Ⅱ 『Flower』
クリス「やあ、僕だよクリスだよ。」
クリス「忘れちゃったかな? まあ、いいけど。 我ながら濃いキャラだと思ったんだけどねえ。 覚えててくれたら嬉しいよ。」
クリス「ここでは僕の素性なんてあまり必要じゃない。 大切なのは、ここでは嘘が付けないということだけ。」
クリス「それじゃあ、今回もまた、始めようか。」
『Flower』
クリス「flower、訳して『花』…これについて話すの、難しいと思わない?」
クリス「意地の悪い僕からの出題だよ。」
クリス「まあ、僕も答えなくちゃいけないんだけどね。 僕は、好きな花がひとつある。」
クリス「それは彼岸花なんだよ。」
クリス「毒がある花でね、綺麗な見た目をしてるけど怖い花なんだ。」
クリス「僕とそっくりなんだよねぇ。」
ライ「またクリスと一緒ですか。 少し最悪です。」
ライ「私の事、覚えていなくても別に大丈夫ですよ。 ここでは嘘がつけない、それだけ覚えてもらえれば。」
ライ「そうそう、私が好きな花はとくにありません。」
ライ「けど、白い花は好きですね。」
ソラ「どうも。」
ソラ「はじめまして。 ソラだ、よろしく。」
ソラ「ぇ、コイツらと一緒? 最悪かよ…」
ソラ「えっと…俺の好きな花は茜だ。」
ソラ「これでいいのか?」
クリス「うわー、ソラさんガラ悪いー」
ライ「初めてここに来たんですし、少しは自己紹介してくださいね。 えっと、ソラさん、でいいのでしょうか。」
ソラ「はぁ…。 俺はソラ、ここに来た理由は頼まれたからだ。 誰にとは言わねーけど。 頼まれなければクリスのいる所なんかに来るかよ。」
クリス「はいはい、これで3人目か。 …意図せず、共通点のある3人が集まっちゃったねぇ。」
ソラ「共通点なんてあるか?」
クリス「いや、こっちの話。 気にしないでね?」
ライ「そう言われると気になりますが、無視して話し続けましょう。 何で『花』について話すんですか?」
クリス「意地の悪い出題でしょ? …なーんて、そんなのが聞きたいわけじゃないんだよね。」
クリス「少しね、どうしてこの世界には花がないのかなあ、と。」
クリス「元の世界…と言っていいのか分からないけど、そこでは花があるのに、なんでここには花が無いんだろうね?」
ソラ「嘘がつけない場所なんだろ、ここって。 花が嘘と認定されたんじゃないか。」
ライ「? 相変わらずよく分からない世界ですね。」
クリス「花が嘘扱いね…なんだか、この世界を作った人はとてもひねくれてるように感じたよ。」
ライ「…それ、クリスにだけは言われたくないでしょうけど。」
ソラ「そろそろ終わりでいいか? お前らと喋ってるとなんか嫌な気分になる。」
クリス「ひどいな、ソラさん。 まあ…そうだろうけどさぁ。」
ライ「私もですか? なんで初対面の人にそこまで言われるのか分からないけれど…それでは、また。」