表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺とあいつの秘密の七日間  作者: シソ熊
16/16

3日目⑦

よろしくお願いします。


結局0:00を過ぎてしまいました…。

スマホの電源を付けると、タマさんが寄ってきた。


「なんなんこれ?急に光ったんやけど…!」

え?え?大丈夫なん!?お祓いでもせんと危なそうなんやけど…!と騒ぎ立てていた。


「ぶはっ…!」

「なんで急に笑っとるん・・・?」

俺が噴き出したことに対して、困惑したような顔だった。


「すんませんタマさん。これはスマートフォンっていうやつなんすよ。」

「すまあとほん?まさか…、物の怪!?人間につき従う物の怪でもおるん?」


もののけとはむしろ何だろうか?アニメ映画か何かに関連するものなのだろうか?


「ふふっ、お互いに混乱してるじゃない!」

愉快そうな表情をして、美来は俺とタマさんの間に入っていった。


「スマートフォンはモノの名前だよ、タマさん。前、アプリの話をしたでしょ?そう言ったものを入れている箱の名前!


物の怪は、妖怪みたいなものだと思えばいいんじゃないかな。鬼とかそういうものだって思っておけばいいよ。」


ああ、なるほど、と俺とタマさんはうなずいた。


「この中に、あの便利なアプリなるものが入っとるん?薄くて、入りそうには見えんのやけど…。」

まあ、そうなんだけど、文明の進歩はすごいんだよ。と美来は言う。


具体的説明をできるほど俺も美来も電子機器の仕組みに詳しくないため、そういうものだー。とお互い連呼するだけになった。


「よく翻訳できるな。」

「長い間、タマさんといるからねー。」


確かにそうだと頷きながら、スマホを操作していく。


ギャラリーを開いてから、今日の昼に撮ったスクショを画面に表示した。


「そうそう、俺もポケベルについて調べてきたんだよ。まあ、有名なまとめサイト開いただけなんだけどな。」

いいよいいよ、と美来はうなずいた。


「うわ、日本初のポケベルは1968年だってよ!50年くらい前じゃね…?」

「50年って言ったら半世紀かあ。」

自分の父親の年齢よりも、50年と言えば上だ。


「昔だな。」

「結構前だね。」

「最近やないの。」


三人は同じタイミングで声を上げた。


「えっ?」

「へっ?」


俺と美来は、唯一違う意見を言ったタマさんのほうを思わず見た。


「ああ、ほら、うちはもう少しだけ長くこの山におるから。」

そういうことか、と頷いた。


タマさんがいつからの人かは知らないが、時間の感覚が俺たちと違うこと自体は当然ともいえる。


ポケベルの写真を拡大した。

「タマさんはこれ見たことあるんすか?」

そう言って画面を見せる。


「よく似とる絵やなあ。そうそう、前ここ来た人はこんなん持っとったけん、うち驚いたんよ!何が使われとるんって!」


絵じゃないんだよな、実は。と、笑いあった。


今日も時間となり、山を下りていった。


「つっても、生きたいっつう未練の解消法なんてどこで調べればいいんだ…?」

図書館に行こうかとも思ったが、いやないだろうと思ったし、飯の時間までヤバかったので帰宅することにした。



「いっそ、それこそ雅さんに聞いてみるか…?オカルト好きなら噂程度は知ってるかもしれねえし。」

そこで、あれ?と気づいた。



「そういえば、今日は雅さんに会わなかったな…。」

まあそんな日もあるかと、家の扉を開けた。


◇ ◆ ◇


「失礼いたしました。」

ふすまを静かに閉じ、穂乃香は自分の部屋に入った。


穂乃香は椅子に座ってからスマートフォンのメッセージアプリを開いた。


『優弥は終わった?』

既読が付かないのを確かめてから、ノートを開いた。


しばらくして、ノートもだいぶ進んでからスマートフォンの画面が明るくなった。

『遅くなってごめん。終わったよ。』

『穂乃香の方は大丈夫だった?』

連続でメッセージが来てから、心配そうにのぞき込む猫のスタンプが送られてきた。


「あは、これが陽の言うギャップ萌え…?のやつか。」

小さくつぶやいてから、返信を打つ。


『うん、まあまあ怒られちゃったけど。

優弥に火傷させちゃったことと、親しくもない方からお菓子をもらって!って。』

『その後、成績の話にまでなるんだから。別に、中央点より高いのに。』


一度返信が来てからは、基本的に優弥は即レスするタイプだ。ただし、文字を打つのが遅いため多少待たないといけないのだが。


スマートフォンの通知音の設定をオンにしてから、穂乃香はノートを閉じて机を片付ける。

片付け終わったころにポンッという軽快な音がした。


『僕もそのくらいかな。あとは、もっと注意深い行動をしろ。って言われたよ。』

『中央点よりはって、平均点よりは低いじゃないか。』

顔をしかめてから、返信を打つ。


「もう、やになっちゃう。こういうことで呼び出すせいで、陽を断らなくいけなくなっちゃうんだよ…。」

小さくため息をついてからベッドに飛び込んだ。


「しかも本当に口うるさい。何度も言われなくたって分かってるよ…。」

枕に顔をうずめて、穂乃香は小さくつぶやいた。




ありがとうございました。


中華まんっておいしすぎて、マジギルティ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ