表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/5

Ⅴ 『now』

ライ「お久しぶりです。」


ライ「かなり時間が経ってしまいましたね…」


ライ「クリスも、ソラも、ギルも…」


ライ「どうやらもうここには来れないようです。」


ライ「今回は、私だけで」



『now』


ライ「変わらなかったのは、どうやら私だけみたいです。」


ライ「あの子は…変わった。」


ライ「自分の幸せだけを考えて、綴っていた。」


ライ「好きな物語から、好きなキャラクターから、少しずつ切り取って綴っていた。」


ライ「あの子は、きっと…何年も、私たちのことを忘れていた」



ライ「ねえ。」


ライ「私、とっても嬉しいんです。」


ライ「あの子が、自分の幸せしか欲しくないって…そのために楽しむ物語を作って、ストレス発散していたのを知っている。」


ライ「場面があっちこっちに飛んで、好きなところしか書き綴らず、キャラクターは対立させて…。」


ライ「あの時は、大変でしたもんね。」


ライ「好きな物語でありながら、私たちはあの子のコンプレックスで出来ていた。」



ライ「クリスには、人を信じない心を。何よりも強くさせて、その狂った心をそのままでいさせようとした」


ライ「ソラには、辛かった過去を。ここは物語になっていないけど…ソラは、外国でストレスを抱えたのだと、そう書こうとしていた。」


ライ「ソラを書けなかったのは…どうしてかな。忙しくて書かなくなって、元の場所に帰ってきて、辛い思い出を見たくなかった?」


ライ「ギルは、救いだった。あの子の、幼なじみみたいに、強い言葉ですくい上げる子。…でも、書けなかった」



ライ「今は、あの子は全員を救おうとしている。」


ライ「辛かったあの子が書いた、不幸せにさせて殺してしまったキャラクターを。」


ライ「もう一度、最初から」


ライ「丁寧に、丁寧に、救いあげて。」


ライ「ストレスで記憶が3年分までしか持たなくなったもの。」


ライ「きっと、いつか過去のあの子の辛さを、忘れてしまう。忘れてしまうけど、辛かったから救って欲しい。いつかも分からない未来に託した。」


ライ「大人になってからでも良かった。おばあちゃんになってからでもよかった。」


ライ「いっそ、忘れてしまっても良かった。」




ライ「私は…まだ物語として公開していない。」


ライ「私のことを物語で書いたら、多分あの子は救われた」



ライ「完結しないかもしれない。」


ライ「今だって辛い。」


ライ「私は、ライは、英語で嘘という意味。」


ライ「この世界は、私のため。」


ライ「あの子が、幸せの像としてライを作った。幸せになったあの子の姿が、私。」


ライ「だからね。」



ライ「誰にも届かなくていい。」


ライ「これは、忘れてしまうあの子のため。」


ライ「どうか、私たちを」

どうか、未来の私へ。

幸せになってください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ