・・・何処にでも物好きな
神は存在するのよね』
女神が再びパチリと指を鳴らすと、空間に鑑定が表示される
エンデバイヤ王国所属
名称 マルズ・エラーダ・ギムウェルズ
種族 エルダーエルフ
年齢 3150歳
Lv. 2000
hp 2,000,000 /. mp. 10,000,000.
職業 錬金術師 魔術師 魔法師 大賢者.
スキル 魔力自動回復 体力自動回復
状態異常無効 魔法自動反射
身体強化 付与魔法
特殊錬金術
称号 探究者 竜殺し 悟りし者 救世者
勇者の友
魔法神 イシスの加護
ー神の次席ー
『これがエンデバイヤでの貴方のステイタス』
女神の右手、上空にスクロールの様な物が浮かび、
左手側には枠内表示の様な画面が浮かぶ
『コッチが現在のステイタスね』
ー地球ー日本所属
名称 毛利 世良 (もうり せら)
種族 ヒト属 男
年齢 生後3ヶ月と12日
Lv. 20
hp. 2,000. /. mp. 1,000
職業 大賢者
スキル (魔力自動回復)(体力自動回復 )
(状態異常無効 )(身体強化)
(付与魔法 )(特殊錬金術)
称号 竜殺し 悟りし者 救世者 勇者の友
魔法神 イシスの加護
女神 エルグランダの加護
天之御中主の加護
天磐門別命の加護
『どう?これが前世と今の鑑定結果よ』
マルズはスクロールの方には見覚えがあった。
勇者の【鑑定】スキルを基に自分で作成した[スキルスクロール]の魔法だ。
しかし、自分の知らない称号が書き込まれていた。
「・・・神の次席・・・・」
『あぁ、コレね』
女神は表示画面はそのままに、問題の文章だけを発光させた
『う〜ん コレはもう時効かな、貴方、次の魔法神の候補だったの』
爆弾発言。
『もともと、エルダーエルフは次期、神候補なの、エンデバイヤでは3人しか居ないしね』
更に爆弾投下。
『他の二人は後300年以内には交代で神になるはずよ』
3000年生きた元の世界にも自分の知らない事があったのか・・・
その事実にただ、ただ驚嘆する。
『話が逸れたわね、要は私が困ってるって事』
「???」
盛大に疑問符が浮かんだが、解消の術が無い。
『私は召喚の女神、異世界から呼ぶ勇者に加護と恩恵を与えるのがお仕事なの』
「それと儂に何の関係が?」
『頭が良いのにバカなのね・・・』
残念そうにエルグランダはマルズを見て溜息をついた。
『本来エンデバイヤは閉じた世界、
まぁ、勿論 地球もだけど、召喚は神が行う一方通行の手形なの』
子供にいい含める様な調子で女神は、人差し指をマルズに向けて話し続ける。
『今世の勇者が地球に戻れたのは、元々この日本の神の加護があったからなのよ』
マルズは頭を抱えた。文字通りに・・・
両手で頭を押さえ込みテーブルに顔を突っ伏した。
驚きの事実だ。
召喚が一方通行だとか、エルダーエルフが神候補だとか
与えられた情報が多過ぎる、しかもどれもが神の領域、神秘の開示だ。
頭の中身の整理を必死にしていると・・・
『で、貴方の魔法術式、私の加護を軸にしてこの日本に転移してるでしょ?
そもそもあの術式は私に呼び掛ける為だけの術式なのよ
広域で人種が神様にお願い事をするっていうか・・・祈願、祈祷に近い感じ』
驚愕の事実、あの複雑な術式が、まさか神に直接接触する為の物だったとは、
神の存在は加護で知っては居たが・・・
個人的に神に何かして貰うなど、全く考えていなかった。
『元々、貴方達、エルダーエルフは神に近い所為もあって異世界転移を望む祈祷が
私ー召喚の女神ーに届いちゃったのよ、そもそもヒト一人で可能な魔力量じゃない筈なのにね』
『はぁぁ』
と又、女神が溜息を吐く。
女神の言う事が真実であるならば、いや、疑う余地も無いほどの真実だが
日本への転移が成功するはずが無い、転生だって不可能だ。
エンデバイヤでただ、女神に説教されて終わりか、そのまま神席入りの筈だ。
日本に、女神 エルグランダは存在しないし、自分には日本の神の加護が無い
始めから成功する見込みの無い術式だ。
では何故、自分は日本への転生を果たしているのだろうか
『勿論、術の発動時に私は貴方に加護を付けて、神界に召喚しようとしたのよ・・・
実際はこの展開だけど・・・・』
この展開とは、儂の異世界転生の事だろう。
『貴方に興味を持った日本の神が、召喚に応じて貴方に加護を付けちゃったワケ
二柱 天之御中主様と天磐門別命様』
『問題は、私の神力じゃ、この二柱の所在も加護の力も
全くわからないって事なのよ・・・』
今度は女神が頭を抱える
『日本は神が多過ぎるのよ!八百万ってどういう事よ!
勇者召喚ではそれが都合よく働く事もあるから気にした事無かったけど
エンデバイヤにも日本からの召喚勇者が多いし、現在の魔法神 イシスも
元は日本人の召喚勇者だし』
又も爆弾発言。
目を丸くするマルズを余所に、エルグランダは愚痴を続ける。
『この二柱、あ、柱は日本の神の数え方ね
日本の神の初期の神で、天之御中主様は原初の神、造化三神のひと柱
天磐門別命は私と同じ境界と時空の神らしいんだけど・・・』
エルグランダが早口で二柱の説明を始める
『現在の所在が不明なのよ・・・祀られてる神社にも居ないし、高天原にも居ないし
出雲にもいらっしゃらない。
ぶっちゃけ、どうやって貴方に加護を付けたか、方法も理由も不明なのよ』
混乱の極みに達したのか、エルグランダはテーブルに突っ伏して美しい金髪をかき乱した
『はぁ で、貴方への要件なんだけど・・・3歳までは如何なる魔法も使わないように
って言うか、この空間から目覚めたら3歳だぞ!って事』
・・・・・暫し、両者沈黙・・・・・・
「ええええええええぇ」
先に口を開いたのはマルズ
『加護を付けた二柱の神は、私の様な新規の神には探しようも無いのよ
加護に関しては神の気まぐれな事も多いしね
すごい神様からの加護だと有難く思うに留めて置いて』
『勿論、向こうから接触があった場合は要連絡で』
「手段が無いのだが・・・」
すると女神が又、指をパチリと鳴らした。
『大丈夫!私の加護を軸にエンデバイヤに念話が通じる術式を書き込んでおいたから
サービスで日本語の習得も書き込んだであげる』
「目覚めたら3歳とは?」
『貴方、エルダーエルフとはいえ、150年も執拗に召喚術式の研究してたでしょ?
脳の発達も、体の発育も儘なら無くとも、魔法を使うなって方が無理筋でしょ
だからある程度、成長するまでは記憶を封じる事にしたの』
確かに既に身に覚えがある・・・
鑑定を使う予定だった・・・
女神に指摘され、目が泳ぐ
『やっぱりね 本当に間に合って良かったわ
日本の神が召喚に応じて加護を付けた貴方に、早々に死なれたら困るから
高位神の加護が付いてても乳児が魔力使ったら、普通にあの世行きよ』
『さ、私のお仕事はコレで一旦終了、後は好きに生きて良いわよ
魔力の行使には気を付けてね』
そう言うや否や、女神がパチリと指を鳴らした。
そして、マルズは目を覚ました。
毛利 世良3歳として
更新 頑張ります。