第4話
最初は別の人の視点からになります。
諒達が妖穢を探していた、一方その頃、真宵禍の中、制服を身に付けた高生位の女の子が化け物に襲われていた。
化け物は女の子を追いかけて、咆哮する。
《アォーーーーッ‼︎》
化け物の咆哮に女の子は、怯えた様に逃げ惑う。
「ーー私、なんでこんなことに?……ただ高校に上がる準備しようと……」
《アォーーーーッ‼︎》
女の子が何か言おうとしていたのに、被せるように化け物の咆哮が尚も響き渡る。
女の子が化け物から逃げ惑ううちに、広めの交差点の様な場所に差し掛かった時に、女の子は躓いて転けてしまう。
《アォーーーッ‼︎》
化け物は今にも女の子に向かって、凶器になりそうな程にデカい腕を振り下ろそうとする。
女の子は自分の最後を悟り、それでも助かりたくて懸命に叫ぶ。
「嫌!死にたくない。……嫌ぁーー‼︎」
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諒達は、祓穢隊の眼を掻い潜りながら、妖穢の気配を追って居たが、予想以上に祓穢隊が多くて疲弊していた。
「蛍、祓穢隊が多くて大変なんだが。と言うか隠れる必要なくないか?」
蛍は諒の物言いに呆れながら指摘する。
「君の今の格好。どう見ても怪しい人だよ」
諒は自分の服装を見回す。そして、蛍に一言。
「そうか?」
蛍は諒のその発言に、深い溜息を吐きながら。
「はぁーー……そうだよ、君の今の格好、怪しいし最悪、妖穢と間違えられるよ」
諒は失礼なと思いながら、肩を上げて先に進む、すると少し遠くから咆哮が聞こえる。
《アォーーッ‼︎》
その咆哮を聞き、諒は声の聞こえた方向に、霊力を飛ばし気配を探った。
すると腕のデカい化け物が制服姿の女の子を追いかけていた。
「ーーん?」
「どうしたの?」
諒は女の子が妖穢らしき、化け物に追いかけられていた事、女の子が人魂では無かった事を蛍に伝える、すると。
蛍は少し考えた、素振りを見せて答えた。
「妖怪に近い存在なのかもしれないけど、誰も居ないのに力を使わないのを見ると、普通の人より魂の色が濃いい人なのかも」
「……そうなのか」
蛍の言葉に諒が納得していると、蛍は諒を急かす。
「ーーてっ!納得してないで、早く行く!」
「ーーあっ、ああ」
諒は蛍の言葉に頷き、走り出した。すると交差点が見えてきた、女の子の叫び声が聞こえ、化け物が女の子にその巨大な腕を振り下ろす直前で、諒は化け物と女の子の間に入り、化け物の腕を受け止めた。
諒は女の子方に、顔だけを向けて言った。
「お前さん、此処は自分に任せてさっさと逃げな」
「ーーはっ!はいっ!」
女の子は諒の言葉に慌てて、返事をすると、交差点を少し行った所にあった、瓦礫に身を隠した。
その光景を見た諒は思った、おい逃げるんじゃなくて、隠れるのかよっと。
諒はそう思ったが、下手に遠くに離れられて、禍人に襲われるよりは良いと、判断して
妖穢と対峙する。諒は妖穢を見て呟いた。
「あの妖穢、腕がデカいな」
「妖穢は変化するキッカケの悪意によって、取り憑いた時の姿が変わるからね。差し詰め、アレは人を殴り殺したいって悪意じゃないかな?」
蛍の言葉に諒は頷くと、妖穢に向かって攻撃しに行くが、諒の攻撃は妖穢が腕を、振り回す事で防がれしまう。
諒が妖穢の腕に当たり、怯んでる隙に妖穢は腕を振り下ろして攻撃してくる。
《アォーーーッ‼︎》
「おっと」
諒はそれをまた、受け止めた後、攻撃しようとしたがまた、さっきと同じ様に巨大な腕を振り回されて防がれてしまう。
その後も巨大な腕を、振り下ろして来たのをまた、諒は受け止めた。
《アォーーーッ‼︎》
「このままじゃ、同じ事の繰り返しか、蛍どうすればいい?」
妖穢の腕を受け止めながら、諒は蛍に相談した。すると蛍は呆れながら答えた。
「全く君は、自分で考えればいいのに……」
諒は妖穢の腕を押し返して悪態をつく。
「いいだろ、お前さんはお目付け役なんだからアドバイスくれても」
諒の悪態を聞くと、口を尖らせる様に蛍は言う蛍に口は無いのだが。
「あのくらい大きい腕なら受け止めずに避けるのも、手だよ」
「……そうか」
蛍のアドバイスに成り切って無い、アドバイスを聞き諒は気の無い返事をする。
諒はまあとりあえず試してみるかと、思い。妖穢に攻撃をして、妖穢の振り下ろす、攻撃を誘発しようとすると。
見事に妖穢は諒の攻撃を、巨大な腕を振り回して防ぎ、その後に腕を振り下ろして来た。
「おっと」
諒は気の無い返事で、妖穢の振り下ろし攻撃を受け止めるのでは無く、後ろに下がる事で避けた。すると、妖穢の巨大な腕は二本とも地面にめり込んで、外れないようだ。
それを見た諒は。
「ーーんっ?これはチャンスだな」
諒は真顔で言うと、地面にめり込んだ腕を抱える様に持ち上げて、妖穢を地面に叩きつけ投げ飛ばした。
すると妖穢は建物の壁に当たって、動けなくなった様だった。蛍はそれを見てすかさず諒に指示を飛ばす。
「諒君、今だよ、片腕に霊力を集めて妖穢を引きずり出すんだ‼︎」
諒は蛍に言われた通りに、妖穢に近づき右腕に霊力を集中させて妖穢に突き立て黒い人魂みたいな者を引きずり出した。
そうすると、真宵禍が消滅していって、諒に保護されていた、人達も外傷は無くその場に現れた。
蛍は諒にさらに指示を出す。
「ーー早くそれを喰べて浄化して」
蛍のその言葉を聞き、諒は眼を見開き嫌そうな顔をしながら言い放つ。
「ーーまた喰べてるのか⁉︎」
蛍は諒の言葉を聞き頷くと、諒は肩を落として、少し戸惑いながらも黒い人魂を諒が、喰べると諒から、白い人魂が出て、空の彼方に消えていった。
空を見上げ諒は言った。
「……浄化……完了っと」
「初浄化、おめでとう」
蛍は尚も空を見ている諒に、激励した。
諒と蛍が話していると、瓦礫から女性が出て来て、諒に対してお礼を言って来た。
「ありがとうございます。私の名前は上代雛李です。よろしければ貴方の名前は?」
「ーーんっ?自分は……」
諒が自身の名前を告げようとしたその時、騒ぎを聞きつけて、若い青年の祓穢隊がやって来て。諒に向けて銃を構えて言い放つ。
「この状況は?ーーはっ‼︎そこの化け物、女の子から離れて投降しなさい」
「ーーいや、この人は……」
女の子……、雛李が説明しようと祓穢隊と諒の間に立った瞬間、諒は高く跳び上がりビルを使って逃げて行った。
隊長の様な人が他の隊員に色んな指示をすると雛李に聞いて来た。
「大丈夫かね?君」
雛李は祓穢隊の隊長に返事した、を返して。
今はここに居ない諒の事を考えていた。
最後に見えた諒の感情の色は悲しみと喜びを混ぜたような色だったと思う雛李だった。
どうも、この雛李と言う女の子も普通の人とは違う様だった。
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ビル伝いに、諒は服装を変えた路地裏に降りた、蛍は諒の胸ポケットから出てため息を吐く。
「ーーふぅ〜。危なかったね、あのまま捕まってたら人類の敵扱いだったしね」
諒はお面を外しながら蛍の発言に同意した。
「ーーあぁ。さてと、気になるあの屋敷に行く前に情報を少し集めるか、お金はとっ?」
「お金ならポケットにある、通帳を見てみて」
諒が言われた通りにポケットを見てみると通帳が、ありそれを見てみるとつい、数分前に入金と書かれて居た。
蛍はその通帳について説明してきた、通帳は妖穢を浄化するとそれの妖穢に見合った対価を自動で口座に入金されるみたいだ。
諒は通帳をポケットにしまい、商店街に出て歩き出すのだった。
取り敢えず、一体目を浄化完了しました。
まだ、先は長いけど、これからもよろしくお願いします。




