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今回は、恋の回想のみになります。
~回想 ~
私は、小さい頃から咲の事が好きだった。
最初は、姉妹としての好きだったのだが、次第に恋愛感情へと変わっていった。その事に気付いたのは、多分中学生だと思う。切欠は忘れてしまったが、お互いの容姿が変わってきた頃くらいからだろう。私は急に背が伸びたが、咲は変わらずそのまま。その変わり彼女は、女性らしい体つきになった。
咲は、可愛らしい服装を好み、お洒落にも余念が無かった。
逆に私は、お洒落には無頓着だが、咲に釣り合う様にと努力した。その頃に、同性愛について色々と調べた。
同性愛とは、性的少数派であり、また世間一般にも知られる様になったとはいえ、まだまだ認められない方が大きい。
“私が好きになった人は同性、しかも実の双子の妹”
周りや、親にも知られるわけにはいかなかった。それでも日増しに、咲を想う気持ちが膨れ、このままでは何れ、咲に私の想いがバレてしまいそうだったから、母に高校入学と同時に、部屋を別々にしてくれる様にそれとなく頼んだ。
それと同時に私は、咲とは真逆を目指したのだった。
結果として、咲に関わる事すら無くなってしまったのに気付いたのは、高校二年生になって直ぐの事だった。
咲を想う気持ちは、誰にも負けない自信は有るが、それを伝える勇気は無い。でも、何時か咲に彼氏が出来たとして、私は素直に祝福する事が出来るのだろうか? もし、それが彼氏では無く、彼女だったとしたら、もっと素直に祝福する事は出来るのだろうか? そんな事を考える日々だった。
そして今日の昼休み、男子や仲の良い子の話を聞いて、咲が告白された事を知り、咲が遠くに行ってしまうのも、時間の問題だと悟った。