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あの日から私達は、何をするにしても一緒に居る様になった。
部屋は別々のままだけれど、宿題をするにしても夜寝る時も、どちらかの部屋で一緒に過ごした。
お互いに好き同士であるならば、キスだってした。
初めてのキスは緊張したし、顔も真っ赤になって上手く出来たか不安だったけれど、何回もするうちに慣れていった。
「恋。こっち向いて?」
「何?」
「ちゅっ」
「 ………… い、いきなりキスしないで!」
「えー! キスしても良いでしょ。それとも恋は、私とキスするの嫌?」
「い、嫌なわけないじゃない!」
「なら、良いよね! ちゅっ!」
「も、もう……」
今まで別々で登校していたが、今では手を繋いで一緒に行く様にしている。勿論、恋人繋ぎというヤツだ。
「さ、咲 …… は、恥ずかしいよ」
「大丈夫だよ! 姉妹でのスキンシップと言えば、誰だって納得するよ!」
「そ、そんな事……」
「大丈夫だって!」
まぁ、慣れるまでには時間掛かったけれどね♪
誰も来ない空き教室を見付けてからは、休み時間や放課後、恋と一緒に行って、抱き合って何度もキスをした。
「こんな所でしてたら、誰かに見付かっちゃうよ」
「大丈夫だよ。絶対に誰も来ないから。早くキスしよ?」
「……うん」
「「 ちゅっ、ちゅっ、ぢゅる、ぬぷぷっ 」」
唇にちゅーするだけじゃ足りなくなって、互いの舌を絡める様にまでなった。
「さ、咲…… 激し過ぎるよ」
「でも嫌じゃ無いでしょ?」
「そうだけど」
「じゃあ、続きしよ」
「「 ちゅっ 」」
何かする度に、顔を真っ赤にさせて照れてる恋を観てると、可愛いと思うし、そんな表情は私にしか見せないから、もっと好きになっていった。
「恋。デートしよ?」
「デートですか?」
「うん。中学生までは一緒に買い物とか行ってたけれど、高校生になってからは一緒に出掛けるとか無かったでしょ。だから一緒に出掛けよう。それに私達は恋人なんだし、二人で出掛けるのなら、デートと言うでしょ」
「分かった。一緒に出掛けよう。でも、何処に行くの?」
「折角だから、少し遠くにある公園とか行かない?」
「あそこの公園ね。いいよ、行こう」
「そうと決まれば、出発ー!」
恋と一緒に来たこの公園は、自宅から一時間程離れた場所にある少し大きな公園だ。敷地内には、藤、ビオラ、チューリップを始め、色取り取りの花が花壇に所狭しと植えられていた。
花壇の周りを二人で散策しながら、色々な話をしていると、嬉しいからか顔が自然と笑っていた。
これからもずっと、一緒に居たいという想いから笑顔になれたのだと気付いた時は、顔から火が出そうな程真っ赤になり照れてしまった。
「恋、好きだよ」
「はい。私も、咲の事が大好きです」
私達はどちらも女の子。世間では受け入れられなくて、どんな困難が待ち受けていたとしても、私達なら大丈夫。
この花壇に植えられた花の様に、しっかりとお互いを想い、好きだと言う事には変わりが無いのだから。