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プロローグ

なるべくコンスタントに投稿して行きたいとは

思ってます。

儂、マルズ・エラーダ・ギムウェルズは確かにエンデバイヤにある

旧魔王城、物見の塔の地下

そこから勇者 神崎かんざき 勇人ゆうとの故郷、日本へ転移した

そのはずだった


しかし、違和感が拭えない・・・

ぼんやりとした明かり、それ以外何もない

手足の感覚はあるが、はっきりとした情報ではない

背中を冷たい汗がつたう

脳裏に浮かんだのは『失敗』の二文字


と、不意に強い衝撃が背中をたたく

痛いというよりは、バシバシと背中を叩かれる感触か?


ーーーーーーーー



「このこ、泣いてない、羊水が気管に詰まってるのかも」

看護師はあわてて赤ん坊の背中を叩く

ほどなくして

赤ん坊は「っこほ」っと小さなせきをつき

ギャーギャーと大きな産声をあげた

緊迫していた分娩室の空気がやや弛緩する。

看護婦は元気に泣き声をあげる赤ん坊をベットの上の母親の腕にそっとさしだした。

「元気な男の子ですよ」

「あぁ お誕生日おめでとう」

汗で張り付いた自分の髪を耳にかけ、腕の中の小さな命の頬にそっとキスをする

「ありがとう、マリアよく頑張ってくれたね」

傍らで出産を見守っていた夫、毛利もうり 大成たいせいは産まれたばかりの我が子と

マリアをギュッと抱きしめた。


ーーーーーーーー


人の声はする

何を喋っているかはさっぱり分らなかった

何か話しかけようと声を出してみるが

「うぅ」とか「あぁ」とか言語にならない

必死に喋ろうとして出たのは泣き声だった・・・

脳をフル稼働させ、でた結論は・・・


転移に失敗した

そして・・・信じたくはないが産まれたばかりの赤ん坊の自分


転移ではなく転生しているのだ

五感の感触が弱いのも、話し声の理解が出来ないのも

うっすらと明るいだけの視界も

たんに自分が産まれたての赤ん坊だからだ


混乱のあまり又、ギャーギャーと泣いてしまう

すると口に何かが入ってくる

本能のまま吸う・・・

母乳である・・・当然だ、泣いている産まれたての赤ん坊だ

母親がとる行動としては、しごく真っ当だ

だが前世エルダーエルフの儂は自然発生系、有体精霊種

母乳をあげているヒト種を見たことはあっても

自分が飲んだことなどある筈もない

混乱の極致である

しかし本能は忠実に母乳を摂取し腹を満たしていく

その結果


ーーーーーーーーーー


「みて、あなた この可愛い寝顔」

「本当に天使のようだ」

赤ん坊をあやし、母乳を飲ませ、眠りについた我が子を

いとおしく抱きしめる二人

当然、我が子が転生者などと知る由もない


「お母様譲りの金髪に、薄い茶色の瞳、本当、可愛!」

「そうねぇ 鶴◯似でも、ガッツ◯松似でもないもの」

「これは将来○ャニーズじゃない?」

看護師たちの軽い会話、そこに両親の親ばかも手伝って

病室は明るい賑わいに包まれる

ただ一人、満腹時の睡魔に勝てず

苦悶の表情で眠る

元大賢者 マルズ・エラーダ・ギムウェルズをのぞいては・・・






次回もよろしくお願いします( ̄∇ ̄)

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