第101話 大型犬と子猫の写真はあざとい
「艶々でフサフサのダモが可愛いですね。」
ブラッシングされ疲れか、すやすやと眠っている。
「ダモの毛皮に埋もれたジジ君とマリーちゃんも可愛いです。」
フカフカの毛皮に埋もれて気持ちよさそうに眠っている。
カシャ!パシャ!カシャ!
いろいろな角度からダモフェンリルとジジ&マリーの写真を撮る。
ジーーー。
ついでに動画も撮った。
見れば見るほど可愛い。
自分だけで楽しむのは勿体ないのでオシャスタグラムにアップした。多くの人に見てほしい。
「ダモ!ジジ君!マリーちゃん!みてください。」
興奮し、嬉しそうなエマがスマホを掲げて走ってくる。
「どうしましたか?」
首を傾げるダモフェンリルが可愛い。
「オシャスタグラムです!」
みて!と小さな画面を差し出す。
仲睦まじく眠るダモフェンリルとジジ&マリーの写真が写っていた。
「あんまり可愛いので1枚だけアップしてみたら、ものすごい数のいいね!がつきました!」
スヤスヤ眠るダモフェンリルと、ダモフェンリルの毛皮に埋もれて眠るジジ&マリーの写真に1,000いいねがついていた。
「わあ!優しい写真ね。」
「エマの目には俺たちがこんな風にみえているんだな!」
ジジ&マリーが嬉しそうだ。
「・・・・・・。」
嬉しそうなジジ&マリーの隣でデイモンが無言だ。
「ダモ?・・・写真、嫌でしたか?」
エマが不安そうだ。
もちろん嫌なんてことはない。
これまでにもお互いの写真をアップしてきた。・・・ただ、今までアップしたエマの写真よりもいいねを集めてしまったことが気になっているのだ。
「いいえ、嫌とかではなくて・・・どうせならエンマと一緒の写真にいいねされたいなあって・・・。」
「そうよね!」
「エマがいてこそなんだぜ!」
「今度、そういう写真も撮りましょうね。でもエンマが可愛いと思った写真にいいねされて嬉しいです。」
デイモンのエマ愛が炎上した。
「僕はエンマの可愛い写真で、もっといいねを集めます!」
エマの可愛らしさを知らしめるのだと拳を握るデイモン。
カシャ!パシャ!
エマとジジ&マリーが何かする度にシャッターを押すデイモンにエマが怒りだすのは時間の問題だった・・・。